■ クルピ監督が就任したガンバ大阪長谷川監督時代の5年間で多くのタイトルを獲得したG大阪だったが過渡期に入っている。新時代の中心になるはずだった日本代表のMF井手口(→レオネサ)は今オフに欧州に渡った。MF堂安(FCフローニンゲン)もエールディビジで奮闘中なので期限付き移籍の期間が終了する今夏にG大阪に復帰する可能性は相当に低い。今オフの即戦力の補強はMF矢島慎(浦和)とDF菅沼(山形)くらい。前評判はあまり高くない。
降格候補に挙げる人も少なくないがC大阪時代に多くの若手を育てたクルピ監督を招聘。再スタートのシーズンになるが幸いにして今のG大阪は東京世代の選手を中心に有望な若手が目白押し。なので、ここからの1年あるいは2年ほどは結果が出なかったとしても、クルピ監督の元、一丸となって戦うことが出来たら数年先に「優勝候補の一角」と呼ばれる地位まで駆け戻ることは十分に可能。辛抱の時期と言える。
MF高木彰、DF初瀬、MF市丸の3人は昨年の5月に行われたU-20W杯の本大会に出場したが、さらに2017年のJ3で目立った活躍を見せたドリブラーのMF食野、秋以降にブレイクしてJ3で25試合で8ゴールを挙げた長身フォワードのFW一美もいる。CBのDF野田裕、アタッカーのMF高江なども有望株で、新加入のFW中村敬(三菱養和SCユース)とGK谷(G大阪ユース)はU-17日本代表の主力中の主力だった選手である。
MF堂安ならびにMF井手口をカウントしなくてもこれだけ各ポジションに有望なタレントを揃えているので「J1の18クラブの中で最も若手の有望株が揃っているチーム」と言える。世代交代が必要な時期に差し掛かっているので「我慢強くはないと言われることが多いG大阪のコアなサポーター集団がどこまで我慢できるのか?」が大きな注目ポイントになってくる。彼らが足を引っ張る形になることも十分に考えられる。