■ J1リーグ・第2節 その2アジアチャンピオンの浦和レッズのホーム開幕戦。相手はピクシー率いる名古屋グランパス。浦和は開幕戦で横浜FMに0対1で敗北。一方の名古屋は、京都相手に1対1のドロー。しかしながら、その内容には大きな差があった。好調の名古屋が浦和を相手にどういうサッカーを見せるかが最大の注目である。
浦和はDF闘莉王が欠場。MF阿部がディフェンスラインに下がり、ボランチには細貝が入る。<3-5-2>でGK都築。DF坪井・堀之内・阿部。MF鈴木・細貝・平川・相馬・山田。高原とエジミウソンの2トップ。
対する名古屋もDFバヤリッツァが怪我のため欠場。代役で竹内がCBに入り、右サイドバックに青山隼を起用。GK楢崎。DF青山・竹内・吉田・阿部。MF吉村・中村・マギヌン・小川。FWヨンセンと玉田。ボランチもMF山口に代えてMF吉村を先発で起用してきた。
■ ピクシー監督が初勝利!!!試合は前半14分にMFマギヌンの左からのクロスをFWヨンセンが頭で合わせて名古屋が先制する。さらに、後半23分には相手GK都築の信じられないようなミスパスからフリーのMF小川がループシュートを決めて2対0と突き放す。
浦和は期待のFW高原が前半のみの出場で交代するなど、攻撃陣が全く機能せず、2試合続けて完封負け。連敗スタートとなった。
■ 魅惑的なサッカーを披露する名古屋試合は、両チームの現在の調子(実力)がそのままスコアになって表れた。リーグでもっとも調子のいい名古屋ともっとも調子の悪い浦和の対戦カードと考えると、いたって順当な結果といえよう。
それにしても、開幕の京都戦に続いて名古屋のサッカーは魅力的だった。決して特別なサッカーをしているわけではないが、シンプルでかつ意思統一された攻撃がエレガントさとなって現れる。浦和の3バックの両脇を突いて、頻繁に左右の攻撃的MFとサイドバックが2対1の状況をつくり、完璧な形でサイド攻撃を機能させた。
右サイドバックに入ったDF青山が前節に右サイドバックでプレーしたDF竹内ほど攻撃的な良さを発揮できずクロスの精度を欠いたが、左サイドバックの阿部は高精度のクロスを連発した。
■ ピクシーの手腕考えてみると、MFポンテが欠場中とはいえ、タレント力では浦和の方が数段上である。浦和のスタメンには代表クラスの選手が並んでいるが、名古屋はまだ全国的には無名の選手が少なくない。ただ、ピッチ上で披露するサッカーは、名古屋の方がはるかに魅力的である。
おそらく名古屋のピクシー監督も、現状の戦力に完全に満足しているわけではないだろう。右サイドバックは専門家が1人もいないし、もっと高度なサッカーを追及するにはダブルボランチにもう1ランク上の選手が欲しいと考えていることだろう。戦力的に見ると不満な点も少なくないだろうが、それでも自らの理想とするサッカーを選手たちに伝えて、理想に近い形でチームをまとめて、選手たちの能力を引き出している点は、高く評価できる。
サッカー界には、「名選手は名監督に非ず。」という格言がある。たとえば、歴代の日本代表監督を見てもその格言に当てはまってしまう人がいる。しかしながら、ピクシーが現役を過ごした時代のほとんどは戦術が高度に進化した時代であって、かつての名選手たちとは異なる頭脳をもっていてもおかしくはない。
■ 重症の浦和浦和は連敗スタートとなった。
守備陣は時折、集中を欠くシーンもあるが大きな破たんはない。問題はやはり攻撃陣である。FW高原とFWエジミウソンの2トップは連携面で不十分であり、両者とも個で打開できるほどコンディションが良好でもない。自慢の2トップがこういう状態では、得点が入りそうな雰囲気が薄いのも仕方がない。
ただ、よくよく考えてみると、横浜FM戦や名古屋戦で見せたサッカーの質が、昨シーズンや一昨シーズンのそれと比べて著しく悪くなっているというわけでもない。厳しくみると、ここ2・3年の浦和はいつもこういうサッカーをしていた。
ただ、危機が巡ってくると、FWワシントンやMFポンテやDF闘莉王らがスーパープレーを見せて、チームを敗戦から救ってきたのだ。メディアは、それを「勝者のメンタリティ」と称えて絶賛し、問題点を指摘しようとはしなかった。MF鈴木やDF闘莉王といった選手たちからは改善の意思が感じられたが、結局はその絶対的な戦力値に見合ったサッカーを披露できないままで、問題解決を先送りにしてきた印象が強い。
ヴァンフォーレ甲府の元監督の大木氏は、かつて、「いいサッカーをしても勝つことができなければ、満足することはできないし、意味がない。ただ、いいサッカーをすることが勝利に近づくための一番の近道だと考えてるから、甲府はいいサッカーを追及する。」と語っている。FWワシントンが退団し、MFポンテとDF闘莉王を欠く状況では、必然の結果なのかもしれない。
■ 立ち返る場所リーグ制覇を目指す浦和にとって幸いなのは、上位陣がそろってスタートダッシュに失敗していることである。G大阪も川崎Fも、2試合を終えて勝ち点「1」のみ。歯車はかみ合っていない。
ただ、決定的に違うのは、G大阪や川崎Fには立ち返る場所があって、浦和には立ち返る場所がないということである。例えば、G大阪であればFWルーカスやDF水本、川崎FであればFWフッキといったまだフィットしていない新戦力をスタメンから外し、FW播戸やDF中澤、FW黒津やMF大橋といった選手を起用すれば、ある地点までは立ち返ることができる。しかしながら、浦和にはもうFWワシントンはいないし、MF長谷部やMF小野はすでにドイツに旅立ってしまっている。
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レッズはどうでもいいけど
ピクシーがちゃんと仕事してるようで
意外でしたごめんなさい。
次は上手く回らなくなった時に彼がこらえて冷静に対処できるかですね
グランパスのフロントもあんまほめられたもんじゃないけど、とりあえずは良かったね
やっとレッズの最後の補強(監督)が終了してサポーターもまずは一安心
チーム作りに影響するから代表に選手選ばないでくれとか言ってたけど
そんな事より監督どーにかしろって今となってはお笑い種だ
巨人軍化が避けられて良かったんじゃないか…フロントが反省してればの話だけど
>>> 赤魂さん
どうもコメントありがとうございます。浦和のフロントは他のいくつかのクラブと比べると随分ましですが、高原獲得の件は失態ですね・・・。エジミウソン獲得が決定的になっていた状況でしたし、「売り込みがあったから獲得した」という話で、無計画だったといわれても仕方ないですね。
外国人頼みのチーム作りに限界です。「乱獲」するフロント、紅白戦オンリーの戦術ヌキ監督、覇気のない選手達。勝つ要素が全くないです。闇雲に勝ち進めてタイトル獲るなら、新チーム作って全員で作るフットボールを構築してほしいです。
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