■ 1回戦の相手は欧州2位のイングランドU-17W杯は決勝トーナメントに突入した。GLを1勝1敗1分けの2位で通過した日本は3連勝で首位通過を果たしたイングランドと対戦した。U-17欧州選手権で2位に輝いたイングランドはGLの3試合で11得点/2失点。初戦はチリに4対0で大勝して、2戦目はメキシコに3対2で勝利して、3戦目はイラクに4対0で大勝している。アジア代表のイラクは昨秋のU-16アジア選手権の準決勝で日本と対戦して4対2で勝利している。
日本は「4-2-2-2」。GK谷(G大阪ユース)。DF喜田陽(C大阪U-18)、DF菅原(名古屋U18)、DF小林友(神戸U-18)、DF鈴木冬(C大阪U-18)。MF福岡(京都U-18)、MF平川怜(FC東京U-18)、MF中村敬(三菱養和SCユース)、MF上月(京都U-18)。FW久保建(FC東京U-18)、FW宮代(川崎U-18)。GL突破がほぼ決まっていた3戦目のニューカレドニア戦はメンバーを大きく入れ替えたがこの日はレギュラー組を起用してきた。
ベンチスタートになったのはGK梅田(清水ユース)、GK鈴木彩(浦和Jrユース)、DF馬場晴(東京Vユース)、DF山崎(広島ユース)、DF監物(清水ユース)、DF池高(浦和ユース)、MF奧野(G大阪ユース)、MF椿(横浜FMユース)、FW山田寛(C大阪U-18)、FW棚橋(横浜FMユース)の10名。飛び級での選出となる15才のGK鈴木彩はまだ出場機会を得られていないがその他の選手は全員がGLでスタメン出場を経験している。
■ 3番手のキッカーのDF喜田陽がPK失敗試合は前半4分にカウンターからMF上月が強烈なシュートを放つ。いい流れになったかに思えたが前半は防戦一方の展開になる。日本はボールの奪いどころが見つからずに押し込まれる時間帯が続いた。前半のボール支配率はイングランドが61%で、日本は39%。シュート数はイングランドが8本、日本が5本。苦しい展開になったが守護神のGK谷を中心に何とか無失点でハーフタイムに突入することができた。
迎えた後半もしばらくの間は前半の45分間と同じ流れになったが徐々にイングランドの足が止まってきて日本の良さを出せるようになる。後半9分に4試合連続スタメンのMF中村敬に代わってドリブラーのMF椿を投入すると右サイドからの仕掛けでチャンスを作るようになった。FW久保建にもいい形でボールが入るようになって個人技から何度か左足のシュートチャンスに持ち込んだが決めることはできない。
ほとんど攻撃に関与できなかったFW宮代がゴール前のチャンスに絡む場面も増えたが先制ゴールは奪えず。0対0で90分の戦いは終了。延長戦は行われずにそのままPK戦になったが日本は3番手のDF喜田陽のシュートをセーブされてしまう。対照的にイングランドは5人全員がしっかりと決めて万事休す。5対3でイングランドがPK戦を制してベスト8進出を決めた。準々決勝でアメリカと対戦することになった。
■ もっと上に行けたはずの世代タレントが豊富な世代なのでU-17W杯での上位進出が期待されていた森山JAPANの戦いはベスト16で終わることになった。どの世代でも日本代表は「世界大会でGLを突破できれば大成功」と言えるのでベスト16は一定の評価が出来るがこのチームは稀に見るタレントが揃った世代だったので「よくやった。」というよりは「もう少し上に行って欲しかった。」というのが正直な感想になる。ベスト16では満足できない。
この日も前半は苦しんだ。2戦目のフランス戦や3戦目のニューカレドニア戦と同じで日本の良さをほとんど出せなかった。プレッシャーをかけられてボールを後ろに下げてアバウトなロングボールを蹴るだけのサッカーになっていた。つなぎの局面でのミスを恐れるあまり、過剰に消極的なサッカーになってしまったことが試合を難しくしたがそれでも0対0のスコアのままで後半に突入することができた。
プラン通りだったのか、後半の中盤になるとイングランドの足が止まってきて日本の良さを出せる時間帯になった。MF椿とFW久保建を中心にいい攻撃を何度も見せたがゴールを奪うことは出来ず。試合を通して考えるとイングランドの方がたくさんのチャンスを作ったので劣勢の展開になったが流れ的には試合の終盤に日本が先制ゴールを奪って勝利をつかんでも全く不思議はなかった。非常に残念な結果と言える。
■ 身体的な能力がアドバンテージになりやすいU-17W杯PK負けは引き分けとカウントするのが一般的なので今大会の日本は1勝1敗2分けという結果だった。2戦目のフランス戦はスコアこそ1対2だったが内容的には完敗。この敗戦でチーム全体が自信を失ってしまったように感じられた。初戦のホンジュラス戦を6対1で大勝したので滑り出しは順調だったがスピードとフィジカルの強いフランスにコテンパンにされたことは続く3戦目や4戦目にも大きな影響を及ぼした。
フランス戦は不用意なミスからカウンターを食らう場面が非常に多かったがフランス戦以降は後ろ向きのパスが多かった。本来はきちんとパスをつないでチャンスを演出できるチームであるがアバウトなボールが多くなった。MF福岡とMF平川怜のWボランチに期待がかかったが思うようにボールを受けることはできず。攻守の要として期待をされていたボランチのMF平川怜は大会を通して良さを出せなかった。
サッカー界にはU-17W杯、U-20W杯、五輪(U-23世代)、W杯(フル代表)という4つの世界大会があるがナイジェリアやガーナなどU-17W杯は身体能力の高いチームが世界屈指の強豪国として君臨している。「年齢を重ねるにつれて身体的な能力はアドバンテージになりにくくなる。」というのはサッカー界の常識になっているが日本代表がU-17W杯を勝ち上がろうとするならば何かを大きく変えないといけないだろう。
目標には届かずに大会を去ることになったが生きるか死ぬかの大一番でイングランドと対戦出来たこと、ならびにゴールを許さずに90分の戦いを終えたことは大きな経験になるだろう。PK負けが決まった後、日本の選手の何人かは涙を流していたが、この悔しい結果を糧に成長していってほしいところである。1年後にはU-19アジア選手権、2年後にはU-20W杯の本大会、3年後には自国開催の東京五輪が控えている。
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