■ 未勝利のチームは6つJ2の3節を終えた時点で未勝利のチームが6つあるが松本山雅・甲府・京都が0勝1敗2分けで、千葉が0勝2敗1分けで、愛媛FCと栃木SCは開幕3連敗。松本山雅・甲府・千葉の3チームは前評判が高かったチームで、京都はJ1経験の豊富なチームである。愛媛FCと栃木SCに関しては降格候補に挙げる人が多かったが「意外なチームが未勝利で苦しんでいる。」というのがここまでのJ2の最大のトピックスと言える。
17位の松本山雅は開幕から2引き分けの後、3節の東京V戦(A)は逆転負け。出遅れてしまったが開幕から3試合連続でアウェイ戦だった。3月17日(土)に行われる4節の岡山戦(H)がようやくのホーム開幕戦となる。ここから巻き返したいところである。攻撃的なポジションを中心に即戦力クラスの選手を大量補強したのでチームが出来上がるまでに時間がかかるのは仕方がないが3試合で2得点/3失点と結果が出ていない。
出番に恵まれていない実力がたくさん控えている。メンバー変更があってもいいタイミングになっているがMF前田直はドリブルCBP/90分が6位、MF石原崇はクロスCBP/90分が10位。「個の力」を持った選手は多いので噛み合ってくるとJ2では上位クラスの攻撃陣になるだろう。ここまでの3試合はセットプレーが不発。セットプレーから得点が生まれていない。MF岩上というキッカー&ロングスローワーを使う手もある。
■ 出遅れたジェフ千葉甲府は0勝1敗2分け。こちらもやや出遅れた。3試合で1得点/2失点。守備型のチームから攻撃型のチームに生まれ変わりつつあるが結果には結びついていない。FWリンスのPKによる1ゴールのみ。2試合連続でスコアレスドロー中とフラストレーションの溜まる展開になっている。攻撃の中心になることが期待されるMF小塚とMF堀米勇はいずれもラストパスが1本のみ。あまりチャンスシーンに絡めていない。
京都も0勝1敗2分けとなるが開幕戦で町田にホームで敗れた後、2節は福岡、3節は新潟を相手にドロー。難敵とのアウェイ2連戦で勝ち点「2」を獲得できたのは評価できる。3試合で3得点/5失点となるがシュート数が3試合でわずか16本。J2最少となる。一方でCK獲得本数は18回でJ2で4位。セットプレーのチャンスは少なくない。DF闘莉王とFWレンゾ・ロペスがいるのでセットプレーはゴールにつながりやすい。
千葉は0勝2敗1分けで20位。昇格候補に挙げられていたので千葉の出遅れはサプライズと言える。2節の水戸戦(H)はスコアレスドロー、3節のFC岐阜戦(H)は2対3の逆転負け。ホーム2連戦で勝ち点「1」にとどまったのは痛恨だったがどちらの試合も前半は千葉が猛攻を仕掛けて圧倒的に押し込む展開になった。FC岐阜戦(H)ではMF茶島のゴールで先制に成功したが早い時間帯に2点目を奪うことは出来なかった。
2節ならびに3節の試合を観る限り、力があるのは明らかである。チャンスシーンでゴールを奪えていないことが大きな問題点になるがチーム状態はそこまで悪くない。インサイドハーフで起用されているMF矢田はラストパスの本数が11本。これはMF中里(横浜FC)と並んでJ2最多タイとなる。CK獲得本数もJ2最多。シュート数も4位タイ。形は作れているのでフィニッシャー役のFWラリベイにかかる期待は大きい。
■ 3連敗スタートとなった栃木SC愛媛FCと栃木SCが開幕3連敗となるが、先のとおり、どちらも前評判はあまり高くなかった。戦力が充実しているとは言えないので当面の間は降格ゾーンを意識した戦いにならざる得ない。愛媛FCは3試合で1得点/6失点。MF河原やFW西田など攻撃陣にケガ人が出ていて攻撃の迫力を欠いている。被シュート数が3試合で48本。これはワースト2位の熊本の38本を大きく上回ってブッチギリでJ2最多となる。
