■ J3の第3節J3の第3節。どちらも開幕2連勝と好スタートを切ったFC琉球とガイナーレ鳥取が沖縄県総合運動公園陸上競技場で対戦した。2017年に初めて「J2ライセンス」を取得したFC琉球はオフに主力が大量流出する苦しい状況に陥ったがFW中川風、MF上門、MF小松駿、DF徳元など若手が奮闘している。一方の鳥取は最下位からの巻き返しを図るシーズンになるがここまで2連勝。サプライズを起こしている。
ホームのFC琉球は「4-2-3-1」。GK朴一圭。DF西岡大、増谷、瀧澤、徳元。MF知念、小松憲、上門、枝本、富樫。FW中川風。2節の北九州戦(A)は欠場した新加入のMF枝本がスタメンに復帰してきた。トップ下で起用された。元日本代表FW播戸は3試合連続でベンチスタートになった。2節の北九州戦(A)では途中出場で決勝ゴールを奪った。大宮時代の2015年以来のJリーグでのゴールとなった。
対するアウェイの鳥取は「4-2-2-2」。GK北野。DF上松、甲斐、内山裕、奥田。MF星野、可児、ヴィートル・ガブリエル、小林智。FWレオナルド、加藤潤。38才の大ベテランのMFフェルナンジーニョは遠征に帯同せず。大卒ルーキーのMF小林智が左SHでスタメン出場を果たした。注目の新戦力のFWレオナルドは開幕から2試合連続ゴールと結果を残している。新たに10番を背負うFW加藤潤と2トップを形成する。
■ 連勝同士の対戦はドロー試合はFC琉球がボールを保持して鳥取がカウンターからチャンスを作る展開になる。FC琉球がボールを支配する時間が長かったが際どいシーンを作ることができたのは鳥取だった。FWレオナルドやFW加藤潤といった「個の力」を持った選手を生かしたシンプルな攻撃で前半にFWレオナルドは3度惜しいシーンを作った。アウェイの鳥取の方がやりたいサッカーを実現できたがゴールは生まれず。0対0で折り返した。
0対0で迎えた後半12分にゴールキックからMF上門のパスを受けたFW中川風がドリブルで持ち運んでから左足でミドルシュートを決めてホームのFC琉球が先制に成功する。FW中川風は今シーズン2ゴール目となった。先制された鳥取だったが後半31分にボランチのMF可児のCKからFWレオナルドが合わせて1対1の同点に追いついた。新戦力で20才のブラジル人のFWレオナルドは開幕から3戦連発となった。
追いつかれたFC琉球だったが後半35分に左SBのDF徳元のクロスから途中出場のFW播戸が頭で合わせてFC琉球が2対1と勝ち越しに成功する。FW播戸は2試合連続ゴールとなった。粘る鳥取は後半47分に途中出場したMF山本蓮の折り返しをFW加藤潤が合わせて2対2の同点に追いついた。試合はこのまま2対2のスコアで終了。痛み分けのドローに終わった。どちらも2勝1分け。負けなしはキープした。
■ 元日本代表のFW播戸は2試合連続ゴールFC琉球は目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃した。後半47分の失点シーンはFWレオナルドに対応したDF西岡大がファールを受けたかに思えたが笛はならず。ファールなのか?否か?はかなり微妙なシーンだった。ファールを誘おうとするのもプロのプレーではあるが簡単に倒れ過ぎた感じもある。途中出場したFW播戸が勝ち越しゴールを決めていい形で3連勝できそうな流れだったので悔やまれる失点になった。
3連勝は逃したが2勝1分け。好スタートを切った。先のとおり、主力が大量に流出したので戦力ダウンしたことを否定するのは難しい状況だったが若手の頑張りが目立つ。1トップの位置で起用されているFW中川風は3試合で2ゴール2アシスト。アタッカー系の選手なのでゼロトップのようにも見えるが最前線で躍動している。大卒ルーキーで左SBのDF徳元も3試合で1ゴール1アシスト。大きな存在感を発揮している。
大半の選手が若手なので波に乗ったら手ごわいチームであるが「チームの中で貴重なベテラン」と言えるFW播戸は2試合連続ゴール。期待通りの活躍を見せている。ゴールシーンはゴール前でドフリーになっていたがポジショニングの良さが生んだFW播戸らしいゴールだった。交代要員として登場しただけでも大歓声が沸くほど期待度は高いがスタジアムの雰囲気をガラッと変えられるだけのパワーを持っている。
■ 最下位からの巻き返しを図るガイナーレ鳥取鳥取は1年ぶりに復帰してきた38才のMFフェルナンジーニョが遠征に帯同せず。大卒ルーキーのMF小林智をスタメンで起用してきたがFWレオナルドとFW加藤潤の2トップがそろい踏み。FWレオナルドは3試合で3ゴール2アシスト、FW加藤潤も3試合で2ゴール。32試合でわずか31得点に終わった2017年が嘘のように感じるほど安定して点が取れている。鳥取も同じく2勝1分けとなったが申し分ないスタートといえる。
守備陣も3試合で3失点のみ。32試合で63失点だった2017年とは雲泥の差であるが22才のDF内山裕と23才のDF甲斐という若いCBコンビの頑張りが目立っている。ベテランで経験豊富なGK北野が最後尾にどっしりと構えてチームを落ち着かせているのも大きい。当然、ブラジル人トリオなど「個の力」を持った選手が加入した関係で必要以上に攻撃に人数をかけなくてチャンスを作れるようになった点も大きい。
加入2年目ながらチームの顔になったFW加藤潤は後半47分に起死回生の同点ゴールを決めてチームに勝ち点「1」をもたらした。相方のFWレオナルドの方が目立ったが勝負所で仕事ができるのはさすがと言える。2017年は大卒1年目ながら32試合で11ゴール。最下位と低迷した鳥取の中で孤軍奮闘したが今シーズンはサポーティングキャストにも恵まれている。さらなる飛躍が期待される大事なシーズンになる。
チームメイトだったMF河合秀はオフに長野に移籍したがJ3で下位に沈んだチームで活躍した選手はすぐに他クラブに目を付けられて引き抜かれてしまう。鳥取は「J3の上位クラスのチームの引き抜きに怯えなければいけない立場」になっているがFW加藤潤が引き続いて鳥取でプレーすることになったのはかなりの驚きだった。チームへの思い入れは相当に強いと思うので2年目の爆発に期待したいところである。
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