■ ACLが盛り上がらない理由は・・・。2018年のACLは2月13日(火)に開幕する。川崎FならびにC大阪が序盤戦で過密日程になることを避けるために通常であればJ1の開幕戦が行われる土曜日の1週間前に行われるゼロックス・スーパーカップ(川崎F vs C大阪)が2週間前の2月10日(土)に開催されるなどJリーグ側は少しでもACL組の負担が軽減されるようにスケジュールを工夫しているが相変わらず日本国内でのACLの認知度は低くて盛り上がりに欠ける。
2008年にG大阪がアジアを制覇した後、日本勢がアジアの舞台で思うような結果を出せない時期が続いたことも日本国内でACLが盛り上がらない大きな理由と言えたが2017年は浦和が自身2度目となるアジア制覇を達成した。クラブW杯にも出場。日本サッカー界ならびにJリーグの存在感を高める素晴らしい活躍を見せたが「浦和のアジア制覇」も一般的なメディアでの扱いは小さかった。極めて限定的だった。
最大の理由は露出の少なさに尽きる。ACLのGLを視聴するためにはスカパーの「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入する必要があるがルヴァン杯や天皇杯やCLなどが視聴できる「スカパー!サッカーセット」ではACLは視聴できない。わざわざ、G+の場合は972円、日テレNEWS24の場合は432円を支払う必要がある。スカパーの場合は基本視聴料(=421円)も必要となるので月額で1,825円が必要になってくる。
■ テレビ朝日系列は良心的だった・・・。地上波はもちろん、BS日テレでもACLが生中継されるケースは稀である。アウェイまで出向くのは難しいのでACLに出場するチームのサポーターは少し迷った上で「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入せざる得ないがそれ以外のチームのサポーターがわざわざACLの試合を観るために「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入することは考えにくい。(※ ちなみにBS1でも稀に放送されるが極めてレアである。)
結局のところ、ACLを楽しむことが出来ているのは当該チームのサポーターとコアなサッカーファンくらいである。「考えてみるとACLの試合をまともに観たことがない。」というサッカーファンならびにスポーツファンは少なくないと思われる。判定基準などACLに関する間違った知識や常識は蔓延しているがACLの試合を観るためのハードルは相当に高いのでそういう状況になっているのも致し方なしと言える。
2012年まではテレビ朝日系列がACLの試合を中継していた。BS朝日とテレ朝チャンネルが主体。日本勢の4チームの内、2チームはBS朝日で生中継されて、もう片方はテレ朝チャンネルで生中継された。反対側のチャンネルで生中継された試合は深夜等に録画放送されるのでBSが受信できる環境であればプラスαのお金を支払わなくてもACLの試合を楽しむことが出来た。今、振り返るとテレビ朝日系列は良心的だった。
■ 2013年から日本テレビ系列に移行したが・・・。2013年から日本テレビ系列に放映権が移行したが当初は歓迎された。セルジオ越後さんや川添孝一さんなど何人かのテレビ朝日系列のサッカー解説者は一般的なサッカーファンの人気が低かったので「実況ならびに解説の質が上がるのでは?」という期待もあったが都並敏史さん、北澤豪さん、城彰二さんの3人が日本テレビ系列のサッカー中継の解説の中心なので「どっちもどっち」というのが正直なところである。
また、当時も「CSのテレ朝チャンネルに加入しないと生中継が観られない。」という不満と「スカパーのJリーグセットの中にテレ朝チャンネルが入っていない。」という不満の声は多かった。先のとおり、今振り返るとテレビ朝日系列はかなり良心的だったが日本テレビ系列に移行することで「このあたりの部分が改善されるのでは?」と多くの人が期待したが現実は状況が悪化した。改悪と言うしかない変化である。
テレ朝時代からACLは「マイナー扱い」されていたが日テレに移行してBSでの放送が極めて少なくなったので露出度は比較にならないほど低くなった。サッカーサイトを運営している以上、ACLの日本勢の試合を観ないわけにはいかないので、この時期はしぶしぶ、「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入するがこういう行動をとる人はごく一部の人のみと想像できる。たいていの人は「ACLはスルー」となる。
■ ACLは良質なコンテンツになり得るが・・・。日テレにとってACLを視聴するためにこの時期に「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入してくれる人はいいカモである。BS日テレでACLを視聴できるのであればわざわざ「G+」や「日テレNEWS24」には加入しない。当然、企業側が利益を追求しようとする姿勢を否定することはできないがBS日テレというリソースがありながら4チーム全てをCS送りにしている現状はテレ朝と比較するとはるかに良心的ではない。
「G+」というとNPBの巨人軍中心のチャンネルである。この時期は巨人軍のキャンプを延々と中継している。巨人ファンで、かつ、ACLにも興味があるという人にとっては月額:972円という出費はそこまで痛くないと思うが「巨人軍のキャンプ」にはあまり興味がないので「観れる番組」は少ない。ニュース番組が基本となる「日テレNEWS24」に至っては「観れる番組」はほとんどないので個人的なお買い得感はない。
日本サッカー協会やJリーグやACL組がどれだけ頑張っても今の状況でACLを盛り上げるのは不可能に近い。最近はサッカーに限らず「対アジア」や「対世界」が一般人受けする時代である。韓国や中国に対して特別な感情を抱いている人は多いので「日本を代表してJリーグのクラブが中韓のクラブと戦う。」という状況は一般人受けするはず。良質なコンテンツになり得るACLを日テレが腐らせているのが現状である。
日テレにとっては「G+」ならびに「日テレNEWS24」に加入する人が落とすお金の方が今は大事なのだと思う。ACLを良質なコンテンツとして育てていこうとする意欲や意思はほとんど感じられない。今、すぐに数百万や数千万のお金を落としてくれる目の前にぶら下がっているニンジンに飛びついてしまっている状況である。ACLの放映権が日テレに移行して早くも今年で6年目になるが事態は一向に良くならない。
2018/02/10 【Jリーグ】 日本テレビ系列のサッカーの扱い方(ACL含む)は酷すぎないか? (前編)
2018/02/11 【Jリーグ】 日本テレビ系列のサッカーの扱い方(ACL含む)は酷すぎないか? (後編) → 続きはこちら
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