■ 準決勝進出はならず・・・。U-23アジア選手権の連覇を目指した森保JAPANだったが準々決勝でウズベキスタンに0対4で大敗してベスト8止まり。ここで大会を去ることになった。東京五輪を見据えて「オール21才以下」で挑んだ日本に対して大半の国は規定通りの「23才以下」で大会に参加しているのでハンディを背負っている。「決勝T進出が最低限のノルマ」と言えたので最低限のノルマはクリアしたが4点差負けというのはショッキングである。
GLは3連勝。多くの収穫を手に入れたが0対4の大敗でいいイメージはすっ飛んでしまった。ウズベキスタン戦で出場機会を得た14人の中で及第点以上のプレーが出来たのは途中出場したMF三好(札幌)ら数名のみ。大半の選手は及第点にすら大きく届かない最悪に近い出来だった。中でも直接的に失点に絡んでしまったDF立田(清水)、DF古賀(柏)、MF井上潮(東京V)などは厳しく評価せざる得ないプレーだった。
攻撃陣はシュートチャンスすらなかなか作れなかったが特に厳しい出来だったのはシャドーの位置でスタメン出場したMF高木彰(G大阪)とMF岩崎(京都)の2人である。ともに前半のみの出場にとどまった。ハーフタイムでベンチに下げられてしまったがあれだけボールを失う回数が多いとなると「前半のみの出場となるのは当然」と言える。0対2になった時点でMF三好(札幌)やMF旗手(順天堂大)を投入しても良かった。
■ 森保監督に見限られても致し方なし。GLの3試合のパフォーマンスはなかなか良かっただけに「ウズベキスタン戦のMF高木彰のプレー」は非常に残念なものだったがより深刻なのはMF岩崎である。MF高木彰とは違ってGLの2試合もいいプレーが殆どなかった。森保監督はMF岩崎を信じてウズベキスタン戦でもスタメンで起用してきたので今大会3回目のスタメン起用となったが3試合を通して「らしいプレー」がほとんど見られずに終わった。
MF岩崎の場合は「たまたま調子が悪かっただけ。」、「コンディションさえ万全になれば普通に活躍できる。」というわけではないのでさらに事態は深刻である。京都橘高時代から突出したスピードと高い技術を合わせ持った世代屈指のストライカーとして年代別代表(=内山JAPAN)で大きな存在になっていたが「森保監督に見限られても文句は言えない。」と言えるほど今大会のMF岩崎のプレーは酷かった。
「いったい何をしたらこんな状態になってしまうのか・・・。」と思うほど事態は深刻である。効率的なプレーが全く出来なくなっており、無駄にエネルギーを消費してしまっている。「ボールを受けたとき」や「ドリブルで仕掛けるとき」など大きなエネルギーが必要となる肝心な場面でガス欠を起こしている。エネルギーが不足しているのでボールを持ったときは雑なプレーばかり。簡単にボールを失ってしまう。
また、日本の攻撃がテンポアップした状態でのプレーの精度の低さも以前のMF岩崎と比較すると考えられないレベルである。余裕がなくなっているのか、的確な判断が全くできておらず、ダイレクトプレーを試みたときは高確率でミスになる。ミシャ式と呼ばれるサッカーはシャドーの位置でプレーする2人が中心。コンビネーションサッカーの中心にならなければいけないがMF岩崎がいると流れが止まってしまう。
■ 想像していた以上にマズい状況プロ1年目の2017年はJ2の京都で35試合で2ゴール8アシスト。ゴール数は期待以下だったがアシスト数はJ2屈指。チャンスメーカーとしてまずまずの活躍を見せたが京都橘高時代や内山JAPANなどで見せた「尋常ではない凄み」を感じさせるプレーは少なかった。「数字こそ残ったが順調なプロ1年目ではなかった。」と評価していたが「想像していた以上にマズい状況になっていること」が今大会で明白になった。
京都は昨シーズンから布部監督が指揮しているが開幕から低迷。8節以降はFW闘莉王を最前線で起用するやり方がハマってFWケヴィン・オリスとのツインタワーが基本となった。MF岩崎は左サイドハーフでプレーするようになったが「MF岩崎にとって望ましい環境」とは言い難い。「日本を代表する点取り屋」になることが期待されているストライカーがサイドアップダウンしてクロスを上げる役割を課せられている。
もちろん、運動量の増加や守備力の向上などは期待できるがこういう感じでプレースタイルが確立されてしまうと魅力は一気に半減する。2017年の京都はFW闘莉王やFWケヴィン・オリスなどの「個の力」に頼ったサッカーだったがそういう選手がいきなり代表に合流して流動的なサッカーの中で自分の良さを出そうとしても難しい。まだ19才なので軌道修正は十分に可能だと思うが非常に危うい流れになっている。
■ 逸材を潰すことは許されない。付け加えるとスピード感やキレが無くなっているように感じられる点も非常に気になるところである。元来は相手のCBをぶっちぎることが出来るほどのスピードを持った選手であるがプロ入り後はJ2の試合でも年代別代表の試合でもそういうシーンはほとんど見られない。きちんとした指導の元、体作りを行っているとは思うが「圧倒的なスピード」が無くなってしまうと「ごく普通の期待の若手の1人」まで格下げとなる。
不幸なことに布部監督の続投はすでに決定している。FWケヴィン・オリスは退団したがFW闘莉王は残留した。ケガでもしない限り、FW闘莉王をフォワードの軸に据えて戦わざる得ないが昨シーズンと同じような感じになってしまうようだとMF岩崎の未来に関しては悲観的にならざる得ない。東京世代の攻撃的なポジションの中でも屈指の才能を持ったMF岩崎を潰すことは絶対に許されない話である。
言うまでもなく近年の京都はMF久保裕(ヘント)やMF原川(川崎F)やMF駒井(札幌)など優秀な選手をたくさん生み出している。育成力に定評のあるクラブなのでJ2の京都を進路先に選んだ高校3年生当時のMF岩崎は賢明な選択をしたと思うが石丸監督が退いて布部監督が就任するなど受け入れる側の京都側の状況も大きく変わっている。プロ入り後のMF岩崎は運にも見放されているように感じてしまう。
★ 現在の投票数 → 50票
→ 投票したい選手の名前を選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で6人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2017/10/15 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを18人だけ挙げてみた。 (GK編)
2017/10/15 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを18人だけ挙げてみた。 (右SB編)
2017/10/16 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを18人だけ挙げてみた。 (左SB編)
2017/10/17 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを23人だけ挙げてみた。 (CB編)
2017/10/17 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを32人だけ挙げてみた。 (ボランチ編)
2017/10/18 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを42人だけ挙げてみた。 (アタッカー編)
2017/10/20 【東京五輪】 森保JAPANの代表候補メンバーを42人だけ挙げてみた。 (フォワード編)
2018/01/19 【U-23アジア選手権:準々決勝】 ショッキングな0対4。原因は何か?戦犯は誰か? (vs ウズベキスタン)
2018/01/19 J3+(アンテナ)・・・注目サイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-