■ 準々決勝の相手はドイツフランスで開催されている女子のU-20W杯は決勝Tに入った。C組を2勝1敗の2位でGL突破を果たしたU-20日本代表は準々決勝でドイツと対戦した。D組のドイツは3戦全勝。参加国中、唯一の3連勝でGL突破を果たした。日本 vs ドイツが準々決勝の4試合目になるが、すでにフランス・スペイン・イングランドの3か国がベスト4進出を決めている。ドイツが勝利すると欧州代表がベスト4を独占することになる。
日本は「4-2-2-2」。GKスタンボー華(INAC神戸)。DF宮川(日テレ・ベレーザ)、DF高橋(浦和L)、DF南(浦和L)、DF北村(C大阪堺L)。MF長野(仁川現代製鉄)、MF林穂之香(C大阪堺L)、MF宮澤(日テレ・ベレーザ)、MF遠藤純(JFAアカデミー福島)。FW宝田(C大阪堺L)、FW植木(日テレ・ベレーザ)。スタメン11人は6対0で大勝したGLの3戦目のパラグアイ戦と全く同じ。10番のMF長野は唯一の海外組になる。
ベンチスタートになったのはGK福田(日体大FIELDS横浜)、GK鈴木(マイナビベガルタ仙台L)、DF牛島(INAC神戸)、DF高平(マイナビベガルタ仙台L)、DF小野(神奈川大)、MF福田(INAC神戸)、MF佐藤(千葉L)、MF今井(日体大FIELDS横浜)、FW村岡(オルカ鴨川FC)、FW児野(日体大FIELDS横浜)の10人。GK鈴木、DF牛島、FW村岡の3人はGLの2戦目のスペイン戦で先発出場しているがこの試合は0対1で敗れた。
■ 3対1で勝利してベスト4進出試合の序盤はほぼ互角の展開になった。平均身長ではドイツが8センチほど上回っているが日本は簡単にはドイツにセットプレーの機会を与えない。前半の半ば以降は日本ペースになった。前半37分にはセットプレーの流れからMF遠藤純のクロスをFW宝田がヘディングで狙ったが惜しくも枠外。最初の決定機は決められなかった。前半の日本のボール支配率は62%。ボールを保持したがゴールは奪えなかった。
0対0で迎えた後半14分に右SHのMF宮澤が逆サイドに展開するとフリーでボールを受けたMF遠藤純がゴールに突進。得意の左足でシュートを放つふりをして相手をかわすと利き足ではない右足で豪快に決めて日本が欲しかった先制ゴールを奪った。このゴールで勢いに乗った日本は後半25分にもFW宝田の絶妙なスルーパスを受けたFW植木がキーパーとの1対1を冷静に決めて大きな追加点を奪った。
さらに後半28分にはボランチのMF林穂之香が起点になって中央をパスワークで崩すと左サイドを駆け上がってきたDF北村に展開。左SBのDF北村のクロスからFW宝田が合わせてダメ押しの3点目を奪った。ドイツは後半37分に1点を返したが反撃はこの1点のみ。3対1で勝利した日本はベスト4に進出した。準決勝ではイングランドと対戦することになった。勝てば日本はこの年代では初の決勝進出となる。
■ 最年少で飛び級のMF遠藤純が躍動前半のシュート数は日本が7本、ドイツは2本だけ。日本もなかなか決定機を作れなかったが後半に攻撃陣が爆発した。大きかったのは、やはり、後半14分のMF遠藤純の先制ゴールになる。相手のロングパスを右SBのDF宮川がヘディングで跳ね返したところから攻撃がスタートしたがクリアではなくてフリーのMF宮澤に正確にヘディングでつないだことが良かった。MF宮澤の精度の高いミドルパスは見事だった。
殊勲の先制ゴールを決めたMF遠藤純はJFAアカデミー福島に在籍している。2000年生まれなので飛び級での選出になる。唯一の高校生になるがGLの3戦目のパラグアイ戦では3アシスト。GLの初戦はベンチスタートだったが2戦目からスタメンに定着して左SHの位置で躍動している。左利きでスピードがあるが166センチと日本の女子選手としてはサイズがある点も魅力になる。スケールの大きな選手である。
先制した後は完全な日本ペースになったが2点目はFW植木、3点目はFW宝田がゲット。Wエースはともに2試合連続ゴール。4ゴール目となって2人とも得点ランキングの首位に並んだ。今回のチームは各ポジションにタレントを揃えているがFW植木とFW宝田の2トップは強力である。FW宝田は1ゴール1アシスト。4試合連続でスタメン出場して4ゴール2アシスト。サイズを生かしたポストプレーも冴えている。
3点目のゴールを決めたのはFW宝田だったが素晴らしいパスワークから生まれた。今大会の日本はサイド攻撃が中心になっており、中央のエリアをパスワークで崩すシーンが少ない点は問題点になっていたが、MF林穂之香を中心にテンポよくボールを回してドイツの守備陣を翻弄した。アシストを記録したのは左SBのDF北村だったが、MF林穂之香→DF北村→FW宝田とセレッソトリオで貴重なゴールを奪った。
準決勝は8月20日(月)に行われるがフランス vs スペイン、イングランド vs 日本というカードになった。日本の過去最高成績は2012年と2016年の3位。初優勝を目指す大会になるがチャンスはありそうだ。4試合で計10ゴールを奪っている攻撃陣に注目が集まるがDF南とDF高橋のCBコンビの安定感も今大会は際立っている。勝って新しい歴史を作って1人でも多くの選手をなでしこジャパンに送り出したい。
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