サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

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　2023/09/17 【Jリーグ】今オフの移籍市場での動向が気になる選手 (30名挙げてみた) (フォワード編) (2023年-2024年) (その2)
　2023/09/18 【Jリーグ】今オフの移籍市場での動向が気になる選手 (30名挙げてみた) (フォワード編) (2023年-2024年) (その3)
　2023/09/18 【Jリーグ】今オフの移籍市場での動向が気になる選手 (30名挙げてみた) (フォワード編) (2023年-2024年) (その4)
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　2023/09/21 【J3限定】「今オフにJ2のクラブが獲得できたら美味しい。」と思えるJリーガー (21位～30位)
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　2023/09/24 【J1限定】「今オフにJ2のクラブが獲得できたら大きな戦力UPになる。」と思えるJリーガー (1位～10位)
　2023/09/25 【Jリーグ】オフの移籍市場で草刈り場になるのはどこだ？危ういのは湘南？柏？横浜FC？群馬？町田？など。
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　2023/01/08 【J2編】順位予想バトル 2023年版受付は終了しました。 (現在の参加者：149名)・・・25名分 up!!!
　2023/01/09 【J3編】順位予想バトル 2023年版受付は終了しました。 (現在の参加者：63名)・・・18名分 up!!!
　2023/09/27 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)

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【オフの目玉】 5チームが獲得候補？FW渡大生(徳島ヴォルティス)の移籍先はどこになるか？ | | |　

■　惜しくもプレーオフ出場はならず・・・。

スペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督を招聘した徳島は魅力的なサッカーを見せて2017年のJ2の主役の1つになったが最終的には7位。プレーオフ出場を逃した。41節を終えた時点では5位。得失点差では他を圧倒していたので「最終節の東京V戦(A)は引き分けでもOK」という有利な状況だったが後半終了間際にCKから決勝ゴールを許して1対2で敗戦。あと一歩まで迫っていたプレーオフには届かなかった。

何だかんだで結果を出せないと評価されない世界である。「7位に終わった。」というのは残念に感じるがJ2で大きなインパクトを残したのは確かである。J2最多となる「+26」の得失点差は1つの証明と言えるがリーグ屈指の攻撃陣をけん引したのはFW渡だった。42試合で23ゴールを挙げてJ2の得点ランキングは2位。日本人得点王に輝いた。2016年は41試合で12ゴールという成績だったので飛躍のシーズンになった

開幕前に期待を集めていたのはセルビア出身で196センチの大型ストライカーのFWニコラ・アシチェリッチだった。圧倒的な高さに加えて足元のテクニックも柔軟なストライカーにゴール量産の期待がかかったが6試合の出場のみ。わずか44分のプレイングタイムにとどまった。期待を大きく裏切ったが23ゴールのFW渡がエースとして申し分ない働きを見せてFWニコラ・アシチェリッチの存在を忘れさせた。

■　J2で(PK抜きで)20ゴールを挙げた選手は・・・。

2017年のJ2の得点王に輝いたのはFWイバ(横浜FC)で25ゴールを挙げている。FW渡とは2ゴール差だったがFWイバはPKで8ゴールを奪っている。「PK抜きのゴール数」は17ゴールになるが、FW渡はPKでのゴールはゼロ。キックの精度の高さに定評のあるMF岩尾が徳島ではPKキッカーを任されたので23ゴール全てが「PK以外でのゴール」となる。当然のことながら、23ゴールという数字はダントツ1位となる。

表1は1999年～2017年のJ2で「PKを除いたゴール数が20以上だった選手」を全て書き出したものである。J2の場合、年間の試合数がシーズンによって大きく異なるので単純に比較するのは難しいが23ゴールのFW渡は歴代10位タイ。2009年にPKの4ゴールを含めて27ゴールを挙げたMF香川(C大阪)、2016年にPKの3ゴールを含めて26ゴールを挙げたFW鄭大世(清水)と同じ。素晴らしい成績と言うしかない。

延べ27名の顔ぶれは相当に豪華である。ボルジェス(仙台)はJ1ではプレーしていないので参考にはならないがそれ以外の選手は全てJ1でプレーした経験がある。FWジュニーニョ(川崎F)やFW佐藤寿(広島)などがJ1でも得点王に輝いているがほとんどすべての選手は「J1でもトップクラスの点取り屋」として鳴らした。例外と言えるのはFWケンペス(千葉)とFW藤田祥(鳥栖)とMF乾(C大阪)の3人くらいである。

表1. PKを除いたゴール数が20以上だった選手 (1999年-2017年)

