■ 33節を終了した時点で・・・。J2は33節が終了した。大雨の影響で22節の京都 vs 福岡が延期になっており、台風の影響で26節の讃岐 vs 山形、山口 vs 町田も延期になっており、さらにはルヴァン杯の32節の甲府 vs 大宮も延期になっている。よって、京都・福岡・讃岐・山形・山口・町田・甲府・大宮の8チームは1試合だけ消化試合数が少なくなるが、大半のチームは残り9試合。長丁場のリーグ戦もいよいよ終盤戦に突入しようとしている。
今シーズンから昇格と降格に関するルールが大幅に変更になった。例年どおり、J2で3位~6位になった4チームがプレーオフに進出するが、1回戦と2回戦を戦って、2回戦の勝者がJ1で16位になったチームと入替戦を行うことになる。会場はJ1のクラブのホームスタジアムであり、90分の戦いで引き分けに終わった場合はJ1のクラブがJ1に残留。J2のチームはアウェイで90分で勝たないとJ1には上がれない。
最後の試合は「決定戦」と呼ばれるが、J1のクラブが圧倒的に有利なのは間違いない。もちろん、(1回戦と2回戦を勝ち上がって決定戦に進んできたので)勢いに関しては間違いなくJ2のクラブが上と言えるが、J2のクラブがポジティブに考えられるのはこのくらい。日程的な有利さもほとんどない。試合間隔についてもほとんど差はないことを加味すると、「ホームで引き分けでもOK」なJ1のクラブが圧倒的に有利である。
■ 2位以内に入らないとJ1昇格は難しい。「プレーオフの制度変更は改悪」だと思うので、早期の見直しが必要だと思うが、少なくとも2018年はこのルールで行われる。「プレーオフに出場できただけで大きな前進」と言えるJ2のクラブは無欲で決定戦を戦うことが出来るが、J1昇格を本気で狙っているチームやJ1復帰が至上命題となるチームにとっては厳しいルール変更である。昇格を勝ち取るためには例年以上に「自動昇格」を目指さないといけなくなった。
昨シーズンまではJ2で3位に終わったとしても結構な確率でプレーオフを制してJ1に昇格することが出来たが、ルール変更で様変わりした。「3位でOK」、「プレーオフに進めればOK」とは言えなくなったので、自動昇格争いは例年以上に盛り上がっている。何としてでも「2位以内」を確保しなければいけなくなったが、自動昇格のチャンスがあるのは8位に位置する徳島までの8チームだと考えられる。
8位の徳島は勝ち点「53」。2位の町田との差は「7」なので射程圏内と言える。一方、9位の岡山と10位の山形は勝ち点「48」。先のとおり、山形は最下位の讃岐戦(A)が台風の影響で延期になって未消化なので勝ち点を「51」に伸ばす可能性は高いが、残りの対戦相手などを加味すると9位の岡山ならびに10位の山形が大逆転で自動昇格を果たす可能性は相当に低い。自動昇格争いは上位8チームに絞られたと言える。
■ 有利なのはどこか?不利なのはどこか?表1は「残り9試合 or 10試合の対戦相手等」についてまとめたものである。Home/Awayに注目すると、上位8チームの中でホーム戦を多く残しているのは松本山雅のみ。サンプロ・アルウィンでは無類の強さを発揮するチームなので「ホーム戦が多い。」というのはポジティブに考えられる。一方、3位の大分と4位の東京Vはホーム戦は3試合のみ。アウェイ戦が6試合も残っているのは良くない情報と言える。
残り試合の対戦相手の平均順位に注目すると(上位8チームの中で)最も恵まれているのは福岡で13.10位。17位以下のチームとの試合を3試合も残している。続くのは大宮で12.90位、3番目は松本山雅で12.33位となる。松本山雅はホームの熊本戦、ホームの愛媛FC戦、ホームのFC岐阜戦を残している。この3試合というのは勝ち点「3」を計算しやすい。状況的には現在首位を走る松本山雅が相当に有利な立ち位置である。
ここに来て絶好調の徳島は、今、最も勢いに乗っているチームと言えるが、首位の松本山雅戦、2位の町田戦、4位の東京V戦を残している。自力で上位チームを引き落とすチャンスはあるが、いずれもアウェイ戦になる。さらに今シーズンは低迷しているが地力はある京都ならびに千葉とのアウェイ戦も残している。徳島は日程には恵まれていない。2位の町田、5位の横浜FCに関しては普通程度と言える。
