■ カウンターが威力を発揮したメキシコ代表GLの初戦でドイツに勝利したメキシコのサッカーも世界に対してインパクトを残した。2戦目の韓国戦で勝利して2連勝した後、3戦目はスウェーデンに0対3で完敗。ラウンド16のブラジル戦も力の差を見せつけられて0対2で敗れたので、尻すぼみのW杯になったのは間違いないが新鋭のMFロサーノを中心とした高速カウンターが威力を発揮。「死のグループ」と呼ばれたF組で2勝1敗。世界王者のドイツを蹴落とした。
メキシコというと「ショートパス主体のサッカー」というイメージが強い。身長の部分では日本と比べて大きな差はないので「メキシコのサッカーをモデルにすべき」という声は少なくない。ブラジルW杯の後、メキシコ人のアギーレ監督を招聘したのはそういう流れだったが、今大会のメキシコは従来のチームとは全く違った。従来のメキシコのサッカーも魅力的だったが今大会のメキシコのサッカーはさらに魅力的だった。
逆にドイツ代表は期待を大きく裏切るサッカーだった。ここ数年のドイツ代表は「結果も残しているし、内容的にも優れている。」というケースがほとんど。今大会もDFキミッヒ、MFゴレツカ、FWヴェルナーなど有望視される若手をたくさん擁しており、魅力的なサッカーが出来そうな陣容だったが、ドイツらしさを発揮したのは10人になりながらも逆転勝利を飾ったGLの2戦目のスウェーデン戦の後半くらいである。
レーブ監督は自国開催だった2006年のドイツW杯の直後にドイツ代表の監督に就任しているので12年目。異例の長期政権になっており、「1人の監督に強化を任せている点がドイツ代表の強さの理由」と言われてきたが、マンネリ化は否定できず。トルコにルーツを持つMFギュンドガンとMFエジルが騒動を起こして自国のファンからブーイングを浴びるなど大会前から一枚岩ではなかった。ドイツらしくなかった。