■ 年俸は2,500万ユーロ(約33億8,000万円)各社の報道によるとスペイン代表でバルセロナ所属のMFイニエスタの神戸入りが有力となったようだ。5月24日(木)に来日して東京都内で記者会見を行って翌25日(金)には神戸に移動してクラブ施設の見学などを行う予定と報じられている。リーガ・エスパニョーラの戦いが終了したばかりなので極めてハードな日程になるが具体的なスケジュールに関する情報がいろいろと流れ始めたことで信憑性は一気に高まった。
年俸等を含めた条件面にも大きな注目を集めているが「複数年契約で年俸は2,500万ユーロ(約33億8,000万円)と報じられている。3,500万ユーロ(約47億3,000万円)という報道もあったが、交渉の末、1,000万ユーロほどの値下げに成功したようだ。Jリーガーの過去最高年俸はFWポドルスキ(神戸)の6億円と言われているので大幅に更新することになる。破格の条件と言えるのは誰の目にも明らかなことである。
その選手のことを知らない人に凄さを伝えるときに最も分かりやすいのが年俸等のお金になる。「年俸が33億8,000万円らしい。」と聞かされると誰でもMFイニエスタという選手が普通の選手ではないことがすぐに分かる。過去最高のFWポドルスキと比較しても5.63倍である。「FWポドルスキが年俸6億円で神戸にやって来るらしい。」と聞いたときも相当に驚いたがFWポドルスキと比べても桁違いのスケールになる。
表1. 2018年のJ1の18クラブの総年俸
順位 | クラブ名 | 総年俸(万円) |
1 | ヴィッセル神戸 | 172,560 |
2 | 鹿島アントラーズ | 127,560 |
3 | セレッソ大阪 | 127,080 |
4 | 浦和レッズ | 116,360 |
5 | 川崎フロンターレ | 110,200 |
6 | FC東京 | 99,480 |
7 | 名古屋グランパス | 97,100 |
8 | ガンバ大阪 | 97,000 |
9 | 横浜Fマリノス | 80,460 |
10 | 清水エスパルス | 76,980 |
11 | ジュビロ磐田 | 75,480 |
12 | サンフレッチェ広島 | 70,990 |
13 | 柏レイソル | 68,730 |
14 | コンサドーレ札幌 | 65,130 |
15 | サガン鳥栖 | 59,980 |
16 | 湘南ベルマーレ | 38,780 |
17 | ベガルタ仙台 | 32,120 |
18 | V・ファーレン長崎 | 29,720 |
■ 長崎の全選手の11.37倍エル・ゴラッソの2018年の選手名鑑から今シーズンのJ1の18クラブの総年俸を計算すると表1のようになる。6億円というFWポドルスキの存在は大きくて神戸が17億2,560万円で最高年俸となる。2位の鹿島が12億7,560万円、3位のC大阪が12億7,080万円、4位の浦和が11億6,360万円だったので神戸が頭1つ抜けていたがMFイニエスタの33億8,000万円を加えると51億0,560万円という信じがたい総年俸になる。
2002年以降のJ1の各クラブの総年俸を調べてみたが今年の神戸の17億2,560万円が期間中では最高だった。(黄金期のV川崎の総年俸はこの数字を上回っている可能性がある。)MFイニエスタを含めなくてもとんでもない額だったが33億8,000万円を含めると1チームだけ飛び抜けた数字になる。浦和・川崎F・FC東京の3チームの2018年の総年俸を足すと32億6,040万円なのでMFイニエスタ1人と同じくらいである。
また、J1で最少だった長崎は2億9,720万円だった。なので、MFイニエスタの年俸は「長崎の全選手の11.37倍」に相当する。また、総年俸の下位7チーム(広島・柏・札幌・鳥栖・湘南・仙台・長崎)の合計は36億5,450万円なので下位7チームの総年俸を合計してようやくMFイニエスタを上回る数字になる。33億8,000万円という年俸をどう表現したらいいのか?の答えはなかなか見つからない。異常な金額である。
表2. 平均年俸のランキング (J1+NPB)
順位 | チーム名 | 所属 | 選手平均(万円) |
| ヴィッセル神戸+イニエスタ | J1 | 16,050 |
1 | ソフトバンク | NPB | 7,013 |
2 | 巨人 | NPB | 6,043 |
3 | ヴィッセル神戸 | J1 | 5,752 |
4 | 浦和レッズ | J1 | 4,475 |
5 | 鹿島アントラーズ | J1 | 4,252 |
6 | 阪神 | NPB | 4,162 |
7 | 名古屋グランパス | J1 | 3,884 |
NPB平均 | 3,826 |
8 | ヤクルト | NPB | 3,737 |
9 | 川崎フロンターレ | J1 | 3,555 |
10 | 日本ハム | NPB | 3,488 |
11 | ロッテ | NPB | 3,446 |
12 | オリックス | NPB | 3,336 |
13 | 西武 | NPB | 3,283 |
14 | 楽天 | NPB | 3,196 |
15 | セレッソ大阪 | J1 | 3,026 |
16 | 中日 | NPB | 2,926 |
17 | FC東京 | J1 | 2,842 |
