■ 史上最も退屈なW杯1990年に行われたイタリアW杯は「史上最も退屈なW杯だった。」と言われている。1試合平均の得点は2.21。これは史上最低となる。危機感を覚えたFIFAは抜本的な改革に乗り出して
・バックパスの禁止。(味方が意図的に足で蹴ったキーパーへのパスは手で処理できない。)
・オフサイドの解釈の変更。(プレーに関与していなかった選手はオフサイドとは見なさない。)
・GLの勝ち点が「2」から「3」に変更。
という3つの大幅なルール変更が行われた。「バックパスの禁止」については1992年から採用されているがこれによってサッカー自体が大きく変化した。それ以前は「リードを奪っているチームは後方でボールをゆっくりと回して相手にプレスをかけられた時は後ろに控えているキーパーにバックパスをする。」という形で時間を潰すことが出来たが(手で処理できなくなったので)簡単にバックパスが出来なくなった。
サッカーという競技が急激にスピーディーになったのもこの時期である。80年代のサッカーはMFマラドーナやMFジーコやMFプラティニといった10番で、かつ司令塔で、かつストライカーの役割も担った選手が王様として君臨。彼らを中心に攻め込むスタイルが主流だったが「全員で守って全員で攻撃を仕掛ける。」という流れに移行しつつあった。退屈と言われたイタリアW杯をきっかけにサッカーは大きく進化した。