■ 2月25日(日)に開幕J1に続いてJ2は2月25日(日)に開幕を迎えた。11試合全てが日曜日に行われたが4対1で熊本に大勝した山口が首位に立った。3対0で山形に勝利した水戸が2位、4対2で栃木SCに勝利した大分が3位となった。引き分けに終わったのはニッパツ三ツ沢球技場で行われた横浜FC vs 松本山雅の1試合のみ。11試合で29ゴールが生まれたが横浜FC・松本山雅・徳島・山形・FC岐阜・讃岐・京都は無得点に終わった。
42試合という長丁場のリーグ戦がいよいよスタートしたが前評判どおりの強さを発揮したチームもあるし、前評判通りの実力を発揮できなかったチームもあるし、前評判以上の力を見せたチームもある。まだ1試合を終えた時点ではあるが何となくの方向性は見えてきたがJ2全体の傾向を挙げると「若い選手を抜擢するチームが多くなった点」と「アグレッシブなサッカーを志向するチームが増えた点」になる。
J1では18才のMF福田湧(G大阪)や17才のDF菅原(名古屋)がスタメンデビューを飾って16才のFW久保建(FC東京)が途中出場したことが話題になったがJ2でもFW藤本寛(東京V)とDF阿部海(岡山)という年代別の日本代表に選出されている2人の高卒ルーキーが開幕スタメンを飾ってチームの勝利に大きく貢献した。若手を抜擢することに躊躇しないタイプの指導者が増えてきたことは良い傾向と言える。
■ 圧巻のサッカーを見せた水戸ホーリーホックチームとして目立ったのは、やはり、水戸になる。長谷部監督を招聘したがオフの補強は大苦戦した。FW林陵平、FW前田大、MF佐藤和などが抜けたので「降格候補の1つ」に挙げる人がほとんどだったがホームで山形に3対0で勝利。内容的にも水戸の圧勝だった。新エース候補のFWジェフェルソン・バイアーノがいきなり2ゴールの活躍。東京五輪を目指す20才のFW岸本も2アシスト。フォワード陣が爆発した。
2月3日(土)に行われた鹿島とのいばらきサッカーフェスティバルのときも非常にいいサッカーを見せたので「重要な選手はたくさん抜けたが意外と今シーズンも水戸はやるはず。」という意見が増え始めた中で開幕戦を迎えたが最高のスタートを切った。2トップの活躍が目立ったが右SHのMF黒川、ボランチのMF小島幹という大宮から期限付き移籍中の若手の活躍も光った。水戸にとって収穫の多い開幕戦になった。
技術の高いMF木村祐とMF小島幹を中心としたテンポの良いパスワークも目立ったが何と言っても「前線からの守備」が圧巻だった。FWジェフェルソン・バイアーノとFW岸本の2人が前線から相手を追い回して中盤の4人も連動する。オールコートプレスと表現しても過言ではないほどのアグレッシブな守備を見せた。ここまで激しくボールを追い回すチームはJリーグでは相当に珍しいので相手は面食らうだろう。
2節はアウェイで千葉と対戦するが試金石となる試合である。東京Vに敗れて黒星スタートを切った千葉にとってはホーム開幕戦となるが、長谷部監督にとっては古巣との試合になる。千葉もハイプレスをかけるのが得意なチームなのでプレスのかけあいになる可能性もある。水戸が波に乗りかけているので「J2の昇格候補の1つ」に挙げられる千葉がどのような戦いを見せるのか?は興味深いところである。
■ 霜田監督が就任したレノファ山口ホームで熊本に4対1で大勝した山口も最高のスタートを切った。こちらは(水戸とは真逆で)2月18日(日)に行われた広島のPSMは完敗だった。スコアこそ0対2だったが広島のFWパトリックが何度もキーパーとの1対1に近い決定機を外してくれたことに助けられた。大量失点をせずに済んだが何度もカウンターのピンチを迎えて「点差以上の完敗」だった。先行きが不安視されていたが渋谷監督を招聘した熊本に大勝した。
内容面でも熊本を圧倒できたわけではなかったが決定機を確実にゴールに結びつけた。新戦力のFWオナイウ阿道ならびにFW高木大がゴールという形で結果を残したのはポジティブな要素に挙げられる。霜田監督になってどういうサッカーをするのか?に注目が集まったがとにかくアグレッシブなサッカーである。ボールを奪った後はリスク覚悟で人数をかけて攻め込んでくるサッカーは爽快感がある。
広島とのPSMはボールの失い方が非常に悪かった。中途半端に前がかりになった裏を突かれてカウンターを食らいまくったので「リスク管理」という部分ではまだ十分とは言えないが激しいプレスをかけて熊本のミスを誘発。カウンターからチャンスを作った。コンビネーションからチャンスシーンを量産した上野監督時代とは全く違ったサッカーになっているが霜田監督のサッカーもなかなか魅力的である。
■ 下位候補のチームがアグレッシブなサッカーにモデルチェンジアウェイで山口に1対4で大敗して21位からのスタートになった熊本も決して悪くなかった。自分たちのつなぎのミスから2点目と3点目を奪われた点は要反省と言えるがテンポよくボールが回るシーンが1試合の中で何度かあった。近年の熊本はロングボール主体のサッカーだったので雰囲気はガラッと変わった。結果が出始めるまで時間がかかる可能性はあるが方向性は間違っていないように感じられる。
同じく4失点を喫して2対4で敗れたものの昇格組の栃木SCも悪い内容ではなかった。立ち上がりから大分の「1トップ+2シャドー」の連携に翻弄されて3連続失点。あっという間に0対3になってしまったが試合を通して14本のシュートを放った。新戦力で元日本代表のFW大黒はさっそく難易度の高いヘディングシュートを決めて移籍後初ゴールを記録。J2初挑戦となるドリブラーのMF西谷の個人技も問題なく通用した。
左SBでプレーしたDF温井の精度の高いキックも目立ったので攻撃に関する武器はJ3時代と比べると格段に増えた。J3での2年間は守備を重視したサッカーで結果を残してきたが昨夏ならびに今冬と2回連続で補強に成功。タレントが揃ってきたこともあって栃木SCも攻撃の部分に魅力を持った選手が増えてきた。FW大黒、FWネイツ・ペチュニク、MF西谷、MF牛之濱を中心とする攻撃陣はなかなか厄介である。
水戸・山口・熊本・栃木SCといった前評判が低かったチームがアグレッシブなサッカーを見せたことがJ2の開幕カードのもう1つの大きなトピックスと言える。当然、どのチームもJ3降格だけは避けたい。「リスクを冒さずに守備を重視したサッカーでしぶとく勝ち点を積み上げるスタイル」を選択しがちであるがモデルチェンジを図ったチームが目立つ。上位候補 vs 下位候補であっても面白い試合が多くなりそうだ。
2018/02/28 【J2】 22クラブの中で「前評判よりも良さそうなチーム」をいくつか挙げてみた。 (上)
2018/02/28 【J2】 22クラブの中で「前評判よりも良さそうなチーム」をいくつか挙げてみた。 (下)
2018/02/28 【J2】 22クラブの中で「前評判よりもヤバそうなチーム」をいくつか挙げてみた。
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