■ 決勝の相手はタジキスタンU-16アジア選手権はいよいよ決勝戦を迎えた。苦しみながらも、2012年以来の決勝進出を果たした02JAPANは3度目のアジア制覇まであと1つに迫った。決勝の相手はタジキスタンとなったが準々決勝の北朝鮮戦、準決勝の韓国戦はいずれもPK戦を制してファイナルの舞台にたどり着いた国との対戦になった。タジキスタンがアジアの大会で勝ち進むのは珍しい。今大会のダークホース的な存在になっている。
日本は「4-2-2-2」。GK野澤大志ブランドン(FC東京U-18)。DF角(FC東京U-18)、DF鈴木海(磐田U-18)、DF半田(山形ユース)、DF中野伸(鳥栖U-15)。MF横川(湘南U-18)、MF成岡輝(清水ユース)、MF中野桂(京都U-18)、MF三戸(JFAアカデミー福島)。FW青木友(FC東京U-18)、FW唐山(G大阪ユース)。スタメンは4人変更。GK野澤、DF鈴木海、DF中野伸、FW唐山の4人が新たにスタメンで起用された。
ベンチスタートになったのはGK山田大(鹿島ユース)、GK佐々木(柏U-18)、DF山田奈(浦和ユース)、DF田島(清水ユース)、DF佐古(東京Vユース)、DF石田侑(市立船橋高)、MF山内翔(神戸U-18)、MF植田啓(横浜FMユース)、MF近藤蔵(C大阪U-18)、MF中野瑠(京都U-18)、MF荒木(東福岡高)、FW青木友(FC東京U-18)の12名。G大阪ユースのストライカーのFW唐山は最多タイとなる5ゴールを挙げている。
■ 決勝ゴールを奪ったのはFW西川潤FW柿谷やMF水沼などが主力を張った12年前の大会以来のアジア制覇を目指す日本だったが堅い守備が特徴となるタジキスタンを相手になかなかチャンスを作れない。逆にカウンターから何度か危ないシーンを作られるなど「ほぼ互角の展開」で前半は進んでいった。前半24分にはタジキスタンに決定機を作られるがFC東京U-18のGK野澤大志ブランドンがビッグセーブで防いだ。前半は0対0のスコアで折り返した。
後半9分に日本は左SHのMF三戸を下げてドリブラーのMF中野瑠を投入。すると後半13分にMF中野桂のクロスからMF中野瑠がヘディングでネットを揺らしたがオフサイドの判定でゴールとは認められなかった。惜しくも先制ゴールとはならなかったが、後半18分にMF中野瑠のグラウンダーのクロスからエースで10番のFW西川潤が左足で決めてようやく日本が先制に成功する。FW西川潤は初ゴールとなった。
後半22分にもFW西川潤に決定機が訪れたが今度は決められず。先制した後はそれまで以上に落ち着いてプレーするようになった日本は虎の子の1点を守り切って1対0で勝利。見事に3度目のアジア制覇を達成した。AFCが選定するMVPには桐光学園高のFW西川潤が選出された。5ゴールを挙げたFW唐山は大会の得点王に輝いた。日本はアジア王者として来年にペルーで行われるU-17W杯に参加することになった。
■ 苦しみながらも3度目のアジア制覇日本は苦しみながらも3度目のアジア制覇を達成した。初優勝は1994年大会だったがこの時の主力はMF小野伸やMF稲本やFW高原など黄金世代と呼ばれる選手たちだった。2度目のアジア制覇を達成した2006年の主力はFW柿谷・MF水沼・MF山田直・MF岡本知の「ファンタスティック4」だった。黄金世代はもちろんのこと、FW柿谷らの世代も(その後、伸び悩んだ選手も含まれるが)当時は大きな期待を集めていた。
対して今回の世代はどちらかというと「谷間の世代」と言われていた。スター不在とも言われていたが、「新・黄金世代」と言われた2年前の00JAPANでも成し遂げることが出来なかったアジア制覇を果たした。GLの2戦目でタジキスタンと引き分けたときは先行きが不安になったが、決勝Tに入ってからは粘り強い戦いを見せて勝ち進んだ。6試合で5勝1分け。終わってみると追い込まれた試合すら1つもなかった。
U-16日本代表がアジア王者となったが、2年前のU-19アジア選手権を制覇しているU-19日本代表も現・アジア王者になる。U-23アジア選手権に関しては今年1月の大会を制したのはU-23ウズベキスタン代表だったが、奇数回の大会はU-21で参加するチームが(日本など)いくつかあるので参考外。偶数回の大会が真のU-23アジア王者を決める大会になるが2016年大会を制したのは手倉森JAPANだった。
■ ここまで不発だったエースが大仕事結局、若年層のアジアの3つの大会はいずれも日本代表が現・王者になる。「若年層の代表がアジアで勝てなくなっている。」と言われた時期もあったがここに来てアジアの若年層の大会で日本代表が大きな存在感を発揮している。早いうちから「日本には勝てない。」、「日本がアジア最強」という意識を他国に植え付けることができるとさらに有利になる。U-19日本代表(影山JAPAN)も続いて欲しいところである。
ここまでノーゴールだったFW西川潤が決勝の舞台で主役になった。W杯出場を決めた準々決勝のオマーン戦もFW唐山の勝ち越しゴールをアシストするなど大きな存在感を発揮したが、ノーゴールということで焦る気持ちはあったはず。エースにゴールが生まれないことは心配の種になっていたが、「ここまで不発だったエースが決勝戦でゴールを奪ってチームを勝利に導く展開」というのはありがちな話である。
「中学年代は横浜FMの下部組織でプレーしていたこと」、「進路先として桐光学園高を選択したこと」、「左利きでテクニックがあること」などMF中村俊(磐田)と共通する部分が多い。「俊輔・2世」とも言われているが将来が楽しみな選手である。U-17W杯の出場権がかかった準々決勝のオマーン戦やタジキスタンとの決勝戦など大事な試合で活躍できるのは素晴らしい。順調に成長していくことが期待される。
★ 現在の投票数 → 56票
→ 最大で10人まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
トピックス別の人気エントリー・ベスト10 (高校サッカー編)
01位 2014/12/26 PK戦で有利なのは先攻?後攻?成功率が高いのは何番目のキッカーか?
02位 2016/08/24 【考察】 47都道府県の中で「サッカーが盛ん」と言えるのはどこだろうか?
03位 2016/08/24 【考察】 47都道府県の中で「サッカー不毛の地」と言えるのはどこだろうか?
04位 2009/01/11 【高校選手権】 あなたのヒーローは誰ですか?
05位 2016/09/26 【高校サッカー】 興味深い東福岡高校のサッカー部員の中学時代の所属クラブ
06位 2012/12/20 優秀な選手を輩出しているクラブ(ユース・高校)はどこか? (上)
07位 2012/12/21 優秀な選手を輩出しているクラブ(ユース・高校)はどこか? (下)
08位 2012/12/21 優秀な選手を輩出しているクラブ(ユース・高校)はどこか? (J2編)
09位 2013/01/20 最低だった高校サッカーのテレビ放送
10位 2018/09/19 【高校サッカー】 青森山田高の10番のMF檀崎竜孔のコンサドーレ札幌への内定について
- 関連記事
-