スピードスター→ 坊主頭がトレードマークになっているFW前田大(松本山雅)はほとんど注目されることなく2016年に松本山雅に入団した。プロ1年目はJ2で9試合に出場した。高卒1年目としては上々の成績と言えたがプロ2年目の2017年に水戸で大ブレイクした。驚異的なスピードを武器に36試合で13ゴールを記録。「期待の若手フォワードの1人」と大きな注目を集める存在になった。水戸への期限付き移籍が転機になった。
東京五輪代表チームにも選出されており、先のアジア大会では1トップの位置でレギュラーに定着。銀メダル獲得の立役者の1人になったことは記憶に新しい。武器は何と言っても驚異のスピードになる。50メートルは5秒8とも言われているが、圧倒的な加速力を武器に相手CBを手玉に取ることが出来る。キーパーやCBの選手にとっては極めて面倒な相手である。相手にとっては厄介きわまりない選手である。
FW前田大は「現役の日本人の中では最高クラスのスピード」を持っているが、彼のスピードに対抗できる数少ない選手というとMF伊東純(柏)とFW永井謙(FC東京)の2人になる。同じようにスピードスターと形容されるケースが多い。どちらも圧倒的なスピードを持っているがMF伊東純はサイドが主戦場になる。FW永井謙もサイドでプレーすることが多かったが長谷川健太監督がフォワードの一角で起用して蘇った。
海外でプレーするMF浅野拓(シュツットガルト)を加えた4人を「スピードスター・カルテット」と言うことが出来るが特徴はやや異なる。FW永井謙は一気にギアが入るタイプのスピードスターで、MF伊東純は長い距離を走ってもトップスピードのままでプレーできる持続力がある。MF浅野拓はスピードだけでなく馬力も併せ持っており、FW前田大はトップスピードになった状態でもあまりボールコントロールが乱れない。