■ 3勝6敗1分けで19位と低迷2017年の昇格プレーオフの準決勝で名古屋に2対4で敗れて2009年以来のJ1復帰を逃したジェフ千葉だったがレギュラーシーズンは7連勝でフィニッシュした。2017年の終盤戦はエスナイデル監督のサッカーが浸透して相手を圧倒する試合が多かった。攻守に充実したサッカーを見せたので今シーズンの開幕前は「優勝候補の一角」と評されていたが10節終了時点で3勝6敗1分けで勝ち点「10」。19位と苦しんでいる。
10試合で17得点を奪っているがJ2で3番目となる。攻撃陣はまずまずのペースでゴールを奪っているが10試合で22失点というのはJ2最多。2番目に失点が多い栃木SCでも17失点なので1チームだけ飛び抜けて多い失点数になる。ハイライン&ハイプレスのサッカーを志向しているがインターセプトが0.78回でJ2最少。2017年は1.76回でJ2で19位。もともとインターセプトの多いチームではないがちょっと少なすぎる。
ボール支配率は2位、パス数は3位、ドリブル数は2位、クロス数は1位なのでJ2屈指の攻撃力を持っているのは明らかである。問題視されるべきは守備面になる。被シュート数は13.33本でJ2で17位、相手チームの枠内シュート数も4.44本で18位。相手チームの30mライン進入回数は30.22回でJ2で3番目に少ないので攻め込まれる回数は非常に少ないが攻め込まれたときは高確率でピンチにつながってしまう。
■ 失点数がJ2最多10試合で22失点というのはいくら何でも多すぎる。J2で最少失点の岡山と東京Vはわずか3失点である。攻守のバランスが崩れているがさらに問題なのはアウェイ戦の成績である。ここまで5戦全敗。5試合で4得点/16失点となる。ホーム戦は5試合で3勝1敗1分け。13得点/6失点とまずまずの成績を残しているがアウェイでは勝ち点「0」。19位という順位になるのも当然である。アウェイ未勝利は栃木SCと千葉のみ。
表1は千葉のホーム戦とアウェイ戦のスタッツを比較したものになる。2節の水戸戦、3節のFC岐阜戦、5節の讃岐戦、6節の京都戦、9節の町田戦がホームゲームで、1節の東京V戦、 4節の徳島戦、7節の大分戦、8節の金沢戦、10節の福岡戦がアウェイゲームになるので「ホーム戦はどちらかというと下位候補との試合が多くて、アウェイ戦はどちらかというと上位候補との試合が多かった。」というのは確かである。
「アウェイ戦は難敵との試合が多かった。」というのはアウェイで結果が出ていない理由の1つに挙げられるがそれでもここまでの差が付くのは異常である。各種スタッツを見るとホームとアウェイで大差があるのはシュートに関する項目になる。ホーム戦では17.00本のシュートを放っているがアウェイ戦では8.00本のみ。シュート本数は半分以下になる。枠内シュート数もホーム戦が6.00本、アウェイ戦が1.60本となる。
■ ホーム戦とアウェイ戦の成績比較枠内シュート率もホーム戦が35.3%、アウェイ戦が20.0%なので差は大きい。その一方でパス数やボール支配率には大きな差はない。パス数に至ってはホーム戦が509.60本、アウェイ戦が559.40本。アウェイ戦の方が多くなっている。また、ドリブル数とクロス数はアウェイ戦の方が少なくなるが微減である。30mライン進入回数もホーム戦が39.60回、アウェイ戦が36.00回なので同じように微減と言える。
大きな差があるのはペナルティエリア進入回数になる。ホーム戦は18.40回で、アウェイ戦は9.00回。半減している。逆に相手チームのペナルティエリア進入回数はホーム戦が9.60回で、アウェイ戦が17.40回。結局、アウェイ戦でもボールを保持することは出来ているがシュートまでなかなか持ち込めておらず。また、エリア内に侵入することも出来ておらず、逆に相手には簡単にエリア内への侵入を許している。
昨シーズンもホーム戦は13勝2敗6分け。圧倒的な強さを見せたがアウェイ戦は7勝12敗2分け。大きく負け越した。ホーム戦は21試合で47得点/23失点だったがアウェイ戦は21試合で23得点/35失点。明確な差がある。フクダ電子アリーナでの試合はサポーターの応援が物凄いので千葉の選手が普段以上の力を発揮できても何ら不思議はないがアウェイ戦になると別人のようになる理由を見つけるのは簡単なことではない。
表1. ジェフ千葉のホーム戦とアウェイ戦の成績比較
自チーム | 項目 | 相手チーム |
ホーム | アウェイ | ホーム | アウェイ |
17.00 | 8.00 | シュート | 10.80 | 16.20 |
6.00 | 1.60 | 枠内シュート | 3.20 | 5.80 |
35.3% | 20.0% | 枠内シュート率 | 29.6% | 35.8% |
509.60 | 559.40 | パス | 291.80 | 348.80 |
20.80 | 17.80 | クロス | 12.00 | 13.00 |
14.00 | 12.20 | 直接FK | 14.40 | 12.40 |
4.20 | 5.40 | 間接FK | 3.20 | 1.60 |
7.20 | 4.60 | CK | 2.80 | 5.00 |
28.60 | 28.80 | スローイン | 27.00 | 28.40 |
17.20 | 14.20 | ドリブル | 10.80 | 13.20 |
26.00 | 22.60 | タックル | 24.00 | 22.20 |
23.20 | 22.60 | クリア | 33.20 | 24.60 |
0.80 | 0.80 | インターセプト | 2.20 | 3.40 |
3.00 | 1.60 | オフサイド | 4.20 | 5.40 |
1.40 | 1.20 | 警告 | 0.80 | 0.40 |
0.00 | 0.40 | 退場 | 0.00 | 0.00 |
39.60 | 36.00 | 30mライン進入 | 27.00 | 31.80 |
18.40 | 9.00 | ペナルティエリア進入 | 9.60 | 17.40 |
60.2% | 59.3% | ボール支配率 | 39.8% | 40.7% |
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