■ かつてないほどの追い風ロシアW杯の影響で、約2か月間、中断していたJ1は7月18日(水)に再開する。16節からのスタートになるが、今さら言うまでもなく、ロシアW杯での日本代表の快進撃を追い風にしなければいけない。ここ何年かでは最もサッカー界に追い風が吹いているので、「サッカー人気」や「代表人気」を「Jリーグ人気」につなげることができるか。Jリーグに関わる全ての人は全力でこのチャンスを生かさないといけない。
さらに「サッカー人気」と「代表人気」だけでなく、MFイニエスタならびにFWフェルナンド・トーレスという世界的な名プレーヤーの加入が確定。2人の加入もJリーグにとって追い風となる。「このチャンスを生かしたい。」というよりは「このチャンスを是が非でも生かさないといけない。」という状況である。ここまでのラッキーチャンスがやってくるのは珍しいので、Jリーグにとって「勝負の期間」と言える。
ACLの影響で14節が延期になった鹿島とC大阪を除く16チームは残りが19試合となる。あと2試合を消化すると折り返し地点に到達するが今シーズンは上位争いよりも残留争いに注目が集まっている。それも仕方がないことで、広島が独走状態になっている上位争いと比べて残留争いは大混戦。しかも、清水・鹿島・浦和・横浜FM・G大阪・名古屋といったオリジナル10のクラブが残留争いに巻き込まれている。
■ 逆転優勝の可能性はあるのは4チームか!?名門クラブや歴史のあるクラブがここまでJ1で揃って低迷することは過去にはなかった。優勝争いよりも残留争いに注目が集まる状況がしばらく続く可能性は高いが、やはり、「このまま広島が独走でリーグ制覇を達成するのか?」は大きな注目点になる。12勝2敗1分けで勝ち点「37」。15試合を全勝した場合の勝ち点は「45」なので前半戦で広島が失った勝ち点は「8」のみ。驚異的な数字と言わざる得ない。
2位のFC東京は勝ち点「28」、3位の川崎Fは勝ち点「27」、4位のC大阪と5位の札幌は勝ち点「26」となる。6位の神戸と7位の仙台は勝ち点「22」。神戸&仙台と広島の差は「15」。残り19試合で「15差」を逆転するのはよほどのことがない限りは難しいことを考えると現実的に逆転優勝の可能性を残すのは2位のFC東京、3位の川崎F、4位のC大阪、5位の札幌の4チームだろう。6位以下のチームは離されすぎた。
開幕前に「優勝候補の筆頭」と言われた鹿島は勝ち点「18」。広島との差は「19」となる。先のとおり、鹿島は消化試合数が1つ少ないが、20試合で19差を逆転するのは至難の業である。仮に広島が大失速をしたとしても間にFC東京や川崎FやC大阪など有力チームがたくさんあることを考えると鹿島が逆転優勝をする確率は限りなくゼロに近い。ベスト8に残っているACLがメインのターゲットになるだろう。
■ 「10差」で追う川崎フロンターレ「広島がこのまま独走したままでテープを切ることが出来るのか?」が注目点になるが、個人的にはこのままでは終わらないと思う。過去のJリーグを振り返ってみても最初から突っ走ってそのまま独走でリーグ制覇を果たしたチームはほとんどない。前半戦の広島の勝ち点ペースはやはり異常だった。FC東京との差は「9」、川崎Fとの差は「10」、C大阪&札幌との差は「11」。セーフティーリードとはまだ言えない。
結構な差をつけて後半戦に突入するので広島の選手が抱えるプレッシャーはとてつもなく大きくなるだろう。例えば「5差」あたりまで差が縮まったとしたら、後ろから追いかけてくるチームの動向が気になって仕方がない状況になるだろう。「後ろから追いかけるチームのほうが精神的には楽」というのはあらゆるスポーツで言われることであるが、後半戦の広島の最大の敵は(見えない)プレッシャーである。
どこが広島を捕える可能性があるのか?を考えてみたいと思うが、対抗馬の最有力候補はC大阪ではないかと思う。前半戦は怪我人が続出してベストメンバーで戦うことができたのは全公式戦の中でACLのGLの初戦の済州U戦(A)のみ。MFソウザとMF清武が長期離脱したこともあって尹晶煥監督はやり繰りで苦労したがようやく怪我人が戦列に復帰して来た。未消化の鹿島戦(H)で勝利できれば「8差」になる。
当然、王者の川崎Fがここから追い上げていくことは十分に考えられる。MFエドゥアルド・ネット(名古屋)とFW大久保(磐田)が夏の移籍市場で抜けたが、攻撃陣の駒は豊富なのでFW大久保の穴は大きな問題にはならないだろう。一方、MFエドゥアルド・ネットに関しては高さや守備力といった他の中盤の選手にはない良さを持っている選手なのでダメージは小さくないはず。彼の穴をどう埋めるのか?である。
開幕前に優勝候補に挙げられていたC大阪や川崎Fと比べるとFC東京がこの位置にいることはサプライズである。ビッグシーズンになっているが前半戦はやることなすこと全てがうまくいった印象。前半戦のJ1を盛り上げたがどこまで食らいつくことが出来るか?札幌もビッグシーズンになっているがまず最初の目標はACLの出場権獲得である。あわよくば、リーグタイトルも狙いたいが無欲で戦えそうなのは強みである。
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (上) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (下) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
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