■ 健闘するV・ファーレン長崎(
上)で記述したとおり、降格候補の筆頭と言われた長崎は5勝8敗2分けで勝ち点「17」。残留圏ギリギリの15位ではあるが残留圏に位置する。初のJ1挑戦であることを考えると「健闘している。」と言える。このペースで行くと勝ち点「38」。J1残留のための目安とされる勝ち点に到達するが、当然、油断は全くできない。16位のG大阪との差は「2」のみ。17位の鳥栖との差も「4」のみ。際どい位置に付けている。
ここまではFW鈴木武蔵、MF中村慶、MF中原彰、MF翁長といった23才前後の若手の頑張りが目立っている。彼らがJ1の舞台でここまでやれるとは予想できなかった。若手が自信を持ち始めているのでいい流れになりつつあるが、言うまでもなく、まだ、何も勝ち取っていない。追いかけてくるのはG大阪と鳥栖と名古屋の3チームになるがいずれも長崎よりも格上のチームである。タフな後半戦が待っている。
13位の横浜FM、14位の浦和、15位の長崎はいずれも勝ち点「17」で並んでいる。13位の横浜FMは評価の難しい前半戦になった。スタイルが大きく変わって試合を支配するケースが増えたが序盤戦は結果につながらず。得点力不足に苦しんだが5月に入ってからはカップ戦を含めてコンスタントに点が取れるようになった。終わってみると総得点「23」は神戸と並んでJ1で最多タイ。意外にも点は取れている。
ポステコグルー監督のやりたいサッカーがようやく浸透して来ていい流れになってきたが降格圏のチームとの差はわずかなので当面の間は降格ゾーンを意識した戦いにならざる得ない。そんな中でCBのレギュラーだった豪州代表のDFミロシュ・デゲネクが抜けてしまった。3,600万円ほどの移籍金を得たと報じられたがもともと豊富とは言えなかったCBがさらに厳しいことになった。アキレス腱になる可能性はある。
■ 評価の難しいシーズンになっている浦和レッズ14位の浦和も評価の難しいシーズンになっている。堀監督の後任を務めた大槻監督のときはいい流れになって結果も出たが、オリベイラ監督になってからは低調。点が取れなくなった。開幕前は鹿島→川崎F→C大阪に次いで4番手評価だったことを考えると14位というのは予想外の成績である。FW興梠に次ぐ第2の得点源になれる選手を必要としているので新戦力のMFファブリシオにかかる期待は大きい。
10位の清水、11位の鹿島、12位の湘南も勝ち点「18」で並んでいる。結局、10位の清水から15位の長崎までの6チームはわずか1差。このあたりが大混戦になっている。10位の清水は開幕前の評価が低かったことを考えると健闘している。長崎と同様でMF金子翔やDF立田やMF石毛といった若い選手が期待以上の働きを見せてチームを引っ張った。ヤン・ヨンソン監督の巧みな選手起用が前半戦は光った。
11位の鹿島は「優勝候補の筆頭」と言われていたことを考えるとまさかの低迷と言える。ACLでは日本勢の中で唯一となるGL突破。ラウンド16も制してベスト8進出を決めたが、肝心のリーグ戦でこの順位だとサポーターは納得しない。昨シーズンの大逆転でのV逸の印象も良くないので大岩監督に対する評価は厳しい。最近の鹿島のフロントは監督の見切りが早いので早期の監督交代があっても不思議はない。
首位の広島との差は「19」。1試合だけ消化試合数が少なくなるがこの差を逆転するのは不可能に近い。このまま残留争いに巻き込まれた状態でシーズンの終盤を迎えることは考えにくいがモチベーションを保ちにくい状況になりつつあるのは確かである。日本代表のDF植田直のベルギー移籍がほぼ確定。DF昌子にも海外移籍の可能性が生じており、チームとして変革期に入っているのかもしれない。
■ 降格候補の本命は・・・。6位は神戸、7位は仙台、8位は磐田、9位は柏となる。6位の神戸と16位のG大阪の差は「7」。神戸・仙台。磐田・柏も安心できるポジションではないが、10位の清水以下のクラブと比べると少しだけ余裕はある。現段階で残留争いに巻き込まれているのは10位の清水以下の9チームと言える。結局、鹿島・横浜FM・清水・G大阪・名古屋・浦和とオリジナル10のチームが6つも残留争いに巻き込まれることになる。
横浜フリューゲルスは消滅したのでオリジナル10の中で残留争いに巻き込まれていないのは広島と東京Vと千葉のみ。東京Vと千葉はJ2なので本当に奇妙なシーズンになっている。DAZN効果もあってJリーグ自体が大きく生まれ変わろうとしている中、新時代の到来を予感させるようなシーズンになっている。これほど多くの名門クラブが残留争いに巻き込まれているので優勝争いよりも注目されてしまうのは仕方がない。
もともと「どこが残留争いを制するのか?」を予想するのは難しかったが、夏の移籍市場で自動降格圏の鳥栖と名古屋が大型補強を行ったことでさらに予想は難しくなった。鳥栖も名古屋もどちらも補強によって相当な戦力アップに成功した。特に名古屋はセンターラインの軸になれる選手を補強できただけでなく、MFエドゥアルド・ネットとDF丸山とDF中谷という風間サッカーに合うだろう選手の獲得に成功した。
当然、上との差が広がっていて、かつ、13試合勝ちなし中の名古屋が一番困難な立ち位置になるが、巻き返しに成功しそうな雰囲気が流れ始めている。鹿島・横浜FM・浦和・G大阪というビッグクラブがこのあたりの順位で秋を迎えることも考えにくい。となると、開幕前の評価が低かった清水・湘南・長崎の3チームが降格圏に落ちてくる可能性が高まるが・・・。降格の本命がどこなのか?を言い切ることすら難しい。
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (上) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (下) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
★ 現在の投票数 → 153票
→ 必ず2チーム or 3チームを選択してから投票を行ってください。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2018/06/14 【ロシアW杯】 サッカー中継に登場する解説者(27名)を勝手に評価する。 (前編)
2018/06/15 【ロシアW杯】 サッカー中継に登場する解説者(27名)を勝手に評価する。 (後編)
2018/07/02 【J1】 2018年の夏の移籍市場の勝ち組はどこだろうか? (前編)
2018/07/04 【J1】 2018年の夏の移籍市場の勝ち組はどこだろうか? (後編)
2018/07/11 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その1)
2018/07/12 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その2)
2018/07/12 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その3)
2018/07/13 J3+(アンテナ)・・・注目サイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-