個人のスタッツを見ると五輪代表のMF神谷はドリブルCBP/90分が9位。どちらかというとパサー役のイメージの強い選手であるがドリブルからチャンスを作っている。2012年以来の復帰となるMF前野はラストパスの本数が5本。これはJ2で18位タイとなる。攻め込まれる機会が多いこともあって新加入のGK岡本のセーブCBP/90分はJ2で2位。大卒ルーキーのDF山崎の守備CBP/90分はJ2で23位となる。
昇格組の栃木SCは3試合で4得点/12失点。失点の多さは深刻なレベルである。開幕の大分戦(H)で4失点。2節の岡山戦(A)はメンバーを大きく入れ替えたが3失点。3節の山口戦(H)も5失点と散々である。開幕の大分戦(H)の4失点も「守備陣のミス」というわけではなかったので開幕戦を終えた後の大幅なメンバー変更は得策ではなかったように感じる。好調なチームとは言っても山口戦の5失点はショックが大きい。
意外な数字を挙げると被シュート数は3試合で27本。J2で8番目に少ない数字となる。たくさんのシュートを打たれているわけではないが高確率でネットを揺らされている。「1失点当たりの被シュート数」は脅威は2.25。ブッチギリでJ2ワーストとなる。2節からGKジョニー・レオーニを起用しているが元スイス代表のGKジョニー・レオーニも救世主にはなれなかった。4節は讃岐戦(H)となるが早くも大一番と言える。
3試合で4得点を奪っている攻撃陣は決して悪くないが「前線からの守備」があまり機能していないので得点力が低下することを覚悟した上で動き回ることができる選手をフォワードあるいは2列目に起用するのも1つの方法である。MF岡崎建はパスCBP/90分が6位、MF西谷はドリブルCBP/90分が18位、DF温井はクロスCBP/90分が8位、DF田代雅は守備CBP/90分が3位。個人スタッツで優秀な数字を残している選手は多い。
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表1. ラストパスの本数 (3節を終えた時点)
順位 | 名前 | 所属 | 本数 |
1 | 矢田 旭 | ジェフ千葉 | 11 |
1 | 中里 崇宏 | 横浜FC | 11 |
3 | 平戸 太貴 | 町田ゼルビア | 10 |
3 | シシーニョ | 徳島ヴォルティス | 10 |
5 | 高木 大輔 | レノファ山口 | 9 |
6 | 上田 康太 | ファジアーノ岡山 | 8 |
7 | 中村 駿 | モンテディオ山形 | 7 |
7 | ドウグラス ヴィエイラ | 東京ヴェルディ | 7 |
7 | 野村 直輝 | 横浜FC | 7 |
7 | 内田 裕斗 | 徳島ヴォルティス | 7 |
11 | 小島 幹敏 | 水戸ホーリーホック | 6 |
11 | イバ | 横浜FC | 6 |
11 | 清原 翔平 | ツエーゲン金沢 | 6 |
11 | 杉浦 恭平 | ツエーゲン金沢 | 6 |
11 | 石櫃 洋祐 | 京都サンガ | 6 |
11 | 三幸 秀稔 | レノファ山口 | 6 |
11 | 岩尾 憲 | 徳島ヴォルティス | 6 |
18 | 牛之濱 拓 | 栃木SC | 5 |
18 | 岡崎 建哉 | 栃木SC | 5 |
18 | 大前 元紀 | 大宮アルディージャ | 5 |
18 | 町田 也真人 | ジェフ千葉 | 5 |
18 | 永島 悠史 | FC岐阜 | 5 |
18 | 小屋松 知哉 | 京都サンガ | 5 |
18 | 前 貴之 | レノファ山口 | 5 |
18 | 前野 貴徳 | 愛媛FC | 5 |
18 | 輪湖 直樹 | アビスパ福岡 | 5 |
18 | 鈴木 惇 | アビスパ福岡 | 5 |
18 | 石津 大介 | アビスパ福岡 | 5 |
18 | 黒木 晃平 | ロアッソ熊本 | 5 |
18 | 伊東 俊 | ロアッソ熊本 | 5 |
18 | 松本 怜 | 大分トリニータ | 5 |
18 | 宮阪 政樹 | 大分トリニータ | 5 |
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