■ GLの3戦目GLの3戦目。1勝1分けでGL首位に立つ日本はポーランドと対戦した。ポーランドはFIFAランキングが8位で「H組の本命」とも言われていたが2連敗。早くもGL敗退が確定した。ポーランドにとっては消化試合になる。日本は引き分け以上で自力でGL突破を果たすことができる。敗れた場合でもコロンビア vs セネガルの結果次第でGLを突破することができる。相当に有利な状況で最終戦を迎えることができた。
日本は「4-2-2-2」。GK川島(FCメス)。DF酒井宏(マルセイユ)、DF吉田(サウサンプトン)、DF槙野(浦和)、DF長友(ガラタサライ)。MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF山口蛍(C大阪)、MF酒井高(HSV)、MF宇佐美(デュッセルドルフ)。FW岡崎慎(レスター)、FW武藤嘉(マインツ)。報道されていたとおり、スタメンを大幅に変更してきた。GK川島とDF酒井宏とDF吉田とDF長友とMF柴崎岳は3試合連続スタメンとなった。
ベンチスタートになったのはGK東口(G大阪)、GK中村航(柏)、DF昌子(鹿島)、DF植田直(鹿島)、DF遠藤航(浦和)、MF長谷部(フランクフルト)、MF大島僚(川崎F)、MF本田圭(パチューカ)、MF原口(デュッセルドルフ)、MF香川(ドルトムント)、MF乾(エイバル)、FW大迫(ケルン)の12名。GK東口とGK中村航とDF植田直とDF遠藤航とMF大島僚はここまで出番なし。MF本田圭も3試合連続でベンチスタートになった。
■ 明暗を分けたのはフェアプレーポイントスタメンを大きく入れ替えた日本だったが前半はほぼ互角の展開になった。ポーランドのつなぎのミスをきっかけに日本はいくつかチャンスを作った。前半13分にFW武藤嘉が惜しいシュートを放ったがキーパーにセーブされてしまう。前半35分にはMF宇佐美がエリア内でチャンスシーンを迎えたが決められず。急造のスタメンであることを考えると悪くない内容で前半はスコアレスで折り返した。
後半開始早々にFW岡崎慎がプレー続行不可となってFW大迫が投入される。大事な先制ゴールを奪いたかったが後半14分に左寄りでFKを献上するとCBのDFベドナレクにボレーで決められて失点。警戒していたはずのセットプレーから先制ゴールを許した。「このままではGL敗退」となる日本は後半20分にMF宇佐美を下げてMF乾を投入するが流れを変えることは出来ない。時間だけが過ぎていく。
追い込まれた日本に朗報が飛び込んできたのは後半30分あたりだった。コロンビアがDFミナのゴールで先制に成功する。今度は逆に「フェアプレーポイントの差」で日本が優位に立った。2失点目はもちろんのこと、余計なイエローカードを受けることも絶対に避けなければいけない状況になった日本は時間を潰すことを選択。コロンビアが1対0で勝利した瞬間、日本の2位通過とセネガルの敗退が確定した。
■ すっきりした形にはならなかったが・・・。極めて評価の難しい試合になった。本音を言うと「すっきりした形でGL突破を決めてほしかった。」となる。現時点ではGL突破を心の底から喜ぶことは出来ずにいるが理由としては終盤戦の日本の戦い方にあるわけではない。「このままでOK」となった場合の常套手段である。第3者的な立場で考えると「つまらない戦い方」だったと思うが、ごく当たり前の戦法である。終盤の戦い方はこれでOKだったと思う。
ただ、非常に難しい判断を迫られた。日本は同点に追いつくことが出来たら自力で突破できる状況。当然、コロンビア vs セネガルの試合経過は随時入ってきていたと思うがセネガルが同点ゴールを奪わない保証は一切ない。聞くところによると「コロンビア vs セネガルは失点したセネガルの方が押し気味に試合を進めていたようだ。(※ もう1つのカードの試合展開も情報として入っていたと思われる。)
なので、「攻めなくてもいい。」という指示を出すのは相当に難しかったと思う。戦い方としては極めて消極的なやり方になるが、その指示を出すのはとてつもなく勇気が必要だった。西野監督を含めたベンチの勇気は称賛したい。簡単な判断ではなかった。当事者がポーランドであったならば両チームが暗黙の了解で時間を潰す選択を取ってもリスクは小さいが今回の当事者は目の前の敵ではなかった。
■ 大きな賭けに勝った日本サッカー界諸手を挙げて喜べないのは「これまでと同じメンバーで戦った方が良かったのでは?」と感じるからである。もちろん、疲労がたまっているだろうMF長谷部に代えてMF山口蛍を起用したり、MF原口に代えてMF武藤嘉を入れるなどいくつかテコ入れを図るのはありだったが6人を入れ替えるというのはいい作戦ではなかったと思う。結果としてGLを突破することができたが「結果オーライの選手起用だった。」と思う。
特に前半はサブ組中心でもほぼ互角の展開に持ち込むことが出来た。コロンビア戦やセネガル戦のメンバーであったならば日本が優勢で試合を進めることができた可能性は高かった。2002年の日韓W杯のラウンド16のトルコ戦は未だに多くのサッカーファンのトラウマになっているが、やはり、メンバーを大きく入れ替えて結果が出なかったら悔いが残る。疲れはあったと思うが賛成できる選手起用ではなかった。
「西野監督のスタメン選び」ならびに「試合内容」ならびに「黒星という結果」の3つからモヤモヤ感の残るGL突破になったがそれでも日本代表の前評判の低さを考えると快挙である。アジア勢としては最多となる3度目のGL突破である。6回目のW杯出場でちょうど半分の3回もGLを突破することができている。直前での監督交代は大きな賭けだったが「日本サッカー界は大きな賭けに勝った。」と言えるだろう。
事前の予想では3連敗と予想する人が多かった。予想どおりに3連敗をしていたら代表人気ならびにサッカー人気は相当に厳しいものになっていただろう。そのことは選手たちが一番分かっているので「日本サッカー界の未来」という大きなものを背負って23人の選手は戦った。そして、見事な結果を勝ち取った。もちろん、まだ日本代表の戦いは終わっていないが、十分な結果をすでに残している。称賛したい。
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