■ 24年ぶりとなるタイトル獲得ルヴァン杯の決勝戦は神奈川ダービーとなったが前半36分に五輪代表のMF杉岡がスーパーミドルを決めて序盤から試合を優位に進めていた湘南が先制ゴールを奪った。後半は一転して横浜FMペースになったが同点ゴールを奪うことは出来なかった。1対0で勝利した湘南は24年ぶりのJリーグタイトルを獲得した。昨シーズンのC大阪に続いて2年連続でJ2からの昇格組がルヴァン杯を制したことになる。
横浜FMは過去の対戦成績で湘南を圧倒している。湘南側には苦手意識があったはず。しかも、ここに来て横浜FMは好調。J1屈指の攻撃力を持っているチームなので「横浜FMが有利」というのが大方の見方だったが湘南が下馬評を覆した。ヒーローになったのはMF杉岡だったが、大舞台で目の覚めるようなスーパーゴールを決めてMVPに輝いた。五輪代表の森保監督の目の前で大きなアピールが出来た。
湘南にとっては待ちに待ったタイトルと言えるが、クラブにとっては大きな一歩と言えるだろう。裕福なクラブではないことを考えるとルヴァン杯の1億5,000万円という優勝賞金を手に入れることができたのも大きいが何よりも選手たちが注目度の高い試合で力を出し切って自信を手に入れることが出来たのが大きい。クラブとしての格も上がるだろう。とてつもなく大きな意味を持つタイトルになる可能性が高い。
■ ショックの大きい敗戦一方、横浜FMにとってはショックの大きい敗戦になった。前半は湘南が9本のシュートを放ったのに対して横浜FMは4本だけ。ほとんどシュートチャンスを作れなかった。1点ビハインドの後半になるとさすがに横浜FMが攻め込むようになった。終わってみると湘南のシュート数は12本止まり。横浜FMは15本のシュートを放ったので最終的には横浜FMがシュート数で上回ったがGK秋元を脅かすシーンは少なかった。
高さで優る横浜FMはセットプレーからゴール前のシーンを作った。空中戦の勝負は優勢だったが際どいシュートが飛ぶシーンは限られた。決勝戦になるとどのチームが相手でも負けるのはとんでもなく悔しいことであるが、同県のライバルクラブであり、クラブの規模では横浜FMよりもかなり下になる湘南が相手となるとなおさらである。元日の天皇杯でもC大阪に敗れているが届きそうでなかなかタイトルに届かない。
悔い残る試合になったが勝敗の分かれ目になったのは後半34分のシーンだった。エリア内でボールを受けた湘南のMF岡本拓がボールコントロールに失敗してFWイッペイ・シノヅカがボール奪取。たまらず対応したMF岡本拓と交錯して「PKか!?」と思われたが笛は鳴らず。ここで横浜FM側にPKが与えられて同点になっていたら試合の行方は全く分からなかった。この試合のターニングポイントになったと言える。
■ 後半34分のシーンはPKとはならず。ノーファールの判定が下されると横浜FMの選手の何人かが木村博之レフェリーに詰め寄ってきてMF扇原にはイエローカードが提示された。サポーター席からはブーイングも出ていたがリプレーを見る限りでは双方の足が接触しているのは間違い。当然、エリア内での攻防だったので横浜FM側にPKが与えられても何ら不思議はないシーンだった。PKになっていても湘南側も文句は言えないシーンだったように思う。
その一方で「PKではない。」と判断した主審の考えも分からなくもない。近くで見ていたので足がかかったことは把握できていたはずで、「足はかかっているがファールではない。」と木村レフェリーは判断したと推測するが、FWイッペイ・シノヅカがキレイに転んだので「自分から相手の足に引っ掛かりに行った。」と判断したのではないか?と思う。FWイッペイ・シノヅカのPK狙いがあからさま過ぎた感は否めない。
付け加えるとそれ以前にもFWウーゴ・ヴィエイラなどがPKを貰いたがるシーンが何度かあったので横浜FMの選手に対する心象が悪くなっていた可能性がある。この点も後半34分のシーンで「PKではない。」と判断するに至った1つの理由では?と考えられる。狼少年というと適切な表現ではないかもしれないが、PKを貰いたがるシーンが何度も続くと、その後、PKに値する攻防があったとしても笛は吹きにくくなる。
結局、「PKのようにも思えるが、PKではないと判断した主審の考えも分からなくもない。」という極めて微妙なシーンになった。デリケートなシーンと言えるが、JリーグでVARシステムが導入されていたらどういう結論に至ったのか?は気になるところである。先のロシアW杯の時はジャッジが覆るケースがたくさんあった。エリア内の微妙なシーンで確認の末に最終的にPKと判定されるケースは意外と多かった。
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