■ まさかの4点差負けで連覇ならず・・・。U-23アジア選手権は決勝トーナメントがスタートした。GLを3連勝で突破した日本はA組を2勝1敗で勝ち上がったウズベキスタンと対戦した。23才以下のガチメンバーのウズベキスタンに対して日本は2年後の東京五輪を見据えて21才以下で戦うハンディを背負っているが前半だけで3失点。後半も開始早々に失点を喫して合計4失点。ほとんど決定機を作れないままで0対4。まさかの大敗で大会を終えることになった。
前半31分にセットプレーから失点を喫すると前半35分にはビルドアップのミスを突かれて痛すぎる追加点を奪われてしまった。エリア内でのDF立田(清水)の軽率なプレーが致命的な失点につながったがDF立田にパスを出したMF井上潮(東京V)のパスも丁寧ではなかった。前半39分にもDF原輝綺(新潟)のパスミスからカウンター。個人技で決定的な3点目を許した。3連続失点を喫して0対3。極めて難しい展開になった。
この世代(=23才以下)のウズベキスタン代表というと年代別のアジアの大会だけでなくU-20W杯でも結果を残している。95年・96年生まれの選手が主体となる2015年のU-20W杯ではベスト8に入っているので日本も同条件で「23才以下のメンバー」で挑んだとしても苦戦することが想像できるがそれにしても0対4というスコアはショッキングである。「内容的にも最悪の試合だった。」と言わざる得ない。
■ 2試合連続スタメンはDF古賀(柏)のみ。「個の力」では相手が上回っているが、なおかつ、発足したばかりの森保JAPANに対してウズベキスタンの選手たちは年代別代表などで、長い期間、一緒にプレーしてきた間柄になる。チームとしての完成度も桁違いだった。日本が持てる力をフルに発揮できたとしても劣勢の展開になる可能性が高い相手だったがプラスして森保監督の先発のチョイスがマズかった。様々な要素が絡み合った末の「4点差負け」と言える。
まず言えるのはGLで2試合連続ゴールを決めるなどラッキーボーイになっていたDF板倉(仙台)を使えなかったのは痛すぎた。結局、GLの3戦目の北朝鮮戦からスタメン10人を入れ替えてきた。左ストッパーのDF古賀(柏)のみ2試合連続スタメンとなったがDF古賀の起用は驚きだった。DF柳(FC東京)やDF庄司(金沢)という選択肢もあったと思うがDF古賀を選択。森保監督のこの選択は大きなエラーだった。
DF古賀はどこでもこなせるマルチプレーヤーで、かつ、182センチなのでサイズに恵まれていないわけではないが本来はSBの選手である。一方、右ストッパーで起用されたのも178センチのDF原輝綺(新潟)だった。同様にマルチプレーヤーで本職はボランチの選手である。ウズベキスタンは前線に186センチの大型ストライカーを擁しているが最終ラインの3枚のうち、空中戦に強いのはDF立田(清水)だけになった。
2戦目で対戦したタイや3戦目で対戦した北朝鮮のように強力な大型フォワードがいないチームと対戦するときは「CBが本職ではない選手」を最終ラインで起用しても大きな問題は生じない可能性が高い。むしろ、組立ての精度が上がるなどプラスの効果も少なくないが強力な大型フォワードがいるチームとの試合でDF古賀やDF原輝綺のようなCBが本職ではない選手を左右のストッパーに並べるのは自殺行為に近い。
■ ミスが多すぎたシャドーの2人0対3となった後半開始からMF岩崎とMF高木彰に代えてMF三好とMF旗手を投入。テコ入れを図ったがMF三好は孤軍奮闘。難しい状況でボールを受けてもしっかりとキープして味方のための時間を作った。3戦目の北朝鮮戦ではMF三好とMF旗手が躍動。「ウズベキスタン戦でシャドーの位置で起用されるのは誰なのか?」にも注目が集まっていたがMF岩崎&MF高木彰というチョイスも大失敗に終わった。
「ミシャ式」と言われるサッカーはシャドーの位置でプレーする2人の選手が肝となる。この位置でプレーする選手がしっかりとボールを受けて攻撃の起点を作らないとサッカーにならない。1トップのFW田川はターゲット系の選手ではないのでなおさらである。スタメンに抜擢されたMF岩崎とMF高木彰の役割は重要だったがともに散々な出来だった。「ハーフタイムでベンチに下げられたのは当然」と言うしかない。
立ち上がりからMF高木彰がいいポジションを取ってそこに縦パスが入るケースは多かった。ここでしっかりとボールをキープして展開できると少なくともいくつかはシュートチャンスを作れたと思うがあっさりとボールを奪われて攻撃が終わるケースが続いた。MF高木彰はGLの3試合は好プレーを見せたので大一番のウズベキスタン戦でスタメン出場する資格はあったと思うが期待を大きく裏切るパフォーマンスだった。
ということで簡単にまとめると次のようになる。
・経験値やチームの完成度などはウズベキスタンの方がはるかに上。
・同条件(日本も23才以下)だったとしても劣勢の展開になる可能性大。
・負けるのは仕方がないが内容が悪すぎた。
・強力な大型ストライカーがいる相手との試合でCBが本職ではない選手を2枚も起用するのは選択ミス。
・ラッキーボーイのDF板倉を使えなかったのは痛すぎた。
・シャドーのMF高木彰とMF岩崎が著しく精彩を欠いた。ロストが多すぎた。
・DF古賀やMF岩崎をスタメンで起用したのは明らかな選択ミス。
・DF原輝綺とMF高木彰をスタメンで起用したのは失敗に終わったが選択ミスとまでは言えず。
・負けたこと以上に力を出せなかったのが残念。
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