順位	選手名	所属	年度	試合数	得点	PK抜き	シュート	PK得点
1	ジュニーニョ	川崎フロンターレ	2004年	39	37	33	185	4
2	フッキ	東京ヴェルディ	2007年	42	37	31	229	6
3	エメルソン	コンサドーレ札幌	2000年	34	31	30	190	1
3	マルコス	ベガルタ仙台	2001年	40	34	30	155	4
5	ダヴィ	ヴァンフォーレ甲府	2012年	38	32	27	156	5
5	佐藤　寿人	サンフレッチェ広島	2008年	40	28	27	132	1
5	黒部　光昭	京都パープルサンガ	2001年	41	30	27	156	3
8	マルクス	アルビレックス新潟	2003年	41	32	25	156	7
9	ボルジェス	ベガルタ仙台	2006年	41	26	24	118	2
10	鄭　大世	清水エスパルス	2016年	37	26	23	110	3
10	渡　大生	徳島ヴォルティス	2017年	42	23	23	100	0
10	香川　真司	セレッソ大阪	2009年	44	27	23	122	4
13	パウリーニョ	京都パープルサンガ	2005年	32	22	22	119	0
13	ケンペス	ジェフ千葉	2013年	38	22	22	128	0
13	ジュニーニョ	川崎フロンターレ	2003年	39	28	22	189	6
13	我那覇　和樹	川崎フロンターレ	2004年	42	22	22	95	0
17	ウィル	大分トリニータ	2000年	29	22	21	137	1
17	豊田　陽平	サガン鳥栖	2011年	38	23	21	97	2
17	レアンドロ	モンテディオ山形	2006年	40	23	21	136	2
17	大黒　将志	京都サンガF.C.	2014年	42	26	21	111	5
17	パウリーニョ	京都サンガF.C.	2007年	43	24	21	174	3
17	藤田　祥史	サガン鳥栖	2007年	44	24	21	92	3
23	ハーフナー　マイク	ヴァンフォーレ甲府	2010年	31	20	20	73	0
23	バレー	ヴァンフォーレ甲府	2005年	38	21	20	155	1
23	都倉　賢	ザスパ草津	2009年	43	23	20	130	3
23	大島　秀夫	モンテディオ山形	2004年	43	22	20	117	2
23	乾　貴士	セレッソ大阪	2009年	47	20	20	110	0

■　5チームが候補に挙げられているが・・・。

どのカテゴリーでも「年間に10ゴール」を記録できると相当に高い評価を得ることが出来るが「年間で20ゴール」となると絶対的な評価を得ることが出来る。表に出てくる顔ぶれを見る限り、「J2でPK抜きで20ゴール以上を記録した選手はJ1での成功が約束されている。」と言っても過言ではないと思うが、J2でゴールを量産したFW渡に対しては仙台・広島・札幌の3チームが獲得に乗り出していると報じられた。

他にもFC東京や柏も候補に挙がっているので大争奪戦が繰り広げられているが「今シーズン限りで徳島との契約が切れるので移籍金はゼロ」と言われている。今後、さらに獲得に名乗りを上げるクラブが増えることも予想されるが、J2でこれだけ結果を残したストライカーなのでJ1のクラブがこぞって関心を寄せるのは当然の話である。徳島は全力で引き留めようとすると思うが引き留めるのは難しいだろう。

FW渡は「今オフのJリーグの移籍市場の目玉の1人」になっているので移籍先がどこになるのか？が大いに注目されているが現時点でのFW渡の能力は「絶対にJ1で活躍できる。」と断言できるほどではない。かつてのFWジュニーニョ(川崎F)やFWフッキ(東京V)やFWエメルソン(札幌)やMF香川(C大阪)あたりは『誰がどう考えてもJ1で大活躍できるレベルの選手』と言えたがさすがにそのレベルではない。

1人でゴールをこじ開けることができる選手ではないので移籍先選びは大事になってくる。数年前と比べると「ボックス内でも力を発揮できるストライカー」になったが基本は「裏への飛び出し」が武器となる選手である。スルーパスを出すことが得意な選手がいるチームだと輝くことが出来る。一方、身長の割にはヘディングの強い選手ではあるが176センチなのでロングボールを多用するチームでは力を発揮しにくい。

これだけ多くのクラブから関心を寄せられると選択の幅は広がる。自分に合ったチームをしっかりと見極めて移籍先を選ぶことが出来る様になるので新天地で活躍できる可能性は高まるが先の5チームの中では仙台が一番合ったチームに思える。FW石原直の動向に大きく左右されるが出場機会も仙台が最も得やすいように思う。また、広島皆実高出身なので「地元の広島」というのも有力候補の1つに挙げられる。