ガンバ大阪→ 名門のG大阪は17節を終えた時点で4勝10敗3分け。勝ち点「15」で入替戦圏となる16位に位置する。天皇杯の2回戦で関西学院大に敗れるとW杯の中断明けも2連敗スタート。危機的な状況を迎えていたがついにクルピ監督が解任されて元日本代表の宮本監督が就任した。ちょうど全日程の半分を消化した時点で監督交代を決断したが前途は多難である。2012年以来で2度目のJ2降格の危機を迎えている。
各ポジションに代表クラスの選手を揃えているので「戦力は整っている。」と言う人もいるが、実際に「補強は必要ない。」と言えるのはGK東口のいるキーパー、DF米倉とDF初瀬とDF藤春とDFオ・ジェソクのいる左右のSBくらいである。夏の補強で戦力アップを図りたかったがFW柿谷(C大阪)の獲得は成功せず。現時点で新戦力はゼロ。MF矢島慎(仙台)とMF泉澤(東京V)が抜けた分、戦力的にはマイナスである。
当然、リソースには限りがある。昨オフに続いてFW柿谷の獲得に乗り出したのは失敗だったと言わざる得ない。またしても大きく出遅れた。17位の鳥栖はFWフェルナンド・トーレスやFW金崎やFW豊田を獲得して、18位の名古屋はDF中谷やDF丸山やMFエドゥアルド・ネットなどを獲得。下位2チームが大型補強に成功したのとは対照的である。ここ最近のG大阪のフロントはいい仕事ができないケースが多くなっている。
現時点ではDF畠中(東京V)とFW小野瀬(山口)の獲得に乗り出している。DF畠中は「J2でプレーする日本人の若手のCBの中では指折りの有望株」であり、J2で10ゴールを挙げているFW小野瀬は「J2では屈指のアタッカー」と言えるのでどちらも優秀な選手であるが、J1でプレーした経験はない。個人昇格の場合、アジャストできないケースは少なくないので、2人を獲得できたとしても十分とは言えないだろう。
セレッソ大阪→ 前半戦は4位で折り返したがMF清武やMFソウザが長期離脱するなど怪我人の多さに苦しんだ。現在もFW柿谷が離脱中。今シーズンは怪我人の多さで苦労しているが、それでも上位争いに参加している。「地力が付いてきた証拠」と言える。前半戦は過密日程に苦しんだがもともと選手層の厚いチームである。同時期に同ポジションの怪我人が大量発生しない限り、少々の過密日程になっても対応できる。
最大のニュースはFW柿谷の残留になる。「どこまで本気だったのか?」は分からないが、一時は「G大阪への移籍が有力」と報じられた。禁断の移籍が実現する可能性が高まった時期もあったが、最終的にはチームに残ることになった。起用法などの問題を抱えており、尹晶煥監督との関係性は必ずしも良好とは言えないが、やはり、C大阪のシンボルである。彼の引き留めに成功したのは大きな成果と言える。
2018/06/11 【移籍市場】 FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)はなぜ泥船に飛び込むのか?加入が決まったのは19才のFWピアス・ウェリング(メルボルン・ビクトリー)になる。日本と豪州の二重国籍で191センチの長身。今後、2020年の東京五輪を目指す年代別の日本代表に絡んでくる可能性もある。当面はU-23で力を蓄えることになると思うが、これだけのサイズを持った日本国籍持ちのストライカーはなかなかいない。将来に向けていい補強が出来たと言える。面白い選手を獲得できたと言えるだろう。
現時点で確定しているのはFWピアス・ウェリングの加入のみとなるが、U-23でプレーしている選手をJ2のクラブに貸し出して経験値を積ませることも十分に考えられる。昨夏はMF丸岡満とDF庄司を修行に出したが、「J2でやれそうな実力を持った選手は積極的にJ2のクラブに送り出す方針」を持っているチームである。その候補としてはFW米澤、FW山根永、MF西本、DF森下怜などの名前を挙げることが出来る。
ヴィッセル神戸→ 16節を終えた時点では6位。上位争いに参加している。初のACLの出場権獲得のチャンスを迎えているが、何と言ってもMFイニエスタ(バルセロナ)である。17節の湘南戦(H)でJリーグデビューを飾ったが、当分の間、彼の一挙手一投足に大きな注目が集まるだろう。最近は「4-2-2-2」を採用するケースが多くなっているが、「4-1-2-3」に慣れたMFイニエスタをどの位置で起用するのか?は興味深い。
世界的なスーパースターの加入でクラブは盛り上がっているが気になるのは韓国代表のMFチョン・ウヨンの抜けた穴になる。前半戦は主にCBの位置で起用されてチームに貢献したが、アル・サッドに引き抜かれた。もともとCBが最大の弱点だったが、MFチョン・ウヨンが抜けたことでさらに厳しい状況になった。DF渡部は不動のレギュラーなので「DF渡部のパートナーを誰にするのか?」が注目ポイントになる。
穴埋め候補としてDF大崎玲(徳島)を獲得したがJ1は初挑戦となる。187センチとサイズがあって、かつ、足元の技術が高い選手なので、ポテンシャルは相当に高いが、J1のレベルの高さに慣れるまでに時間が必要だと思われる。即戦力となってバリバリ働くことは考えにくい。16節の長崎戦(A)はDF小林友、17節の湘南戦(H)は大卒ルーキーのDF宮大樹がスタメンで起用されたが、できれば早く固定したい。
他にはベテランのDF那須やDF北本とDF伊野波が控えているが、高校3年生のDF小林友の可能性に賭けるのは1つの方法である。貴重な左利きのCBで国際経験も豊富。我慢をして使い続けるだけの価値はある。一方で結果を追い求めたいシーズンなのでさらなるCBの補強があっても不思議はない。ただ、MFイニエスタとFWウェリントンとFWポドルスキとGKキム・スンギュがいるので日本人に限定せざる得ない。
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