■ J2の開幕戦J1に続いてJ2が2日遅れで2月25日(日)に開幕を迎えた。今シーズンも年間で42試合を戦う長丁場のリーグ戦となるがクラブ史上2度目のJ2降格を喫した大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦した。J2は今年も大混戦になることが予想されるが大宮・千葉・甲府の3チームの評価が特に高くなっている。開幕前の評価では「J2は大宮・千葉・甲府の3強」と言われている。
ホームの大宮は「4-2-2-2」。GK塩田。DF渡部、山越康、菊地将、中村太。MF茨田、三門、横谷、マテウス。FW清水慎、シモビッチ。「補強の目玉」と言える199センチのFWシモビッチは2トップの一角でスタメン出場。FW清水慎とコンビを組むことになった。復活が期待されるFW大前はベンチスタート。熊本から加入したレフティのMF嶋田慎もベンチスタートになった。石井正忠監督がチームを率いている。
対するアウェイの甲府は「3-4-2-1」。GK岡。DFビョン・ジュンボン、山本英、エデル・リマ。MF小塚、小椋、湯澤聖、松橋優、堀米勇、リンス。FW金園。注目の新戦力のMF小塚はボランチの位置でスタメン出場。ベテランのMF小椋とWボランチを組むことになった。得点源になることが期待されている186センチのFWジネイはベンチ外。抹消の後、再登録されたMFジュニオール・バホスがベンチ入りを果たした。
■ 昇格候補同士の対戦を制したのは大宮アルディージャ自動昇格候補の2チームの直接対決は前半8分に大宮が左サイドのCKを獲得する。新加入のDF中村太がペナルティスポット付近にグラウンダーのボールを入れるとフリーになっていたMFマテウスが左足で決めてホームの大宮が先制に成功する。1対0と大宮がリードして折り返す。後半5分にはMFマテウスが左サイドを突破して中央にクロス。FWシモビッチがスライディングシュートを決めて追加点を奪った。
直後に甲府はMFマテウスのハンドでPKを獲得。最初のMFリンスのPKはGK塩田がセーブしたがGK塩田が前に出ていたのでやり直し。2度目のPKはMFリンスが豪快に決めて甲府が1点差に迫った。追いつきたい甲府はJリーグで通算2試合目の出場となるMFジュニオール・バホスを投入。後半32分にはMFジュニオール・バホスが個人技から右足で強烈なシュートを放ったが惜しくも枠をとらえることが出来ない。
終了間際には鮮やかなパスワークから新加入のFW金園に決定機が訪れるが途中出場した大宮のDF河面がブロック。同点ゴールとはならなかった。2対1で逃げ切った大宮が白星スタートを切った。攻撃の中心になることが期待されているMFマテウスが1ゴール1アシストの活躍を見せた。敗れた甲府はMFリンスのPKによる1点のみ。DFビョン・ジュンボンやMF湯澤聖といった新戦力の活躍が収穫と言える。
■ 攻撃的なタレントが増えたヴァンフォーレ甲府いきなり自動昇格候補の2チームが激突したが期待通りか、それ以上の熱戦になった。2012年以来のJ2挑戦となる甲府は事前に予想されていたとおり、攻撃的なチームになりつつある。昨シーズン限りで現役を引退したMF石原克がずっと背負っていた7番を引き継いだMF堀米勇は何度か持ち味を発揮。新加入で右WBのMF湯澤聖との関係性は良かった。右サイドは今シーズンの甲府の武器になるだろう。
注目のMF小塚はボランチの位置でプレーしたが決定的な仕事は出来なかった。良さを出し切れなかったがテクニックがあってアイディアの豊富な選手なので攻撃の中心となる可能性は高い。新潟時代の2016年に吉田達磨監督の元でプレーしているので違和感なくチームに溶け込めるだろう。先のとおり、FWジネイは欠場したがポテンシャルの高い選手をたくさん獲得して攻撃のバリエーションは豊富になった。
守備的なチームというイメージだったJ1時代とは違ってアグレッシブなサッカーになる可能性は高い。攻撃に特徴のあるタレントが増えてきたのでチームとしての魅力度は格段にアップすると思うが「勝ちきれるのか?否か?」、「勝利につながるのか?否か?」、「昇格を狙えるだけの勝ち点を積み上げることができるのか?否か?」は何とも言えない。面白いチームになりつつあるが勝てるチームになるか?は分からない。
■ MFマテウスが1ゴール1アシストの活躍一方、2014年以来のJ2となる大宮は2017年のJ1でプチブレイクして本格的なブレイクが期待されるMFマテウスがいきなり1ゴール1アシストの大活躍を見せた。個人技はJ1の中でも上位クラスだったのでJ2でアンストッパブルな選手になっても何ら不思議はない。ハンドでのPK献上は勿体なかったがMFマテウスは守備面でも頑張れる選手なので「J2でベストイレブン級の活躍を見せる可能性はかなり高い。」と言える。
新エースとしてゴール量産が期待されるFWシモビッチは前半終了間際にCKからポスト直撃のシュートを放った。自身最初の決定機は決められなかったが後半5分に訪れた自身2度目の決定機を確実にゴールに結びつけた。勢いを持ってゴール前に飛び込んできた。ゴール前で仕事をするだけでなくしっかりと前線で起点になれているので新加入選手とは思えないほどチームにフィットして攻撃の中心になっている。
2015年以降の3シーズンでJ1昇格を勝ち取ったチームは延べ9チームあるがほとんどのチームが「得点源となってゴールを量産する大型のCF」を擁している。例外と言えるのは2016年のC大阪くらいである。「J1と比べるとJ2は圧倒的にCFが重要となるリーグ」と言えるのでFWシモビッチを獲得できたのは大宮にとっては非常に大きい。早くもチームに馴染んでいるのでケガさえなければ20ゴールは確実と言える。
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