18 | 広島 | NPB | 2,767 |
J1平均 | 2,760 |
19 | 横浜Fマリノス | J1 | 2,682 |
20 | DeNA | NPB | 2,600 |
21 | ガンバ大阪 | J1 | 2,553 |
22 | サンフレッチェ広島 | J1 | 2,535 |
23 | ジュビロ磐田 | J1 | 2,359 |
24 | 柏レイソル | J1 | 2,291 |
25 | サガン鳥栖 | J1 | 2,221 |
26 | 清水エスパルス | J1 | 2,199 |
27 | コンサドーレ札幌 | J1 | 2,171 |
28 | ベガルタ仙台 | J1 | 1,235 |
29 | 湘南ベルマーレ | J1 | 1,212 |
30 | V・ファーレン長崎 | J1 | 901 |
■ J1の全選手の総年俸の約18.4%2018年のJ1の18クラブの総年俸は154億5,710万円だった。これは2002年以降では最高額となる。クラブ数が18に増加した2005年に初めて総年俸が100億円を超えてからはずっと停滞していた。2016年は112億4,230万円だったが、2017年に130億0,740万円になって、2018年は154億5,710万円になった。ここに来て一気に総年俸が増えているがMFイニエスタの分をプラスすると188億3,710万円になる。
ここ最近の流れを加味すると「2019年に200億円を突破するのは確実」と言えるほどの急激な伸びを見せているが単純に計算するとMFイニエスタ1人でJ1の全選手の総年俸の約18.4%を受け取っている計算になる。「本当にそれだけの価値がある選手なのか?」と疑問視する人は少なくないと思うがネームバリューや実力や実績や人気を考えると33億8,000万円というのはクレージーな年俸とは言えないように思う。
MFイニエスタを加えた場合の2018年の神戸の平均年俸は1億6,470万円になるが当然のことながらJ1の18クラブの中で断トツの数字になる。プロ野球の12球団の中で2017年の平均年俸が1番高かったのはソフトバンクホークスで7,013万円だった。2位は読売ジャイアンツで6,043万だったが、両雄も比較にならないレベルである。プロ野球の12球団を含めても神戸の平均年俸はぶっちぎりの1位になる。
また、J1の全選手の平均年俸も2018年は2,760万円で過去最高だったがここにMFイニエスタの年俸を加えると3,358万円まで膨れ上がる。1人だけで平均年俸を約600万円ほどアップさせる計算になる。プロ野球の12球団の平均年俸は3,826万円だったのでその差は468万まで接近する。2002年はプロ野球が3,455万円、J1の選手が1,751万円だったので約半分。大きな差があったがここ数年で一気に差が縮まった。
もちろん、MFイニエスタ、FWポドルスキ、FWジョーといった一部の大物選手がJ1全体の平均年俸を大きく引き上げているのは確かなことであるが一部の選手が平均値を大きく引き上げているのはプロ野球も同じである。「プロ野球選手と比べるとJリーガーの給料は安い。」というのは半ば常識になっていたが、プロ野球の平均年俸はここ15年ほどは横ばいでほとんど変わらない。近い将来、逆転する可能性が出てきた。
表3. 平均年俸の比較 (J1とNPB)
年度 | 差 | 差 (万円) | NPB(万円) | J1(万円) |
2002年 | 197.3% | 1,704 | 3,455 | 1,751 |
2003年 | 187.7% | 1,641 | 3,512 | 1,871 |
2004年 | 196.1% | 1,864 | 3,805 | 1,941 |
2005年 | 190.7% | 1,780 | 3,743 | 1,963 |
2006年 | 199.1% | 1,867 | 3,751 | 1,884 |
2007年 | 193.9% | 1,721 | 3,553 | 1,832 |
2008年 | 195.6% | 1,774 | 3,631 | 1,857 |
2009年 | 181.7% | 1,705 | 3,793 | 2,088 |
2010年 | 181.1% | 1,716 | 3,830 | 2,114 |
2011年 | 197.2% | 1,937 | 3,931 | 1,994 |
2012年 | 186.0% | 1,764 | 3,816 | 2,052 |
2013年 | 192.8% | 1,797 | 3,733 | 1,936 |
2014年 | 165.3% | 1,453 | 3,678 | 2,225 |
2015年 | 189.2% | 1,797 | 3,811 | 2,014 |
2016年 | 179.0% | 1,638 | 3,712 | 2,074 |
2017年 | 162.1% | 1,465 | 3,826 | 2,361 |
2018年 | 138.6%(仮) | 1,066(仮) | 3,826(仮) | 2,760 |
2018年+イニエスタ | 113.9%(仮) | 468(仮) | 3,827(仮) | 3358(仮) |
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