■ J2の第2節J2の第2節。上位候補同士の新潟と松本山雅の試合は3月3日(土)にデンカビッグスワンスタジアムで行われた。初のJ2降格を喫した新潟は2003年以来のJ2の舞台となるが開幕戦はアウェイで讃岐に1対0で勝利して白星スタートを切った。期待のフォワードのFW河田が決勝ゴールを決めて勝利を手にした。一方、J2で3年目のシーズンとなる松本山雅はアウェイで横浜FCと対戦してスコアレスドローだった。
ホームの新潟は「4-2-2-2」。GKアレックス・ムラーリャ。DF川口尚、富澤、ソン・ジュフン、安田理。MF坂井大、磯村、加藤大、高木善。FW矢野貴、河田。讃岐との開幕節で決勝ゴールを決めたFW河田にはゴール量産の期待がかかる。年代別のブラジル代表の経験があるFWターレスはこの日もベンチスタート。フォワードに再コンバートされた元日本代表のFW矢野貴が今シーズン初スタメンを飾った。
対するアウェイの松本山雅は「3-1-4-2」。GK守田。DF橋内、飯田真、浦田延。MF岩間、田中隼、石原崇、パウリーニョ、前田直。FW高崎、永井龍。スピードスターのFW前田大はこの日もベンチスタートになった。MF岩間とMF石原崇が今シーズン初スタメンとなった。オフに新潟から松本山雅に移籍したGK守田は古巣対決となる。GK村山はケガで長期離脱中でGKゴ・ドンミンがサブに入っている。
■ 終盤に松本山雅が追いついてドローJ1時代の2015年以来の対戦になったが前半はどちらかというと静かな展開になった。どちらもあまりゴール前のシーンを作れなかったので0対0で折り返しそうな流れだったが前半44分に左サイドハーフのMF高木善の高精度のクロスから187センチのFW矢野貴のヘディングシュートが決まってホームの新潟が先制に成功する。開幕の讃岐戦(A)でもアシストを記録したFW矢野貴は2試合連続でゴールに絡んだ。
1点を追う松本山雅は後半15分にFW高崎とMF前田直を下げてMFセルジーニョとMF工藤浩を投入。すると一気に流れは松本山雅に傾く。何度か決定機を逃した後の後半36分にMF田中隼のグラウンダーのクロスから途中出場したMFセルジーニョがヒールで合わせて1対1の同点に追いついた。FW永井龍がキープをしようとして倒れたときに肘あたりにボールが当たった。ハンドを取られてもおかしくなかった。
その後も松本山雅が押し込んだが逆転まで持っていくことは出来ず。近隣のクラブの直接対決は1対1のドローに終わった。新潟は先制ゴールを奪ったものの後半の半ば以降は完全に押し込まれた。これで1勝1分けとなった。同点ゴールの場面は直前のプレーでDFソン・ジュフンが負傷 or 足を攣ってプレー続行不可。1人少ない状況になっていた時間帯での失点なので新潟はややアンラッキーだった。
■ 元ブラジル代表のGKアレックス・ムラーリャ新潟も松本山雅もどちらも昇格争いに絡んでくるのは間違いない。自動昇格の枠を争うことになるのか?プレーオフの枠を争うことになるのか?は分からないが昇格争いのライバルになる可能性が高いチームである。そういう相手に勝ち点「3」を与えないことは大事なのでどちらにとっても悪くない結果ではあるが新潟にも松本山雅にも勝てるチャンスは十分にあったので残念な結果であることは確かである。
新潟は2試合を終えて1勝1分け。2得点/1失点。決して悪くない成績であるがチャンスの数ならびに決定機の数があまり多くない。少ないチャンスをゴールに結びつけてしぶとく勝ち点を獲得しているがJ1昇格の切符を掴むためにはJ2屈指の攻撃力ならびに得点力が必要になって来る。現時点ではそのレベルには達していないので新戦力のFWターレスとMFブルーノ・メネゲウの2人にかかる期待は大きい。
守備陣は2試合で1失点なので奮闘している。DFソン・ジュフンの高さがJ2で威力を発揮しているが元ブラジル代表のGKアレックス・ムラーリャの加入は大きなプラスと言える。この日もいくつかファインセーブを見せた。サイズとリーチがあるので際どいシュートを止めることが出来る。昨シーズンはGK大谷あるいはGK守田がレギュラーとして起用されたがGKアレックス・ムラーリャの加入でパワーアップを果たした。
シュートセーブに関してはJ2のキーパーの中でもトップクラスと言える。最終ラインからボールを繋いでいくスタイルにはなっていないのでフィードの部分も何ら問題は生じていないが「守備範囲」は気になるところである。最終ラインの裏に出てきたボールに対する反応があまり良くない。裏に出てくるパスを適切に処理できない場面が多い。「守備範囲の狭さ」はGKアレックス・ムラーリャの弱点と言えるのではないか。
■ 慌ただしいサッカーになっている松本山雅一方の松本山雅は2試合連続ドロー。やや出遅れたがともにアウェイ戦ということを考えると悲観するほど悪い成績ではない。オフにFW永井龍、MF中美、MF岩上、MF前田直などを獲得。FW前田大も復帰してきたので有り余る攻撃陣のタレントをどう生かすのか?に注目が集まるが「3-1-4-2」をメインで採用している。Wボランチではなくて1ボランチになっており、1トップではなくて2トップを採用している。
「攻守の切り替えの早いサッカー」というのはJ2に昇格した2012年から変わらない松本山雅の特徴と言えるが例年以上に切り替えの早いサッカーになっている。速く前に運ぼうとする意識が相当に高まっている。ボールを奪った後のプレーの精度が落ちやすいことは承知した上でこのサッカーに取り組んでいると思うが慌ただしいサッカーになっている。「ガチャガチャしたサッカーになっている。」と言うことが出来る。
当然、ボールを奪った直後の最初のパスが極めて大事になってくる。ここで気の利いたプレーが出来ると一気にチャンスにつながるが、ここでミスが発生すると相手にカウンターのチャンスを与えることになる。生命線と言える。この部分のクオリティの差が勝敗に直結するが2試合連続でインサイドハーフで起用されているMF前田直のプレーが不十分。ここでボールを失って攻撃が終わるケースが非常に多くなっている。
思うように形を作れていなかったのでこの日は後半15分という早い段階でMF工藤浩とMFセルジーニョを同時投入。FW永井龍の1トップに変更してから相当に流れが良くなった。現時点ではサブに回っているがMF工藤浩をインサイドハーフで起用するのも1つの方法と言える。当然、MF岩上やMF中美もこの位置でプレー可能。選択肢は多いので反町監督の選手起用は例年以上に大事になって来る。
2018/03/01 【J2】 2018年に注目すべき若手プレーヤーを22人だけ挙げてみた。 (上)
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