■ 初戦の相手は北朝鮮代表E-1 サッカー選手権の初戦。東アジアカップという名称だった2013年以来の優勝を目指す日本代表は味の素スタジアムで北朝鮮代表と対戦した。前回大会(=2015年)も大会の初戦で北朝鮮と対戦したが1対2で逆転負け。開始早々にMF武藤雄のゴールで先制したが終盤にパワープレーから連続失点を喫して敗れている。先に行われた中国と韓国の試合は引き分けに終わったので日本は勝てば有利な状況になる。
日本は「4-2-3-1」を採用。GK中村航(柏)。DF室屋(FC東京)、DF谷口彰(川崎F)、DF昌子(鹿島)、DF車屋(川崎F)。MF今野(G大阪)、MF井手口(G大阪)、MF小林悠(川崎F)、MF高萩(FC東京)、MF倉田(G大阪)。FW金崎(鹿島)。スタメン11人の中ではGK中村航とDF室屋の2人がフル代表のデビュー戦となる。JリーグのMVPのMF小林悠は右SHでスタメン出場。1トップはFW金崎、トップ下にはMF高萩が起用された。
ベンチスタートになったのはGK東口(G大阪)、GK権田(鳥栖)、DF山本脩(鹿島)、DF初瀬(G大阪)、DF三浦弦(G大阪)、DF植田直(鹿島)、MF大島僚(川崎F)、MF三竿健(鹿島)、MF阿部浩(川崎F)、MF伊東純(柏)、MF土居(鹿島)、FW川又(磐田)の12名。DF山本脩、DF初瀬、MF三竿健、MF阿部浩、MF土居の5人が初招集となる。FW杉本健(C大阪)ならびにMF清武(C大阪)はケガで代表を辞退している。
■ 後半49分にMF井手口が劇的なゴール代表経験の少ない選手が中心となった日本は勝っていい形で大会を進めたかったが苦戦を強いられる。J2の讃岐でプレーするMF李栄直が中心となる北朝鮮に攻め込まれる場面が多くなる。前半はサイドに流れたFW金崎が何度か見せ場を作るが決定機はなかなか作れない。右SHに入ったMF小林悠は思うようにプレーに関与できず。攻撃は噛み合わないままで0対0のままでハーフタイムに突入する。
後半11分にトップ下の位置で起用されたMF高萩を下げてMF伊東純を投入。MF小林悠のポジションを中央に移すとMF伊東純の仕掛けからチャンスを作るようになる。後半26分にはFW金崎を下げてFW川又を投入。FW川又は中央で起点になろうとする。後半46分にはサイドを崩して左SBのDF車屋が高精度のクロスを入れるとFW川又が強烈なヘディングシュート。決まったかに思えたが相手キーパーにセーブされる。
大きなチャンスを逃した日本だったが後半49分にカウンターからチャンスを作る。左サイドに流れたFW川又のクロスをファーサイドのMF今野が折り返すとゴール前に上がっていたMF井手口がミドルシュート。相手DFに少しだけ当たってコースが変わってゴールイン。劇的な決勝ゴールとなって日本が1対0で勝利。苦しみながらも勝ち点「3」を獲得した。2戦目は12月12日(火)に引き分け発進の中国と対戦する。
■ 苦戦する傾向にある日本と韓国ブラジルならびにベルギーと対戦した欧州遠征で結果を出せずにやや苦しい立場になったハリルホジッチ監督にとって「今大会の優勝はノルマ」と言えるが状況的にはなかなか厳しい。毎度の話であるがこの大会は日程の関係で欧州組を招集することは難しくて主力の多くが欧州組となる日本と韓国は寄せ集めのようなメンバー構成で戦わざる得ない。日本の場合は「Jリーグ選抜」のような構成になる。
事前の準備期間も3・4日程度しかないことが多い。この大会は国内でプレーする選手が多い中国と北朝鮮が健闘して「どこが優勝するのか分からない。」というのがパターンになっている。北朝鮮や中国との試合も互角になることがほとんどであるが苦しみながらも勝利をつかんだ。あのまま0対0で試合が終わって引き分けスタートになっていたら重苦しい雰囲気になったと思うので起死回生のゴールとなった。
決勝ゴールの場面はDF室屋のクリアボールがMF小林悠にうまくつながってカウンターを繰り出すことができた。FW川又のクロスに対してしっかりと状況を判断してMF井手口にいいボールを落としたMF今野のプレーも光った。FW杉本健がケガで離脱したのでFW川又は「追加招集」という形で代表に呼ばれたが途中出場で存在感を発揮した。短い出場時間にとどまったがいいアピールが出来たと言えるだろう。
■ 大きなアピールを見せたのは・・・。劇的な勝利を飾ったが内容は芳しくなかった。どちらかというと北朝鮮の方が多くのチャンスを作ったので苦しい展開になった。内容的には物足りない試合になったが、先のとおり、メンバーがガラッと変わっていることならびに準備期間がほとんどなかったことを考えると致し方ないところもある。3・4日の準備期間のみでチームを作り上げるのは不可能。試合をこなしながらチーム力を上げていくしかない。
もちろん、「(試合に)勝った・負けた」は軽視できないが、より重要になるのは「フルメンバーが揃ったときの代表で活躍できる選手は誰なのか?を見極めること」であり、「新戦力が台頭してくること」である。4年前の2013年大会はFW柿谷(C大阪)、MF山口蛍(C大阪)、FW大迫(ケルン)、DF森重(FC東京)、MF青山敏(広島)などが活躍して代表に定着。そのままブラジルW杯のメンバーに選出されている。
コンフェデで3連敗した直後の大会だったことも大きく関係しているが4年前の東アジアカップでは序列が大きく入れ替わった。ターニングポイントになる大会だったが北朝鮮戦で大きなアピールが出来たのはGK中村航とMF伊東純の2人だろう。こういう状況なのでチームとして機能しなかったことを指摘しても意味はない。「個人として誰が目立ったのか?」が重要になるが柏でプレーする2人がインパクトを残した。
中でもGK中村航の活躍が光った。いくつか危ないシーンがあったが全てストップ。完封勝利に大きく貢献した。満を持して日本代表のデビューを飾ったが今の日本代表は絶対的なキーパーが不在。ここ最近はGK川島がポジションを奪回して守護神として君臨しているが35才のGK川島がいつまでも正キーパーを務める状況はあまり宜しくない。GK中村航と心中する覚悟で正キーパーに据えてもいい状況になっている。
もちろん、若い選手に大きな負担をかけるのは避けた方がいいケースも多々ある。プレッシャーに潰されてパフォーマンスを落とすケースもあるがGK中村航の精神力を考えると重要な役割を与えることがマイナスに作用することは考えにくい。むしろ、このことをプラスに変えることができる可能性が高い。状況的にも、タイミング的にも、GK中村航を正キーパーに据えても何ら問題ない状況と言えるだろう。
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