■ 昇格3年目となるレノファ山口レノファ山口は昇格初年度の2016年にJ2で12位。攻撃的なサッカーを繰り広げて旋風を巻き起こした。MF庄司、MF福満、MF島屋、DF小池龍などが躍動したがオフに主力選手が大量に流出した。その影響もあって2017年はJ2で20位。残留圏ギリギリだった。迎えた昇格3年目の2018年は霜田監督を招聘。巻き返しを図ったが10節を終えた時点で6勝2敗2分けで勝ち点「20」。3位と絶好の位置に付けている。
開幕前の評価はあまり高くなかったことを考えるとサプライズチームの1つに挙げられるが10試合で19得点/14失点。得点数がJ2最多となる。上野監督時代に攻撃的なサッカーで旋風を巻き起こしたチームなので「山口=攻撃的なチーム」というイメージは強いが今シーズンはエキサイティングなサッカーを繰り広げている。まだシーズンは1/4程度しか消化していないがJ1昇格を狙える位置に付けている。
申し分ないスタートを切ったが11節が新潟戦(H)、12節が甲府戦(A)、13節が京都戦(A)。J1経験が豊富で、かつ、出遅れたチームとの対戦が続いていく。GWの3連戦になるが山口にとっては踏ん張りどころである。14節は東京V戦(H)、15節は大分戦(A)なので、GWの3連戦の後は上位直接対決になる。ここからの5試合は山口にとって大事である。上位争いに踏み止まるためには2勝1敗2分け以上で乗り切りたい。
■ 目立つのはシュート精度の高さJ2最多の得点数を記録しているので攻撃に特徴を持ったチームであることは間違いないが10節終了時点での各種スタッツを見るとシュート数は13.00本。J2で10位なので決して多くはない。その一方で枠内シュート数は5.22本でJ2で2位。枠内シュート率は40.2%でJ2で2位。J2平均は31.1%なので大幅に上回っている。シュート精度の高さが今シーズンの山口の大きな特徴であり、躍進の理由の1つに挙げられる。
FWオナイウ阿道が6ゴール、FW小野瀬が5ゴール、FW高木大が4ゴール。3トップだけで計15ゴールを記録している。強力な3トップが攻撃陣をけん引しているがチャンスシーンを確実に仕留める決定力の高さが目立っている。30mライン進入回数は35.00回でJ2で12位となるが、ペナルティエリア進入回数は15.44回でJ2で2位。チャンスシーンの時は多くの選手がエリア内に進入する。厚みのある攻撃が特徴である。
右ウイングでプレーするFW小野瀬が攻撃の中心になっているが彼がアタッキングサードで違いを生み出している。また、空中戦に強いFWオナイウ阿道が加入したこともあってクロス数がJ2で3位。2017年は11.90本でJ2で21位だったが、今シーズンは17.67本とクロス数が激増している。身体的な能力が非常に高くて前線でターゲット役になれるFWオナイウ阿道を獲得できたのは山口にとって非常に大きかった。
表1. レノファ山口の各種スタッツ (10節終了時点)
項目 | 自チーム | 相手チーム |
シュート | 13.00 | 12.67 |
10 | 12 |
枠内シュート | 5.22 | 4.00 |
2 | 14 |
パス | 454.00 | 404.67 |
10 | 6 |
クロス | 17.67 | 11.17 |
3 | 2 |
直接FK | 12.89 | 16.00 |
11 | 20 |
間接FK | 2.89 | 1.33 |
6 | 2 |
CK | 4.89 | 4.17 |
9 | 5 |
スローイン | 32.33 | 29.00 |
3 | 16 |
ドリブル | 13.22 | 15.33 |
8 | 21 |
タックル | 29.89 | 25.33 |
1 | 7 |
クリア | 27.33 | 30.33 |
9 | 3 |
インターセプト | 2.67 | 3.83 |
10 | 1 |
オフサイド | 2.22 | 3.33 |
13 | 3 |
30mライン進入 | 35.00 | 38.83 |
12 | 15 |
ペナルティエリア進入 | 15.44 | 14.83 |
2 | 19 |
ペナエ侵入率 | 44.1% | 38.2% |
4 | 14 |
枠内シュート率 | 40.2% | 31.6% |
2 | 13 |
■ 激しい守備がもう1つの特徴パス数は454.00本でJ2で10位。22クラブの中で真ん中付近になるがボール支配率は53.1%でJ2で4位。相手チームのパス数が404.67本で少ない方から数えて6番目。激しいプレスは今シーズンの山口のもう1つの特徴になっている。タックル数が29.89回でJ2最多。インターセプト数は2.67回でJ2で10位なので同様に真ん中付近になるがFWオナイウ阿道、FW小野瀬、FW高木大の3人は前線からの守備でも貢献している。
開幕前に不安視されていた守備陣は10試合で14失点。失点数は決して少なくはないが及第点と言える。DF渡辺広を中心に最終ラインも奮闘しているが相手チームの30mライン進入回数は38.83回でJ2で15位、ペナルティエリア進入回数も14.83回でJ2で19位。攻め込まれるシーンは多いが体を張った守備でピンチを防いでいる。新加入ながら正キーパーとして起用されているGK藤嶋の活躍も目立っている。
ポジティブなスタッツを挙げると「相手チームのクロス数が11.17本でJ2で2番目に少ない点」が挙げられる。空中戦に強い選手は多くないチームなので簡単にクロスを上げられると苦しくなる。良い守備が出来ていると考えられる。その一方で「相手チームのドリブル数が15.33回でJ2で2番目に多くなる点」は改善ポイントと言える。プレスが山口の特徴といえるがドリブルでかわされてピンチを招く場面は少なくない。
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