■ FWピーター・ウタカが加入してから3連勝夏の移籍市場で獲得した選手をJ2のリーグ戦で起用できるようになったのは7月21日(土)に行われた第24節だった。よって、早くも4節が経過した。夏の移籍市場の場合、J1の上位クラブや中位クラブが即戦力クラスの選手を獲得するのはなかなか難しいが、J2の場合は「J1で活躍できなかったが力のある選手」、「J1の有力クラブで出場機会に恵まれなかった選手」も戦力になるので、J2のクラブの方が補強はしやすい。
J3降格の危機が訪れている下位クラブはもちろんのこと、上位クラブや中位クラブも夏の移籍市場で戦力アップを図ることが(J1の上位クラブや中位クラブと比べると)難しくないので、毎度、夏の補強で様変わりチームがJ2はいくつも出てくる。昨シーズンは名古屋がMFガブリエル・シャビエルを獲得して大幅な戦力アップに成功したが、似たような雰囲気があるのはFWピーター・ウタカを獲得した徳島である。
デビュー戦となった大宮戦(H)でいきなりアシストを記録すると、2戦目の福岡戦(H)は2ゴールの活躍。3試合に出場して2ゴール1アシスト。徳島は26節の岡山戦(A)は台風の影響で延期になったが、FWピーター・ウタカが加入してからは3戦全勝。全てホーム戦という有利さはあったが攻撃の中心になれる選手を獲得して上昇ムードが漂っている。加入が決まった時に心配されたコンディションの問題も今のところはない。
1人の選手の加入で様変わりすることはJ2の場合は珍しくないが得点力があってアシスト能力が高くてキープ力があってイマジネーションが豊富なFWピーター・ウタカの加入によって前半戦は極度の得点力不足に苦しんだ徳島が大きく変わった。インサイドハーフでプレーするテクニシャンのMF前川といい関係を築いているのも目に付く。同じ新戦力のFWバラルも活躍するようだと上位進出が見えてくる。
■ JFLのクラブから加入したFWジュニーニョ今夏、J2のクラブの中でもっとも激しい動きを見せているのは京都サンガになる。26節が終了した時点では4勝17敗4分けで勝ち点「16」のみ。最下位と苦しんでいる。20位の讃岐との差は「8」なのでクラブ史上初となるJ3降格が現実味を帯びてきたが、FWカイオ(雲南麗江)、MF庄司(仙台)、MF金久保順(仙台)、FW大久保剛志(ラヨーン)、MFジュニーニョ(FC大阪)、DF黒木恭(鹿児島)、DF呉少聰(清水)を獲得した。
今夏の京都は実に7人もの新戦力を獲得して巻き返しを図ったがJFLのFC大阪から加入したFWジュニーニョが非常にいい働きをしている。運動量が豊富で、献身的で、守備意識が高くて、シュート意識が高くて、推進力もある。攻撃型の選手でありながらチームのためにプレーできる選手なので信頼を勝ち取りつつある。移籍後初スタメンとなった27節の山形戦(H)では先制ゴールに絡むなど攻守両面で躍動した。
2015年の3月にJFLのFC大阪に加入したので来日4年目。JFLでは79試合で14得点を記録しているが「これだけの選手がずっとJFLでプレーしていた。」というのはちょっとした驚きである。「ずっとチャンスを待っていた。」と本人はコメントしているが、貪欲にプレーできる選手なのでFWジュニーニョは京都にいい影響をもたらす可能性は高い。京都は依然として厳しい状況に置かれているが少しだけ光が差してきた。
■ 2010年以来の復帰となるMF工藤浩平2010年以来の復帰となるMF工藤浩(千葉)もチームにいい影響をもたらしている。MF工藤浩がスタメンに定着してからは3試合で2勝1敗。古巣対決となった27節の松本山雅戦(A)は逆転負けを喫したが25節は甲府、26節は新潟にいずれも接戦の末に勝利した。33才になったが昨シーズンまでは松本山雅でバリバリの主力として活躍していた選手である。久々の復帰となるがさっそく大きな存在感を発揮している。
10番のMF町田は怪我で長期離脱中。中盤で気の利いたプレーが出来る選手ならびに決定的なパスが出せる選手が必要だったがうまくハマった。27節を終えた時点では10勝13敗7分け。昨シーズンの終盤のような大型連勝が必要な状況まで追い込まれているがチームメイトの良さを引き出すことに長けたMF工藤浩の加入で流れは確実に良くなってきた。苦しいシーズンになっているが千葉はいい補強が出来た。
開幕前は低評価されていたが霜田監督の元、快進撃を見せて前半戦のJ2の主役の1つになったレノファ山口はクラブ史上初となるJ1昇格のチャンスを迎えているがMF高井(東京V)とMFワシントン(名古屋)を獲得した。攻撃の中心だったFW小野瀬をJ1のG大阪に引き抜かれたのはショックが大きいが大卒2年目のMF高井はFW小野瀬に匹敵するほど有望なアタッカーである。穴を埋める働きは期待できる。
FW小野瀬の移籍が確定したのは7月31日(金)だった。それまでの2試合はFW小野瀬とMF高井は一緒にプレーしており、MF高井はインサイドハーフで起用された。新天地でのデビュー戦となった25節の水戸戦(H)でいきなり移籍後初ゴールを決めているが多彩な能力を持ったMF高井がインサイドハーフにいると攻撃のバリエーションは格段に増える。FW小野瀬が抜けたのでMF高井にかかる期待はさらに大きくなる。
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