表1. 残り試合の対戦相手について (33節終了時点)
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 得失点差 | 残り試合 | 残り試合の対戦相手 |
計 | Home | Away | 平均順位 | ランク | 1位-6位 | 7位-11位 | 12位-16位 | 17位-22位 |
1 | 松本山雅 | 61 | 15 | 9 | 5 | 4 | 12.33 | 15 | 2 | 2 | 2 | 3 |
2 | 町田ゼルビア | 60 | 16 | 10 | 5 | 5 | 10.90 | 8 | 2 | 5 | 0 | 3 |
3 | 大分トリニータ | 57 | 20 | 9 | 3 | 6 | 9.89 | 4 | 3 | 2 | 3 | 1 |
4 | 東京ヴェルディ | 56 | 13 | 9 | 3 | 6 | 12.22 | 13 | 2 | 2 | 2 | 3 |
5 | 横浜FC | 56 | 12 | 9 | 4 | 5 | 10.89 | 7 | 2 | 2 | 4 | 1 |
6 | 大宮アルディージャ | 54 | 15 | 10 | 4 | 5 | 12.90 | 18 | 1 | 4 | 3 | 2 |
7 | アビスパ福岡 | 54 | 13 | 9 | 4 | 6 | 13.10 | 20 | 2 | 2 | 2 | 3 |
8 | 徳島ヴォルティス | 53 | 15 | 9 | 4 | 5 | 10.44 | 6 | 4 | 0 | 3 | 2 |
9 | ファジアーノ岡山 | 48 | 2 | 9 | 4 | 5 | 11.78 | 12 | 3 | 1 | 2 | 3 |
10 | モンテディオ山形 | 48 | 1 | 9 | 4 | 6 | 9.90 | 5 | 4 | 2 | 2 | 1 |
11 | 水戸ホーリーホック | 47 | 4 | 9 | 6 | 3 | 12.44 | 16 | 3 | 1 | 2 | 3 |
12 | レノファ山口 | 45 | -4 | 10 | 6 | 4 | 11.40 | 11 | 3 | 2 | 2 | 3 |
13 | ジェフ千葉 | 42 | -2 | 9 | 5 | 4 | 13.00 | 19 | 2 | 2 | 1 | 4 |
14 | 栃木SC | 41 | -9 | 9 | 4 | 5 | 11.00 | 10 | 4 | 0 | 3 | 2 |
15 | ツエーゲン金沢 | 40 | -1 | 9 | 6 | 3 | 9.11 | 1 | 3 | 4 | 0 | 2 |
16 | ヴァンフォーレ甲府 | 39 | 6 | 10 | 4 | 5 | 10.90 | 8 | 3 | 3 | 2 | 2 |
17 | 愛媛FC | 39 | -12 | 9 | 5 | 4 | 9.78 | 3 | 4 | 1 | 2 | 2 |
18 | アルビレックス新潟 | 36 | -12 | 9 | 4 | 5 | 13.44 | 22 | 1 | 3 | 2 | 3 |
19 | FC岐阜 | 32 | -15 | 9 | 5 | 4 | 9.11 | 1 | 2 | 4 | 3 | 0 |
20 | 京都サンガ | 28 | -18 | 10 | 6 | 4 | 12.60 | 17 | 3 | 1 | 2 | 4 |
21 | ロアッソ熊本 | 27 | -22 | 9 | 4 | 5 | 13.11 | 21 | 1 | 3 | 1 | 4 |
22 | カマタマーレ讃岐 | 25 | -37 | 10 | 7 | 3 | 12.30 | 14 | 3 | 1 | 3 | 3 |
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