コンサドーレ札幌→ 5位と好位置でW杯の中断期間に突入した。「クラブ史上最高成績」どころか、「初のACLの出場権獲得」も十分に射程圏内に捉えている。絶好の位置に付けているが、ここまでのところ、新戦力の加入ならびに既存の選手の流出や退団の話は全くない。もっと言うと、噂レベルすら1つもない状態である。これはJ1では札幌のみ。J2でも町田と金沢の2チームのみ。夏の移籍市場での存在感は希薄である。
昨オフはMF三好やGK菅野やMF駒井らを獲得。効果的な補強を行って戦力アップに成功したのでさらなる戦力アップを期待していたサポーターは物足りなく感じているかもしれないが、ここまで十分な結果を出しており、かつ、手薄なポジションは見当たらない。焦って戦力補強に動かなければいけない状況では全くないことを考えると「何の動きも見せていない。」という今の状態に関しては「何の問題もない。」と言える。
攻撃的なポジションはFWジェイ、FW都倉、MFチャナティップ、MF三好だけでなく、MF小野伸、MFジュリーニョ、MFヘイス、MF宮吉などが控えており、十分すぎるほどのメンバー構成である。WBはMF駒井が期待通りの活躍を見せており、19才のMF菅大輝は着実に成長を続けている。さらには前半戦は出番に恵まれなかったMF白井康が再開初戦の川崎F戦(H)でJ1デビューを飾るなどこちらも人材は豊富である。
唯一、CBの補強はあっても良かったが、それでも22才のDF進藤が大きな存在感を発揮しており、DF福森晃は不動のレギュラーとして活躍中。3バックの中央もDF河合、DF横山知、DFキム・ミンテ、DF石川直がいるので、候補となる選手自体はたくさんいる。言うまでもなく、資金力には限りがあるので、お金を貯めておいて今オフに資金を投入するのも1つの方法である。シーズンオフの方が有力選手を獲得しやすい。
ベガルタ仙台→ 7位と好位置でW杯期間を迎えた仙台は現状には満足せずに積極的な動きを見せている。「たくさんのチャンスを作りながら決められない。」というのが昨シーズンから続く仙台の大きな課題だったが、神戸で出場機会に恵まれなかった元日本代表のFWハーフナー・マイクの獲得に成功した。実績十分で195センチのFWハーフナー・マイクが仙台というチームをワンランク上のチームに引き上げる可能性がある。
仙台の1試合平均のクロス数は19.40本。これは横浜FMに次いでJ1の18クラブの中では2番目に多かった。MF古林、MF蜂須賀、MF関口、MF中野嘉、MF永戸などサイドからの仕掛けやクロスを武器にしているサイドアタッカーをたくさん擁しているのは仙台の強みだったが、ボックス内で勝負できる選手が不足していた。オランダで実績を積んだFWハーフナー・マイクというのは打ってつけの存在である。
FWハーフナー・マイクは大きな補強になる可能性が高いが、さらに移籍先のG大阪で出場機会に恵まれなかったリオ五輪代表のMF矢島慎の獲得にも成功した。仙台の中盤は競争が激しいのでどこまで出場機会を得られるか?は分からないが、独特の感性を持った選手なので、仙台のコンビネーションサッカーにフィットしたら同様に大きな戦力になるだろう。こちらは非常に面白い補強が出来たと言える。
さらに「J2でプレーする若手のCBの中では屈指の有望株」と言える22才のDF畠中の獲得にも動いている。最近の仙台は夏も冬も移籍市場で苦戦するケースが多かったが久々に移籍市場で大きな存在感を発揮している。その一方で出番に恵まれなかったMF庄司(→京都)とMF茂木駿(→水戸)の2人をJ2のクラブに貸し出した。育成型期限付き移籍のMF茂木駿はさっそくJ2の水戸で貴重な戦力になっている。
鹿島アントラーズ→ ACLでは日本勢の中では唯一となるGL突破を果たしてベスト8に勝ち進んでいるが、J1のリーグ戦では前半戦を終えた時点で11位と低迷している。16位のG大阪との差は「3」のみ。残留争いに巻き込まれているので危うい立場になるが、所属選手の移籍話が話題の中心になっている。ロシアW杯で出場機会を得られなかったDF植田直はレベルアップのため、セルクル・ブルージュに完全移籍することになった。
Jリーガーの中では、唯一、日本代表のレギュラーとして活躍したDF昌子はW杯で好プレーを見せたことで評価が急上昇している。フランスのストラスブールやドイツのブレーメンなどが興味を示している。2年連続でJ1のベストイレブンに選ばれるなど「国内屈指のCB」と評価される選手に育ったので、今夏に欧州に渡っても何ら不思議はない状況である。DF昌子の後釜候補を探さないといけない状況になっている。
幸いにして「高校ナンバー1のCB」とも評されるDF関川(流通経済大柏高)の獲得に成功したが即戦力になるとは考えにくい。CBのポジションはJリーグの草創期からずっと鹿島のストロングポイントだったが初めて危機的な状況を迎えている。再開初戦の磐田戦(A)はDF犬飼とDF町田のCBコンビだったが、ベルギー移籍が確定したDF植田直に加えてDF昌子まで抜けるようだとどうしようもない事態に発展する。
一方の攻撃陣は期待外れに終わったFWペドロ・ジュニオールがCリーグの武漢卓爾に期限付き移籍となった。1億円を超える高年俸だったのでレンタル先が見つかって年俸の負担がなくなったのは良かった。前半戦はJ1最少タイの12得点のみ。攻撃陣は低調だったのでFWペドロ・ジュニオールを放出したことで浮いたお金を使って即戦力の補強に動かないといけない。ここまではかなり苦しい流れになっている。
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