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【大宮アルディージャ×松本山雅】自動昇格に大きく前進する10人での逆転勝利。ヒーローはFW永井龍。 | | |　

■　J2の第25節

J2の第25節。11勝8敗5分けで勝ち点「38」の大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムで松本山雅と対戦した。開幕から6試合勝ちなしと大きく出遅れた松本山雅だったが12勝4敗8分けで勝ち点「44」。J2の首位に立っている。ここ11試合では8勝1敗2分けと順調に勝ち点を積み上げている。大宮は24節の徳島戦(A)で敗れて9試合ぶりの敗戦を喫したが調子自体は悪くない。注目の上位対決となった。

ホームの大宮は「4-2-2-2」。GK笠原。DF酒井宣、山越康、河本、河面。MF大山啓、三門、茨田、マテウス。FW富山、大前。23試合で15ゴールを挙げているエースのFW大前はJ2の得点ランキングの首位を走っている。J1だった2017年は25試合で2ゴールと不振を極めたが今シーズンは絶好調。ここ9試合で8ゴールと量産体制に入っている。199センチのFWシモビッチはこの日もベンチスタートになった。

アウェイの松本山雅は「3-4-2-1」。GK守田。DF飯田真、橋内、浦田延。MF岩間、藤田息、岩上、石原崇、前田大、中美。FW永井龍。MFパウリーニョは怪我のため長期離脱中。MFセルジーニョは出場停止。MF前田直はJ1の名古屋に引き抜かれたので中盤がやや手薄になっているがMF中美が久々にスタメンで起用された。23試合で6ゴールを挙げているFW高崎はベンチスタート。FW永井龍が1トップで起用された。

■　上位対決を制したのはアウェイの松本山雅

J2の昇格争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦だったが序盤は引き締まった好ゲームになった。大宮はMFマテウス、松本山雅はMF中美が中心となって攻撃を仕掛けたが前半32分にアクシデントが発生。メインスタンド側でMFマテウスとMF中美がボールを奪い合った場面でMF中美が「MFマテウスに対して乱暴な行為を働いた。」として一発レッドで退場。松本山雅は前半のうちに10人になってしまう。

数的優位となった大宮は前半48分にボランチのMF大山啓の見事なコントロールシュートが決まって先制ゴールを奪った。後半開始から松本山雅は東京世代のMF前田大を下げてMF下川を投入。テコ入れを図ると後半10分にCKの流れからMF石原崇が倒されてPKを獲得。これをFW永井龍が落ち着いて決めて1対1の同点に追いついた。先制ゴールを決めたMF大山啓がファールを取られてPKを献上してしまった。

10人で追いついた松本山雅はさらに後半19分にもMF藤田息の縦パスを受けたFW永井龍が個人技から右足でシュート。これがゴール前にいたDF河本に当たってゴールイン。数的不利の松本山雅が逆転に成功する。ここまで15試合で1ゴールのみだったFW永井龍は2ゴールを挙げてヒーローになった。終盤は大宮が攻め込んだが何とか逃げ切った松本山雅が首位をキープした。大宮は痛恨の2連敗となった。

■　ターゲットになったのはレッドカード

どちらも自動昇格を目指している。どちらも夏場に入って調子を上げているので大注目の直接対決だったが熱い試合になった。前半にMF中美が退場になったので11人対10人の戦いになったのは残念だったが、10人になったが松本山雅が先制ゴールを奪われながら逆転勝利。首位に立っている松本山雅の勢いがさらに加速しそうな劇的な逆転勝利となった。松本山雅にとっては大きな勝ち点「3」となった。

ヒーローになったのはFW永井龍だった。期待されながらここまで1ゴールのみ。期待外れだったが大一番に先発で起用してくれた反町監督の期待に応える働きを見せた。圧巻だったのは自身2点目のゴールになる。難しいボールをしっかりとキープして最後は後方から上がってきた味方選手のサポートを得て自らゴールゲット。ようやく松本山雅でチームの勝利に貢献するゴールを決めることができた。

MF中美のレッドカードに関してはいろいろな意見があるだろう。最初はイエローカードが提示されたが、その後、レッドカードが出て退場になった。副審あるいは第4の審判員からの助言があったのでは？と推測できるが、そのシーンのときはどちらかというとスタジアムは静かだったので「ファールの笛が聞こえなかった。」というのは考えにくい。「退場になったMF中美には全く悪意がなかった。」とも考えにくい。

MFマテウスは股間を押さえて倒れこんだ。相当に痛がっていたが、オーバージャスチャーだったように思う。そこまで激しい攻防ではなかったように見えるので、「(レッドカードではなくて)イエローカードで済ませた方が良かったのでは？」と思うが、吉田哲朗レフェリーはレッドカードを提示した。松本山雅にとっては納得しがたいジャッジになったが、不利なジャッジが松本山雅の選手のモチベーションを高めた。

2連敗となった大宮は踏ん張りどころを迎えている。勝利していたら「3差」になったが、敗れたことで「10差」に広がった。痛恨の敗戦となった。数的優位の中、先制ゴールを奪ったので、圧倒的に有利な展開に持ち込むことが出来たが、セットプレーとカウンターから失点。勝利への執念が感じられたのは松本山雅の方だった。途中出場したFWシモビッチには何度もチャンスが訪れたが決められなかった。