■ 「良さを出せた選手」と「出せなかった選手」トゥーロン国際大会に参加した森保JAPANは1勝1敗1分け。C組の3位となって決勝トーナメント進出を逃した。2勝1敗のトルコがベスト4入りを果たしたが、やはり、初戦のトルコ戦で逆転負けを喫したのが響いた。「各組の首位チーム+2位になった3チームの中で成績が最も良かった1チームが決勝Tに進出できる。」というレギュレーションなので初戦を落とすとGLを突破するのは相当に難しくなる。
首位通過であれば準決勝でメキシコと対戦することが出来た。貴重な経験の場を逃してしまったがGLの3試合で自分の良さを出せた選手は少なくない。大学生のFW上田とMF三笘の2人が目立ったがMF松本泰、MF森島司、DF椎橋、DF橋岡など森保JAPANでの実績が無かった or ほとんど無かった選手の頑張りはポジティブな話と言える。メンバー争いは熾烈を極めるが彼らは代表候補に名乗りを上げた。
一方で力を出し切れていない選手も何人かいる。初戦でスタメン出場したMF井上潮、2戦目でスタメン出場したMF菅大輝は良さを出せずに途中交代となった。特にMF菅は前半のみの出場に終わった。スペシャルな選手は別として大半の選手は微妙な立ち位置である。与えられた数少ないチャンスをしっかりと生かさないと次の機会に呼ばれなくなることは十分に考えられる。選手にとっては相当にシビアな環境である。
■ 結果を残した同ポジションのライバル約1年前に行われたU-20W杯の本大会のGLの2戦目のウルグアイ戦で大ケガをして長期離脱したFW小川航もトゥーロン国際では良さを出し切れていない。森保JAPANになってからは初招集。GLの初戦のトルコ戦はスタメン出場したがゴールは奪えず。2戦目のポルトガル戦は出場機会なし。3戦目のカナダ戦はスタメンで起用されたが前半のみで交代。見せ場となるようなシーンは1つもなかった。不完全燃焼に終わった。
磐田に所属するFW小川航は内山JAPANのときは絶対的なエースとして初のアジア制覇に大きく貢献したが長期離脱した期間に新しいフォワードが台頭してきた。今大会で大きなインパクトを残したFW上田は昨年の12月に行われたM-150カップのときも大きな存在感を発揮した。FW小松蓮(松本山雅)も同様。高校時代は代表に呼ばれる選手ではなかったが産業能率大に進学した後に急成長を見せて評価を高めた。
下の世代になるがFW田川もいる。J1の鳥栖で結構な出場機会を得ている。下位に低迷する鳥栖で十分な活躍が出来ているとは言えないがトゥーロン国際ではGLの2戦目のポルトガル戦で同点ゴールをゲット。結果を残した。森保JAPANにおいてFW上田、FW小松蓮、FW田川の評価は高まっており、FW小川航と言えども決して立場は安泰ではない。結果を残したい大会だったがここまでは思うような結果は出ていない。
■ 磐田でも出場機会に恵まれていない。18才や19才の時点で世代のトップを走っていた選手が「ケガ」や「出場機会に恵まれない。」という理由で伸び悩むケースはたくさんある。FW小川航に関しても「伸び悩み」を指摘せざる得ない状況になっている。磐田で十分な出場機会が得られておらず、順調に成長しているとは言い難い。もちろん、ケガの影響は大きかったが、高卒3年目である。安定して出場機会を得なければいけない時期である。
今シーズンの磐田は「3-4-2-1」を採用している。1トップ+2シャドーが基本になる。日本代表クラスの実力を持つFW川又がいるのでFW小川航が1トップの定位置を確保するのは相当に難しい。MF中村俊やMFアダイウトンが離脱したこともあって「2トップ+トップ下」を採用して「FW川又とFW小川航の2トップ」を試した試合もあったがあまり機能せず。レギュラー奪取のための大きなチャンスを生かせなかった。
FW小川航は典型的なストライカーである。シャドーやサイドハーフやトップ下で生きるタイプとは言えない。もちろん、CFとして素晴らしい素質を持っている選手なので「器用にまとまる必要」は全くない。シャドーやサイドハーフやトップ下で生きなくても「CFとしてしっかり成長してくれたらオールOK」と言えるがいろいろなポジションでプレーできる選手と比べると出場のためのチャンスは少なくなってしまう。
■ ジュビロ磐田にとっても貴重な戦力今の森保JAPANの選手のように「20才前後の時期」というのは試合に出られなくても成長することは可能である。プロの世界に飛び込んできて適切なトレーニングを行っただけ能力がアップする選手も少なくないが、やはり、「そこそこの成長」である。試合に出続けないと飛躍的な成長は望めない。当然、フル代表や五輪代表の中心になるようなレベルの選手になろうとするならば「そこそこの成長」ではダメである。
今大会は自身が活躍できなくて、かつ、同ポジションのライバルが結果を残した。相当に強い危機感を抱いていると思う。磐田でCFとして出場できないのであれば期限付き移籍も考えなければいけなくなるが、磐田にとってFW小川航は重要な戦力である。2トップの一角でもプレーできるMFアダイウトンが長期離脱中。FW小川航はCFでプレーできる数少ない選手なので他クラブに貸し出すほどの余裕はない。
「出場機会には恵まれていないがチームにとって貴重な戦力の1人なので他クラブに貸し出す余裕はない。」という状況は有望な若手が伸び悩みやすい典型的なシチュエーションである。磐田のフロントはしっかりとしたビジョンを持っているので「FW小川航の育て方」についてもきちんとした考えを持っていると思うが現状は宜しくない。東京五輪まであと2年。順調に成長することを望みたいが・・・。
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