■ 甲府の下部組織が生んだ最高傑作「甲府の下部組織が生んだ最高傑作」と言われるMF堀米勇(甲府)は2016年はJ2の京都でプレーして37試合で7ゴールを記録。5位でプレーオフに進んだ京都の攻撃の中心として見事な活躍を見せた。昨オフに古巣の甲府に電撃復帰したが19試合で2ゴールのみ。ここ最近はベンチスタートがほとんど。出場機会に恵まれていない。大きな期待を受けて「決意の甲府復帰」だったが苦しいシーズンになっている。
甲府は昨オフに「攻撃的なパスサッカーを好む」と言われる吉田達磨監督を招聘した。守備重視のサッカーから攻撃重視のサッカーにモデルチェンジするのでは?と言われていたが大きな変化は生まれなかった。引き続いて城福監督時代から続く「守備を固めて少ない人数で攻め切るスタイル」に徹したのでMF堀米勇にとっては難しい環境になった。トータルでの出場時間はわずか945分にとどまっている。
「(現時点で)甲府の下部組織が生んだ唯一のスター候補生」なのでクラブ関係者ならびにサポーターは彼に対して特別な感情を抱いているがこのサッカーを継続する限り、MF堀米勇の能力は生かされない。愛媛FCや京都では攻撃の中心として活躍できたのでポテンシャルが高い選手であることは間違いないがJ1の中で「戦力的には下のレベル」になる甲府で良さをフルに発揮して躍動するのは相当に難しいだろう。
2015年は甲府で12試合に出場してノーゴール。このオフに一度は京都に完全移籍しながら再び1年限りで甲府に戻ってきたのでクラブへの思い入れは相当に強い選手だと思うがこれだけ攻撃的なセンスに溢れた選手が守備を重視するサッカーで埋もれてしまうのはかなり勿体ない。甲府では生きないシーズンがずっと続いているので「自分の良さを出しやすいチームに移籍する。」というのも選択肢の1つになる。