■ J1の第18節J1は後半戦がスタートした。7勝6敗4分けで勝ち点「25」。6位とACLの出場権争いに加わりつつあるヴィッセル神戸はホームのノエビアスタジアムで柏レイソルと対戦した。スーパースターのMFイニエスタのデビュー戦となった17節の湘南戦(H)は0対3の敗戦。まさかの大敗を喫した。柏は6勝9敗2分けで勝ち点「20」。再開後は2連敗で14位まで転落。16位のG大阪との差は「5」のみ。危うい立場になりつつある。
ホームの神戸は「4-1-2-3」。GKキム・スンギュ。DF三原雅、大崎玲、渡部、ティーラトン。MF藤田直、三田、イニエスタ。FW増山、ウェリントン、郷家。スペイン代表のMFイニエスタはJ1初スタメンとなった。慣れ親しんだ「4-1-2-3」のインサイドハーフでプレーすることになった。今夏に徳島から加入したCBのDF大崎玲もJ1初スタメンとなった。若手のFW増山とFW郷家が左右のウイングでスタメン起用された。
対するアウェイの柏は「4-1-4-1」。GK桐畑。DF小池龍、鎌田、パク・ジョンス、高木利。MF小泉慶、細貝、キム・ボギョン、伊東純、クリスティアーノ。FW江坂。夏の移籍市場で千葉から獲得した左SBのDF高木利が初スタメン。新戦力のDFナタン・ヒベイロはベンチスタート。日本代表のGK中村航は怪我のため欠場となった。右SBのDF小池龍と右SHのMF伊東純にはドイツのクラブが熱視線を送っている。
■ 1対0で逃げ切ったヴィッセル神戸J1初スタメンのMFイニエスタに大きな注目が集まったが随所にさすがのプレーを披露してスタジアムを沸かせた。前半15分にはこぼれ球を拾ってミドルシュートを放ったがシュートは枠には飛ばなかった。受け身の展開になった柏は前半28分に裏に飛び出したDF小池龍の絶妙な浮き球のパスからMF伊東純がダイレクトでシュートを放ったが惜しくもポスト直撃で先制ならず。前半は0対0のスコアで折り返した。
優勢に試合を進めた神戸は後半21分にCBのDF渡部が左サイドの裏を取った高卒ルーキーのFW郷家に絶妙なスルーパスを出すとFW郷家のグラウンダーのクロスをFW増山が合わせて優勢だったホームの神戸が先制に成功する。東京世代のFW増山はJ1では通算2ゴール目。2016年以来のJ1でのゴールとなった。追いかける展開になった柏はMF小泉慶を下げてFW山崎亮を投入。攻撃的な布陣にシフトチェンジした。
追いつきたい柏だったがしっかりとボールをポゼッションする神戸にボールを回される展開になって終盤はなかなか攻撃の機会を作れなかった。1対0で逃げ切った神戸は中断明けは2勝1敗。まずまずの成績を残している。逆に柏は3連敗となった。加藤望監督は初陣となった15節の名古屋戦(A)こそ勝利したが、その後は3連敗。J1では4試合で1勝3敗となった。柏は不本意ながら残留争いに巻き込まれつつある。
■ さすがのプレーを見せたMFイニエスタ3連敗となった柏はまずい状況になっている。W杯の中断明けは難敵との対戦が続いているが、17節の鹿島戦(A)は2対6の大敗を喫した。日本代表のGK中村航は怪我のため欠場中。夏の移籍市場でDF中谷が名古屋に移籍したのでCBの駒もやや不足している。加藤望監督はクラブOBであり、クラブの中ではレジェンド級の選手になるが、指導者としての実績はそこまで無い。嫌な流れになりつつある。
6失点した直後の試合ということもあって守備的な戦いを選択した。守備に関してはまずまず機能したが柏らしい迫力のある攻撃はほとんど見せられなかった。MFクリスティアーノがここまで目立たない試合というのは珍しい。FW江坂も前線で孤立した。空中戦に強い選手やポストプレーの出来る選手がいないので攻撃はどうしても単調になる。MF伊東純とDF小池龍を主体とした右サイドアタック頼みになっている。
対照的に神戸は非常にいい流れになっている。注目のMFイニエスタは初スタメンを飾ったが随所にさすがのプレーを披露した。FWフォルラン(C大阪)やFWポドルスキ(神戸)にも同じようなことを感じたが世界最高峰のプレーヤーは技術が本当に高い。難しいプレーやトリッキーなプレーを連発するわけではないが1つ1つのプレーが正確である。キックの精度の高さは普通の日本人選手とは段違いである。
大物選手の場合、コンディションとモチベーションが懸念材料になる。年金リーグと揶揄されたJリーグの草創期であればそこそこのコンディションとモチベーションであっても元世界のスター選手は活躍できたがさすがにJリーグ全体のレベルが上がっているのでコンディションとモチベーションが一定以上のレベルに達しないと活躍するのは難しい。MFイニエスタに関してはその部分に関しては大丈夫そうだ。
これほどの選手を預かる吉田孝行監督は大変だと思うがここまではうまくマネージメントできている。怪我人が出たことも関係しているが今シーズンの吉田孝行監督は積極的に若手を使っている。FW郷家とFW増山以外にもMF安井やFW佐々木大樹などがチャンスを得ており、若手の頑張りも目立つ。この日はFW郷家とFW増山の若手コンビで決勝ゴールを奪った。神戸にとっては収穫の多い試合になった。
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