■ 首位を走るのは栃木SC2017年のJ3は17クラブで構成されている。クラブ数が奇数なので消化試合にばらつきはあるがJ2復帰を目指す栃木SCが首位に立っている。昇格1年目のアスルクラロ沼津が2位に付けており、3位はブラウブリッツ秋田、4位はカターレ富山、5位は鹿児島ユナイテッド、7位はFC琉球、8位はギラヴァンツ北九州、9位は藤枝MYFCと続いていく。2位以内の可能性を残すのは現実的にはここまでの9チームと言える。
ただし、上位9チームの中で沼津・秋田・藤枝MYFCの3チームはスタジアムの問題もあってJ2ライセンスを取得できずにいる。2位以内に入ってもJ2に昇格することはできないので沼津・秋田・藤枝MYFCが2位以内に入った場合は「J2からの降格枠」が減ることになる。J2で21位の山口、J2で22位の群馬のサポーターにとってはMyチームの結果と同じくらい沼津や秋田や藤枝MYFCが気になる状況になってきた。
ここ7試合で6勝1分けと好調の栃木SCはこのまま行きそうな雰囲気がある。夏に加入したFWネイツ・ペチュニクに注目が集まっているが同じ新戦力のDFメンデスとFW川田の活躍も目立っている。栃木SCに関しては「J3の14クラブの中でもっとも夏の移籍市場で効果的な補強が出来たクラブ」と言えるが新加入選手が期待以上の働きを見せている。「高さ」と「パワフルさ」が増してチーム力が一段ほど上がった。
■ 不振が続くのはガイナーレ鳥取「沼津・秋田・藤枝MYFCの3チームが2位以内に食い込めるのか?」が注目点になるが、この3チームは開幕前の期待値以上の成績を残している。付け加えるとピッチ上で披露しているサッカーも魅力的である。総得点は沼津が1位、秋田が2位、藤枝MYFCが3位タイとなる。J2昇格を目指すクラブと比べると失うものが少なくてリスクを冒しやすい状況にあることは確かであるが、面白いサッカーを繰り広げている。
対照的に「期待以下のシーズン」になっているのはガイナーレ鳥取である。2013年の入替戦で讃岐に敗れてJ3降格となったが降格4年目の今シーズンも苦しいシーズンになっている。J3のチーム数は増えているが、2014年が4位、2015年が6位、2016年が15位、2017年がここまで16位。毎年順位を落としている。昨シーズンは16チーム中で15位とブービーだったが、今シーズンも17チーム中で16位のブービーとなる。
25節を終えた時点で4勝13敗6分けで勝ち点「18」。勝ち点「21」で14位のグルージャ盛岡、勝ち点「20」で15位のセレッソ大阪U-23、勝ち点「16」で17位のガンバ大阪U-23と下位を構成している。23試合で23得点/46失点なので、ちょうど1試合平均の得点が「1.00」で、1試合平均の失点が「2.00」になる。これだけ失点数が多いと勝つのはなかなか難しい。4勝のみというのはリーグワースト1位タイとなる。
■ 17クラブの中で最も期待を裏切ったクラブ今シーズンの鳥取は「J3の17クラブの中でもっとも期待を裏切っているクラブ」と言わざる得ないが、鳥取を率いているのは2002年の日韓W杯に出場した元日本代表の森岡監督である。1つ前のエントリーでも触れた通り、「フラット3」と呼ばれる戦術を採用したトルシエJAPANの頭脳と呼ばれて3バックの中央を任された宮本監督と森岡監督がJ3の下位を争い形になっているのはなかなか興味深い話である。
鳥取は現在5連敗中。泥沼状態にハマっているが直近の24節の藤枝MYFC戦(H)は1対6で大敗している。前半だけで4失点を喫するなど厳しい試合になったが、7月15日(土)に行われた17節のFC東京U-23戦(H)も0対6で敗れている。2か月ほどの間にホームで2つも「6失点負け」を喫しており、ホーム戦では3月26日(日)に行われた3節の長野戦(H)を最後に勝利から遠ざかっている。異常事態と言わざる得ない。
鳥取もタレントに恵まれていないわけではない。大卒2年目のFW河合秀、大卒1年目のFW加藤潤はどちらも小柄ながら活きのいいアタッカーで、Jリーグ史上最長身の205センチのFW畑中という選手もいる。21才のFW畑中は今シーズンになって出場機会を増やしている。また、J1の磐田から期限付き移籍のFW岩元颯オリビエも高さとしなやかさを持った選手なので攻撃的なポジションに関してはなかなか面白い選手が多い。
■ 厳しい立ち位置になっている森岡監督森岡監督にとっては京都U-18時代からの教え子となるMF沼もいるので「若くて才能のある選手がうまく噛み合ったら面白いサッカーができそうだ。」と感じるメンバー構成になっているが、さらにFW黒津やFW前田俊やDF片岡といった経験豊富な選手も控えている。J3になると(U-23の3チームを除くと)「中堅からベテランの選手が中心」となるチームが多いのでフレッシュさは感じられるが結果につながらない。
高校生やプロ1年目の選手が主力を担う宮本監督が率いるG大阪U-23以上に鳥取に関しては「各ポジションにある程度の駒は揃っているのでこの成績は考えられない。」と言うしかない。森岡監督も現在時代から頭脳派のCBとして鳴らしたので「将来的には指導者としても成功を収めるだろう。」と思われていたが鳥取の地で躓いてしまった。Jリーグの監督を任されるのは初めてだったが出鼻をくじかれてしまった。
宮本監督の場合は気の毒に感じる点があるので情状酌量の余地はあるが、森岡監督の場合は言い訳を見つけにくい立ち位置である。京都U-18の監督をしていた時の評価はまずまずだったのでかなりの期待を受けて鳥取の監督に就任したが、やはり、「ホームで2度の6失点負け」と「半年以上ホームで未勝利」というのは印象が悪い。「1年限りでの退任」を免れるのは難しい状況になっているがどうなるだろうか・・・。
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