■ 増えているJ2からJ1への個人昇格今夏のJリーグの移籍市場はJ2でプレーしている選手をJ1のクラブが引き抜くケースが目立った。具体的に例を挙げると、FW古橋(FC岐阜→神戸)、MF小野瀬(山口→G大阪)、DF大本(徳島→長崎)、FW山崎凌(徳島→湘南)、MF島屋(徳島→鳥栖)、DF大崎玲(徳島→神戸)、DF高木利(柏→千葉)、DF畠中(東京V→横浜FM)など。しかも、J1のクラブに移籍した後も自分の良さを出せている選手が多いのも目に付く。
スペインやイタリアやドイツなど欧州の主要国のリーグと比較するとJリーグは(いろいろな意味で)1部リーグと2部リーグの差が小さい。なので、ランダムに1部リーグでプレーする選手と2部リーグでプレーする選手をピックアップしたとき、前者の方が優れている確率は欧州の主要国のリーグと比べるとかなり低くなるのは明らかである。今、J2やJ3でプレーしている選手の中にも優秀な選手や有望な選手はたくさんいる。
ライセンスの問題を抱えているチームは別になるが、「チームをJ2(あるいはJ3に)昇格させて、来シーズン、チームメイトと一緒に上のカテゴリーに挑戦する。」というのが理想の形になるが、簡単には昇格することは出来ない。「能力の高い選手は出来るだけ上のカテゴリーでプレーすべき」と個人的には考えるので、今オフ、1人でも多くの選手が上のカテゴリーでプレーするチャンスを得られることを期待したい。
20位 : DF エデル・リマ (ヴァンフォーレ甲府)→ 32才という年齢はネックになるが、187センチのサイズを生かしたダイナミックなプレーは魅力。「左利きで、サイズがあって、攻撃力の高いストッパー系の選手」なので希少価値が高い。昨今の3バックを主体とするチームのほとんどは「左右のストッパーの位置に攻撃力のある選手を置きたい。」と考えているので人気銘柄になりやすい。なかなかいないタイプの選手なので争奪戦に発展しても不思議はない。
19位 : MF 西谷和希 (栃木SC)→ 西谷ツインズの弟になる。今夏に加入した双子の兄のMF西谷優とは息の合ったプレーを見せる。大卒3年目になるが過去2年間はいずれもJ3所属だった。2018年はJ2初挑戦のシーズンになったが、持ち味であるドリブルは問題なく通用した。カテゴリーが上がっても問題なくプレー出来る選手と全く通用しなくなる選手にはっきりと分かれることが多いが、ドリブラーのMF西谷和は前者に分類される。
18位 : FW 安柄俊 (ロアッソ熊本)→ 北朝鮮代表に召集された経験を持っているストライカー。ここに来てゴールペースが落ちているが、それでも31試合で10ゴール。中央大の1年後輩で同じ大型フォワードのFW皆川とのツインタワーは熊本の新しい武器になった。大柄な割には動けるタイプのFW皆川と比較すると「よりストライカー色の強いフォワード」になる。10ゴールというのはキャリアハイになるが、市場価値は高まっている。