■ 初タイトルを狙える位置にいる。2016年の昇格POを制して「J1復帰」を決めたセレッソ大阪は3年ぶりのJ1の舞台で大きな存在感を発揮している。ここに来て一時と比べると勢いが落ちてきたがJ1の優勝争いに絡んでおり、ルヴァン杯はクラブ史上初となるベスト4入りが決定。さらには天皇杯でもベスト8に勝ち残っている。天皇杯はもちろんのこと、ルヴァン杯もここまで6勝4分けと負けなし。「カップ戦はまだ無敗」というのは相当なことである。
尹晶煥監督は完全なターンオーバーを採用しており、カップ戦になるとGK丹野、DF酒本、DF茂庭、DF田中裕、MF秋山大、MF福満、FWリカルド・サントスなどを主力として起用しているがメンバーがこれだけ大きく入れ替わっても結果を残しているというのは称賛に値する。サブ組がモチベーションを落とすことなくしっかりと準備を行って戦うことが出来ている。チームマネージメントがうまくいっている証と言える。
25節のFC東京戦(A)は4対1で大勝。リーグ戦では4試合ぶりに勝利を手にしたがこれで勝ち点は「48」となった。16位の広島は勝ち点「20」。残り9試合を全勝したとしても勝ち点「47」止まり。この時点でC大阪の「J1残留」が確定した。プレーオフからの昇格組では史上初となるJ1残留を勝ち取ったことになるが今オフの注目ポイントを挙げると以下の3つが挙げられる。
・エースに成長したFW杉本健の去就。
・既存のレギュラー組を脅かす選手を獲得できるか?
・出場機会に恵まれていない選手や若手選手の動向。
■ 最大の注目ポイントはFW杉本健の動向日本代表デビューを果たしたFW杉本健はJ1の得点王に絡んでいる。「ベストイレブンに選ばれるのは間違いない。」と言えるほどの活躍を見せているが、今夏、スペインのクラブが獲得に乗り出した。最終的には話は進展せずにC大阪に残ることになったが、海外リーグのクラブからを目を付けられる存在になった。20ゴールであったり、得点王といった実績を加えることができるとその評価はさらに高まるだろう。
本人も「海外リーグでプレーしたい。」という希望は持っていると思うので動向が注目される。今シーズンのFW杉本健は点を取るだけでなくポストプレーや前線からの守備でもチームに大きく貢献している。尹晶煥監督のサッカーの根幹を担う担う選手なので海外移籍となると大きな穴が空く。C大阪には替えの利かない選手がたくさんいるが、その中でもFW杉本健は「もっとも抜けられると困る選手」と言えるだろう。
「FW杉本健の去就」が今冬のC大阪の最大の注目点になるがそれでも2018年はW杯イヤーなので「今冬の欧州移籍の可能性」はあまり高くない。すでに日本代表の大枠の輪の中に入っており、リスク覚悟で焦って欧州リーグのクラブに移籍してハリルホジッチ監督にアピールする必要はない。慣れ親しんだC大阪でプレーしてJ1の舞台である程度の活躍を続けることが出来るとロシア行きの可能性が高まる。
■ 最優先補強ポイントは右SBとCBか?ACLの出場権を獲得できた場合はもちろん、そうでない場合もタイトルを目指すためには選手層をさらに厚くする必要がある。今シーズンはカップ戦で主力として起用されている選手がよく頑張っているがレギュラー組と比べると大きく見劣るするポジションが多い。GKキム・ジンヒョン、DFマテイ・ヨニッチ、DF丸橋、MFソウザ、MF山口蛍、MF柿谷、MF山村和、FW杉本健が欠けると戦力的には大きなマイナスとなる。
彼らを総合力で上回る選手を獲得するのは相当に難しいがレギュラー格の選手に刺激を与えることが出来る実力者は必要である。戦力の底上げが必要になってくるが現実的な話をすると右SBとCBの2つのポジションが最優先補強ポイントになる。右SBはDF松田陸、CBはDFマテイ・ヨニッチとDF山下が主力として起用されているが、DF松田陸やDF山下よりも上のクラスの選手を獲得するのは不可能な話ではない。
現時点で話に挙がっているのはタイ代表のDFティーラトン(ムアントンU)。ACLで何度も日本のクラブと対戦しているのでJリーグのファンにもお馴染みの選手である。『アジア有数のプレイスキッカー』と言われており、『アジア屈指の左SB』と評価する人もいる。9月初めに『新戦力候補としてC大阪が獲得に乗り出している。』と報じられたが東南アジアに目線が向いているクラブなのであり得ない話ではない。
■ 出場機会に恵まれていない選手の去就C大阪は主力の流出に関してはあまり考えなくも大丈夫なクラブである。これまでの経緯を考えるとチームの顔であるMF柿谷やMF山口蛍が他クラブに流出することはまずあり得ない。今シーズンは怪我に苦しんだMF清武も同様である。軸となる選手の慰留にそこまでエネルギーを注がなくても大丈夫なクラブは選手補強にエネルギーを費やすことができる。こういう環境というのはフロントとしてはありがたい。
FC東京からの期限付き移籍となるMF水沼の動向も注目されるがこれだけC大阪のサッカーにフィットして出場機会を得ており、かつ、FC東京に移籍した理由の1つだった城福監督がすでにチームを去っていることを考えると引き留めるのはそこまで難しくない。当然、MF清武が完全復活すると右SHのレギュラーポジションを守るのは難しくなるが、尹晶煥監督の信頼は厚いので蔑ろにされることは考えられない。
攻撃的なポジションはFW杉本健が残留すればそのままでも大丈夫なほどタレントが揃っているが、あえて言うと、「試合の流れを変えることができるドリブラー」がいない。MF泉澤(G大阪)のような1人でボールを持って局面を打開できる選手がいないので「ビハインドの展開になったときに打てる手」が意外と少ない。背の高い選手は多いのでパワープレーは威力満点であるが選択肢自体はあまり無いのが現状である。
その他ではリーグ戦において出場機会に恵まれなかった選手の動向も注目される。今夏は期限付き移籍でMF清原をJ2の徳島、DF椋原をJ1の広島に貸し出したが、山口から加入したMF福満も出番に恵まれていない。また、MF前川、MF丸岡満、DF庄司、MF米澤など若手を積極的にJ2のクラブに貸し出すチームなので手っ取り早く戦力をアップさせたいJ2の中堅以下のクラブにとってC大阪の選手は狙い目と言える。
2018/01/07 【J1】 順位予想バトル 2018年版 受付開始 (現時点の参加者:201名)
2018/01/08 【J2】 順位予想バトル 2018年版 受付開始 (現時点の参加者:78名)
2018/01/11 【J3】 順位予想バトル 2018年版 受付開始 (現時点の参加者:20名)
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