■ 4節から6連敗中とトンネルの出口が見つからない。2017年の昇格プレーオフを制して至上命題だった「1年でのJ1復帰」を決めた名古屋は開幕2連勝。2年ぶりのJ1で最高スタートを切った。3節の湘南戦(A)もドローで開幕から3試合負けなし。3試合で勝ち点「7」を獲得したが4節の川崎F戦(A)で初黒星を喫すると以降は6連敗。2勝6敗1分けで勝ち点「7」と低迷している。同期昇格の長崎ならびに湘南よりも下の順位に位置しており、残留争いに巻き込まれている。
5連敗で迎えた8節の神戸戦(A)は4試合ぶりにMFガブリエル・シャビエルが復帰してきた。開幕5試合で4ゴールを挙げたMFガブリエル・シャビエルの復帰で流れを変えたかったがMFポドルスキに2ゴールを許して0対3の完敗を喫した。9試合で8得点/17失点。不安視されていた守備陣は失点が多くなっており、攻撃陣も1試合の平均得点が0点台。力を出し切れていない。連敗が止まらずに非常事態に突入している。
J1は過密日程になるので連戦になるが4月25日(水)に行われる10節はホームの清水戦で、4月28日(土)に行われる11節はアウェイのFC東京戦で、5月2日(水)に行われる12節はホームのC大阪戦で、5月5日(土)に行われる13節はホームの横浜FM戦になる。ここからの4試合のうち、3試合がホーム戦になるのは助かる話であるが、早く連敗を止めたいところである。6連敗となるとチームの雰囲気は自然と悪くなる。
■ 注目のFWジョーは9試合で3ゴールJ2時代の風間監督はメンバーを入れ替えて戦う傾向にあったが今シーズンはどちらかというとメンバーを固定して戦っている。GKランゲラク、DF宮原、DF菅原、DF秋山陽、MF小林裕、MF和泉、MF長谷川アーリアジャスール、MFガブリエル・シャビエル、FWジョー、MF青木亮の10人はほぼ固定。CBは当初はDFウィリアン・ホーシャが起用されていたがケガで離脱。ここ最近はDF櫛引がスタメンで起用されている。
FW玉田、FW佐藤寿、MF深堀、MFワシントンなどが控えの立ち位置になるが、先のとおり、9試合で8得点/17失点と結果が出ていない。個々の選手のパフォーマンスは極端に悪いわけではないが守備に回ったときに「個の力」で打開されてそのまま失点につながるケースが多い。頼みのGKランゲラクは可もなく不可もなく。取り立てて大きなミスはないがビッグセーブを連発してチームを救っているというわけでもない。
大きな注目を集めて加入したFWジョーは9試合で3ゴールを挙げている。開幕のG大阪戦(A)で1ゴール1アシスト。鮮烈なJリーグデビューを飾ったが以降は8試合で2ゴールのみ。7節の仙台戦(H)で2ゴールを挙げているがそれ以外の試合では不発に終わっている。このペースでいくと年間で10ゴール程度。決して悪い成績ではないが3億5,000万円とも言われる高額年俸に見合った活躍は全く出来ていない。
■ 問題点はどこにあるのか?表1は8節終了時点の名古屋の各種のスタッツとリーグ内順位を示している。自チームのパス数は624.00本でJ1で3位。ボール支配率も53.9%でJ1で4位なので持ち味の1つであるボールを回すことは出来ているがシュート数が10.38本でJ1で16位。非常に少ない。枠内シュート率は38.6%でJ1で3位なのでシュート精度に関してはJ1で上位に位置するが、やはり、シュートチャンス自体が非常に少なくなっている。
気になるのはクロス数になる。10.88本というのはJ1最少になる。もちろん、サイドにボールを運んだあともシンプルにはクロスを入れないのが風間サッカーの特徴である。もう一工夫をして相手の守備陣を崩し切ろうとするチームではあるが、やはり、最前線には192センチのFWジョーが待っている。五分五分以上の確率で競り勝つことが出来る選手なのでもっとFWジョーの高さを有効に活用したいところである。
相手チームのスタッツに注目するとシュート数が14.00本で15位。「名古屋の被シュート数が非常に多いこと」を意味する。ボールを繋ごうとするチームなので仕方がないところもあるが相手チームのインターセプト数が2.88本で16位。同様に「途中でインターセプトされる回数が非常に多いこと」を意味する。カウンターの機会を許してDF菅原とDF櫛引の2人で対応せざる得ない場面は出来る限りる作りたくない。
表1. 8節終了時点での各種スタッツ
クラブ名 | 自チーム | 相手チーム |
数値 | 順位 | 数値 | 順位 |
シュート | 10.38 | 16 | 14.00 | 15 |
枠内シュート | 4.00 | 10 | 4.38 | 13 |
枠内シュート率 | 38.6% | 3 | 31.3% | 8 |
パス | 624.00 | 3 | 438.38 | 4 |
クロス | 10.88 | 18 | 15.25 | 7 |
直接FK | 15.75 | 4 | 11.13 | 17 |
間接FK | 5.75 | 1 | 1.38 | 17 |
CK | 4.38 | 13 | 4.50 | 7 |
スローイン | 19.00 | 18 | 20.38 | 16 |
ドリブル | 13.25 | 10 | 13.88 | 9 |
タックル | 17.88 | 18 | 29.38 | 1 |
クリア | 18.00 | 18 | 23.38 | 10 |
インターセプト | 2.25 | 9 | 2.88 | 16 |
オフサイド | 1.38 | 17 | 5.75 | 1 |
30mライン進入 | 43.25 | 7 | 42.00 | 11 |
ペナルティエリア進入 | 11.75 | 14 | 16.25 | 16 |
(%) | 27.2% | 17 | 38.7% | 17 |
スプリント | 172.25 | 8 | 174.25 | 13 |
攻撃回数 | 130.38 | 6 | 126.75 | 5 |
チャンス構築率 | 8.0% | 16 | 11.09% | 16 |
ボール支配率 | 53.9% | 4 | 46.1% | 4 |
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