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【J2】 22クラブの中でセットプレーに強いチームはどこだろうか？ (2018年版) | | |　

■　セットプレーの重要性はますますアップ

今回のロシアW杯は「セットプレー」がキーになった。優勝したフランスは決勝Tに入ってからはいいところでセットプレーからゴールを奪って試合の主導権を握った。前評判はあまり高くなかったものの4位と健闘したイングランドは大半のゴールがセットプレー絡みだった。DFマグワイアやDFストーンズなどがセットプレーにおいて無類の強さを発揮。セットプレーの強さを武器に勝ち上がったチームの典型と言える。

どのチームも守備に関する組織力が上がってきたので流れの中で点を取るのはなかなか難しい時代に入ってきた。VARシステムの導入によってセットプレーのときに相手のユニフォームを引っ張って相手の自由を奪うことが難しくなったことも絡んで、今後、ますますセットプレーは重要になっていくだろう。小柄な選手の多い日本代表にとってはあまりいい流れではないが、当然のことながら、対応せざる得ない。

下の表1は28節終了時点でのJ2の22クラブのセットプレーでの得点数を示しているが、最多は町田で19得点となる。総得点は「47」なので約4割となる40.4％のゴールがセットプレーから生まれている。鹿島から期限移籍中のMF平戸の右足からたくさんのチャンスが生まれている。1試合消化が少ない中、町田は3位と好位置に付けているが、セットプレーの強さが今シーズンも町田の大きな武器になっている。

■　MF平戸を擁する町田がJ2最多

続くのは松本山雅で15得点になる。松本山雅というと伝統的にセットプレーの強いチームになるが今シーズンはプレイスキッカーのMF岩上が3年ぶりに復帰。キッカーの精度が上がった。DF飯田真とFW高崎の2人がターゲット役になるが、この2人を囮に使ってそれ以外の選手に合わせてくるケースも少なくない。百戦錬磨の反町監督はセットプレーの重要性を誰よりも理解している監督と言えるだろう。

3番目にセットプレーから得点数が多いのは山形と千葉で14得点になる。昨シーズンまでの山形はFW阪野やMF瀬沼といったサイズのある選手が攻撃の中心を担っていたが今シーズンはモデルチェンジ。MF小林成やMF南やMF汰木といった1.5列目系のアタッカーが攻撃の中心になっている。新戦力のFWフェリペ・アウヴェスも空中戦に強い選手ではないことを考えると3位タイというのは意外な感じもする。

千葉の総得点はJ2で2位となる49得点。「失点も多いが得点も多い。」という荒っぽいチームになっている。失点の多さが足を引っ張る形になっているが総得点のうちの28.6％がセットプレーから生まれている。ちなみにJ2全体の総得点は「796」。その中でセットプレーから生まれた得点は「221」。割合は27.8%になるので割合的にはJ2の平均程度になる。MF矢田やMF清武功などキッカーの質は非常に高い。

■　割合が最も高いのはカマタマーレ讃岐

5番目は栃木SCと福岡で13得点。昇格初年度の栃木SCはセットプレーが大きな武器になっている。188センチのDF服部康をターゲットにするケースが多くなっている。夏に192センチのDFパウロンを獲得したがストロングポイントであるセットプレーをさらに強化するための補強と言える。DFパウロンは早くもレギュラーに定着して3試合で2ゴール。フロントの目論見どおりに得点の部分でもチームに貢献している。

7番目は岡山と横浜FC東京Vと甲府で12得点となる。岡山の総得点は「28」。J2の中では4番目に少ない数字となる。今シーズンはフォワード陣の得点が伸びずに苦労しているがMF上田康が加入した効果は絶大。セットプレーが岡山の最大の得点源になっている。割合は42.9%。これはJ2の22クラブの中で3番目に高い数字になる。先の栃木SCは46.4％でJ2の中で2番目。約半分の得点がセットプレーから生まれている。

割合の1位は讃岐で47.8%となる。27試合で23得点というのはJ2の中では愛媛FCと並んで最少タイ。今シーズンも得点力不足に苦しんでいるが23得点のうち11得点がセットプレーから生まれている。11得点というのは上から11番目。決して多い数字ではないが流れの中でなかなか点が取れないので割合を出すと極めて高くなる。20位と残留圏ギリギリに位置するがセットプレーは讃岐にとってキーになる。

表1. セットプレーでの得点数 (28節が終了時点)

順位	クラブ名	総得点	得点	失点
1	町田ゼルビア	47	19	6
2	松本山雅	42	15	4
3	モンテディオ山形	33	14	7
3	ジェフ千葉	49	14	10
5	アビスパ福岡	37	13	9
5	栃木SC	28	13	14
7	ファジアーノ岡山	28	12	4
7	横浜FC	40	12	7
7	東京ヴェルディ	39	12	8
7	ヴァンフォーレ甲府	45	12	11
11	カマタマーレ讃岐	23	11	22
12	大宮アルディージャ	45	10	11
13	徳島ヴォルティス	29	9	10
14	ロアッソ熊本	35	8	17
15	ツエーゲン金沢	36	7	9
15	レノファ山口	46	7	10
17	大分トリニータ	50	6	8
17	FC岐阜	36	6	8
17	アルビレックス新潟	29	6	11
17	京都サンガ	23	6	18
21	水戸ホーリーホック	33	5	11
22	愛媛FC	23	4	6