■ H組のもう1つの試合日本 vs コロンビアの直後に行われたポーランド vs セネガルは2対1でセネガルが勝利した。前半37分にオウンゴールで先制に成功すると後半15分にはFWニアンが決めて追加点を奪った。ポーランドは終了間際にMFクリホヴィアクが決めて1点差に迫ったが追いつくことは出来なかった。H組はFIFAランキングが低くて前評判のあまり高くなかった日本とセネガルが白星スタート。波乱の展開になっている。
セネガルとは2戦目、ポーランドとは3戦目に対戦するので、ポーランド vs セネガルを「これから日本が対戦する相手同士の戦い」という視点で注目していた人が多かったと思うがセネガルの強さが目立つ試合になった。セネガルというと初出場ながらベスト8に入った2002年の日韓W杯の時のイメージが強烈に残っているが「身体能力の高い選手が多いがチームとしても組織的」という厄介なチームである。
当時、アフリカのチームというと「身体能力の高い選手は多いが個人プレーに走りがちで組織的なサッカーは苦手にしている。」というチームが多かった。この時期のナイジェリアとカメルーンはそういうチームの典型だったが当時から「アフリカのチームでありながら組織的なサッカーをするセネガルはやや異質」と言われていた。アフリカのチームの中ではセネガルというチームは今も昔も「やや異質である。」と言える。
■ バックパスからセネガルの2点目セネガル戦は日本にとって難しい試合になる可能性が高いがポーランド vs セネガルの後半15分に生まれたセネガルの2点目のFWニアンのゴールはモヤっとするゴールになった。得点シーンだけを見ると「ポーランドの選手の不用意なバックパスが失点につながった。」、「ポーランドの選手のバックパスは軽率だった。」となるが、その認識は誤りである。ポーランドにとってはかなり気の毒なシーンだった。
ゴールを決めたセネガルのFWニアンは怪我の治療のためピッチを離れていた。再度、ピッチに入るためには審判団の許可が必要となる。セネガルの陣地でボールが行ったり来たりしている時に再入場が許可されたがバックパスをしたポーランドの10番のMFクリホヴィアクは「そこに(FWニアンを含めた)セネガルの選手がいる。」とは全く想定していなかった。なので、不用意(に見える)バックパスをした。
ルール上は何の問題もない。主審に再入場を許可をされた後にFWニアンはピッチに戻っている。勝手にピッチに戻ったわけではない。再入場が認められてから2秒ほど後にポーランドのMFクリホヴィアクが浮き球のバックパスをしてそのボールをFWニアンが追いかけて飛び出してきたGKシュチェスニーも処理できず。あとは無人のゴールに流し込むだけ。セネガルにとっては重要な2点目のゴールを奪うことができた。
■ 抗議をしたくなる気持ちはよく分かる。ポーランドにとっては痛い2失点目になったがここでのMFクリホヴィアクのバックパスを批判するのは適切ではないように感じる。セネガルの選手は誰も前線にいなかったので後ろにいる味方選手にパスを出して攻撃をやり直そうとするのは自然なプレーである。相手選手は誰もいないので浮き球であろうが、なかろうか、大した意味はない。想定外だったのはバッドタイミングでFWニアンの再入場が許可された点である。
ゴールが認められた後、ポーランドの選手の多くが主審に詰め寄った。しばらくの間、抗議をしていたが、抗議をしたくなる気持ちはよく分かる。一番の問題は「あのタイミングで主審がFWニアンの再入場を認めたこと」である。プレーが続いている場合でもプレーとあまり関係のないところの選手であれば再入場は許可されることが多いが、このときのFWニアンは、その後、プレーに大きく関わる可能性があった。
「FWニアンはピッチを離れていたがどこかのタイミングで再入場は許可される。そのことも頭に入れながらMFクリホヴィアクはプレーすべきだった。」というのはさすがに厳しすぎる。完全な結果論であり、暴論とも言える。ピッチから出ている選手のことは頭から外してプレーするのがピッチ上の選手である。この場面で再入場を認めた主審の判断は極めて良くなかったと思う。批判の対象になるのは仕方がない。
■ いないはずの選手がゴールゲットゴールシーンを見るとFWニアンに対応したポーランドのDFベドナレクの対応はものすごく不自然である。普通にプレーを続けていたらFWニアンよりも先にボールに触ることができたように思うがプレーを止めてしまって、一瞬、後ろを振り返っている。そのことがぶち抜かれる原因になった。「セルフジャッジをしてはいけない。」という視点から考えるとDFベドナレクのプレーも批判されても仕方がない。
ただ、(いないはずの)FWニアンが詰め寄ってきたときに「何で???」という気持ちになったDFベドナレクの気持ちも理解はできる。審判団から再入場が認められてからピッチに戻ってきたので、当然のことながら、FWニアンに全く非はないが、「いないはずの選手」が突如として登場して相手の隙を付く形で大事なゴールを決めてしまったので、先のとおり、モヤモヤ感が残るゴールになってしまった。
審判団の「FWニアンを戻すタイミングの判断」が極めてまずかったのが一番。FWニアンならびにセネガルを責めるのは適切ではないと思うが、フェアプレーという視点から考えると「FWニアンのプレーもどうだったのか?」と思うところはある。VARシステムの導入によって今大会は重大な局面での誤審はほぼない。極めて快適に試合を観ることができている中、初めてといっていいほど引っかかる場面に出くわした。
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