■ 突破がかかったGLの3戦目女子のU-20W杯のGLの最終戦。1勝1敗の日本はGL突破をかけてパラグアイと対戦した。初戦はアメリカに1対0で勝利したが、2戦目はスペインに0対1で敗れた。警戒していたはずのセットプレーで決勝ゴールを奪われてしまった。南米予選で2位になったパラグアイは2連敗。2試合で1得点/10失点。2連勝のスペインは4対1でパラグアイに勝利しているので日本にとっては「4点差以上の勝利」が目標になる。
日本は「4-2-2-2」。GKスタンボー華(INAC神戸)。DF宮川(日テレ・ベレーザ)、DF高橋(浦和L)、DF南(浦和L)、DF北村(C大阪堺L)。MF長野(仁川現代製鉄)、MF林穂之香(C大阪堺L)、MF宮澤(日テレ・ベレーザ)、MF遠藤純(JFAアカデミー福島)。FW宝田(C大阪堺L)、FW植木(日テレ・ベレーザ)。ここまでの2試合で計1ゴール。今大会は攻撃陣が低調なのでFW宝田とFW植木のダブルエースに期待がかかった。
ベンチスタートになったのはGK福田(日体大FIELDS横浜)、GK鈴木(マイナビベガルタ仙台L)、DF牛島(INAC神戸)、DF高平(マイナビベガルタ仙台L)、DF小野(神奈川大)、MF福田(INAC神戸)、MF佐藤(千葉L)、MF今井(日体大FIELDS横浜)、FW村岡(オルカ鴨川FC)、FW児野(日体大FIELDS横浜)の10人。2戦目のスペイン戦でスタメン出場したGK鈴木、DF牛島、FW村岡の3人はベンチスタートとなった。
■ 6対0で大勝した日本は2位で決勝T進出試合は前半5分に左サイドの裏を取ったMF遠藤純のグラウンダーのクロスからFW宝田が合わせて幸先よく日本が先制に成功すると前半18分にもMF林穂之香のパスからFW宝田のループシュートが決まって追加点を奪った。猛攻を仕掛けた日本は前半44分にもFW宝田のクロスからFW植木がヘディングシュートを決めて3点目を奪った。FW植木は前半48分にもゴールを決めて4対0と日本がリードして折り返した。
後半開始から日本は左SBのDF北村を下げてマイナビベガルタ仙台LのDF高平を投入。先を見据えた選手交代を実施すると後半15分にMF遠藤純が左サイドを突破してグラウンダーのクロス。FW植木が合わせて5点目のゴールを奪った。3点目と4点目と5点目のゴールを奪ったFW植木はハットトリックを達成する大活躍だった。チーム最年少のMF遠藤純は3アシスト。左サイドハーフの位置で躍動した。
直後の後半16分にはFW宝田が抜け出してシュート。最初のシュートは右ポストに直撃したが自ら押し込んで6点目を奪った。FW宝田もハットトリックを達成した。後半24分にはDF南のファールでPKを献上するがGKスタンボー華が好セーブを見せて無失点のまま。両エースがともにハットトリックを達成した日本が6対0で大勝。2勝1敗の2位で決勝T進出が確定させて準々決勝でドイツと対戦することになった。
■ Wエースがハットトリックを達成同時刻キックオフのもう1試合は2対2のドローに終わった。C組はスペインが2勝1分け、日本が2勝1敗、アメリカは1勝1敗1分け、パラグアイは3連敗。優勝候補の一角と言われていたアメリカがGLで消えることになった。日本はベスト8入り。次のドイツ戦に勝利したら2大会連続のベスト4入りとなる。ドイツに勝利したらイングランド or オランダなので、欧州勢を連破しないと決勝までたどり着くことはできない。
日本は勢いに乗れそうな試合になった。ここまで不発だったFW宝田とFW植木の2トップが爆発。C大阪堺LのFW宝田は3ゴール1アシスト。5ゴールに絡む活躍で、FW植木は3ゴール。こちらは4ゴールに絡んだ。ハットトリックの2人が目立ったが、3アシストのMF遠藤純は2人と比べても遜色ないプレーを見せた。スピードを生かした突破で左サイドを切り裂きまくった。MF遠藤純は2000年生まれで飛び級になる。
2017年になでしこリーグの2部で得点女王になったFW宝田は169センチの長身でありながら運動量が多くて身体能力も高くて技術も高い。最近はフォワードでプレーする機会が多くなっているがサイドハーフでもサイドバックでもセンターバックでもプレー可能。マルチプレーヤーの一面も持っているが、小・中の頃はキーパーとしても活躍。キーパーのポジションで年代別代表に召集された経歴も持っている。
これほど多彩な選手はなかなかいない。18才のFW宝田は「もっとも将来を嘱望されている女子のサッカー選手の1人」になるが、なでしこリーグ1部に初昇格したC大阪堺Lでもチームの顔的な存在として活躍中。スケールの大きな選手なので順調に成長していくことが期待される。左SBのDF北村とボランチのMF林穂之香のU-20日本代表の中心選手なのでC大阪堺Lの選手が今回も年代別代表の中核を担っている。
FW宝田とパートナーを組むFW植木は前半44分に3点目のゴールを決めたがそれまでに訪れたいくつかのチャンスで決められなかった。今大会はここまで本来のプレーができずに苦しんだが自身の初ゴールが生まれて吹っ切れたのか、その後はいいプレーを見せるようになった。FW植木も将来を嘱望されている選手の1人になる。前線でハードワークの出来る選手であり、コンスタントに点を取ることもできる。
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