■ 学年はGK川口の方が上GK川口は1975年8月15日生まれで43才、GK楢崎は1976年4月15日生まれで42才。GK川口の方が1つだけ学年は上になるがほぼ同世代になる。どちらも1998年のフランスW杯~2010年の南アフリカW杯まで4大会連続でW杯メンバーに選ばれているが、1998年のフランスW杯と2006年のドイツW杯はGK川口、2002年の日韓W杯のときはGK楢崎、2010年の南アフリカW杯のときはGK川島が正キーパーとして起用された。
国際AマッチはGK川口が116試合、GK楢崎は77試合となる。高校時代から全国的な注目を集める存在だったGK川口はプロ2年目の1995年の途中に横浜Mの正キーパーになったが、当時の横浜MにはオフトJAPANの守護神だったGK松永がいた。ただ、ソラリ監督は世代交代を画策してGK川口を抜擢するとGK松永との関係が冷え切った。結局、GK松永は(当時は)JFL所属だった鳥栖フューチャーズに電撃移籍した。
GK松永が退団したことでGK川口は押しも押されぬ横浜Mの正キーパーになったが、一方のGK楢崎も同じ時期にJリーグでデビューを飾っている。プロ1年目の1995年から23試合に出場しているが、「レゲエ君」と呼ばれて人気者になったGK森敦彦が審判への暴力行為で長期の出場停止を食らうと高卒ルーキーのGK楢崎に出番が回ってきた。高卒1年目から23試合に出場できるキーパーというのは珍しい。
■ Jリーグでの実績はGK楢崎の方が上日本サッカー史上でも屈指の存在である2人のキーパーがどちらも先輩のトラブルによってチーム内で定位置を確保するようになったというのは興味深いが、Jリーグでの実績で上回るのは明らかにGK楢崎の方である。2017年こそ、クラブがJ2に降格したので、J2でプレーすることになったが、この年以外はずっとJ1でプレーしており、J1通算では631試合。MF遠藤(G大阪)の599試合を上回って歴代1位となる。
GK川口はJ1では421試合、J2では43試合、J3では42試合に出場している。2014年と2015年はFC岐阜、2016年と2017年と2018年はSC相模原でプレーしているが、Jリーグ通算では506試合。J2でも29試合に出場しているGK楢崎と比べるとJリーグでの出場試合数はやや少なくなるが、2001年の途中から2005年の途中まではイングランドならびにデンマークでプレーしていることが1つの大きな理由と言える。
両社の決定的な違いはベストイレブンの回数になる。GK楢崎は1996年・1998年・2003年・2008年・2010年・2011年と6回もベストイレブンに選出されており、名古屋が初優勝を飾った2010年はMVPに輝いている。一方のGK川口は磐田時代の2006年に初めてベストイレブンに選出されているが、この1回のみ。Jリーグでの実績に限定すると、むしろ、GK曽ヶ端(鹿島)の方がGK川口よりもかなり上にランクされる。
■ 日本代表での実績はGK川口の方が少し上「Jリーグでの実績はGK楢崎の方がかなり上」と言えるが、代表での実績はどうだろうか。先のとおり、国際Aマッチの出場試合数はGK川口が116試合で、GK楢崎は77試合。GK川口の方がかなり上になる。W杯の本大会で正キーパーとして起用された回数もGK川口が2回で、GK楢崎が1回になるが、GK川口が正キーパーだった大会(1998年・2006年)は2回ともGL敗退。6試合で0勝5敗1分け。3得点/11失点となる。
逆にGK楢崎がゴールマウスを守った大会(2002年)は4試合で2勝1敗1分け。5得点/3失点となる。もちろん、「勝てていない責任はGK川口にある。」とは全く言えないが、この差は無視することはできない。日韓W杯のベスト16入りに貢献しているのでW杯の印象はGK楢崎の方が良くなるが、2000年と2004年のアジア杯はどちらもGK川口が正キーパーとして起用されており、2004年大会のPK戦(vs ヨルダン)は語り草になっている。
さらに1996年のアトランタ五輪の初戦のブラジル戦の「マイアミの奇跡」の印象も強烈なので、(W杯での勝利に貢献することはできなかったが)、やはり、代表での実績に関しては「GK川口の方が上」と結論付けるのが自然と言える。結局、「Jリーグでの実績はGK楢崎の方が上で、代表での実績はGK川口の方が上」と言えるが、どちらも日本サッカー史上屈指の名キーパーである。この2人が代表に君臨した時期は贅沢であり、幸せだった。
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