■ 3位浮上なるか3位のベガルタ仙台が前日(10日)の東京V戦で引き分けたため、この試合に勝てば3位に浮上できる京都サンガが、ホームの西京極でモンテディオ山形と対戦。
山形は、現在、9位。3日前の天皇杯でG大阪にPK負けとはいえ、2点リードを奪うという善戦をして、チームのムードは悪くないはずである。
京都は、FWパウリーニョが怪我のため欠場。<4-3-3>で、GK平井。DF平島・角田・森岡・手島。MF斉藤・石井・倉貫。FW田原・渡邊・徳重。FWアンドレはベンチスタート。
対する山形は、<4-5-1>に近い形。GK清水。DF須田・園田・渡辺・石川。MF秋葉・本橋・佐々木・財前・北村。1トップで豊田。
■ 先制ゴールは山形試合は、両チームとも中盤を省略し、山形は豊田、京都は田原の頭を目掛けてシンプルに攻撃を行う展開となる。
そんな中、前半32分に山形が先制する。
左サイドからのFKで、中央に上がったボールを、京都のGK平井がパンチングでクリアを試みるも、不十分で、山形のMF佐々木の前にこぼれると、佐々木が右足で押し込んで先制ゴールとなった。
先制された京都は、その直後の前半36分にMF倉貫に代えてFWアンドレを投入。2トップに変更して、田原&アンドレのパワープレーに活路を見出そうとする。
すると、前半37分に、右サイドを突破したMF渡邊がパーフェクトのクロスボールを上げると、中央で待ち構えていたFWアンドレが同点のヘディングシュート。交代策がはまって、京都がすぐに同点に追いついた。
鳥栖戦でも、前半で3点リードされた京都は、前半のうちに3人の交代枠を使い切ったが、この試合でも前半から選手交代を行う積極采配。鳥栖戦では成功しなかったが、この試合は成功した。前半は、1対1で終了。
■ 京都が3位に浮上なんとしても勝利が必要な京都だったが、後半7分に、左CKからDF角田がヘディングですらしたボールを山形のDFがクリアしきれずにオウンゴールとなって、2対1と勝ち越しに成功する。
山形は、1トップ気味に構えるFW豊田にロングボールを当ててそのこぼれ球を拾う作戦に出るが、水曜日に120分間の死闘を戦った影響もあったのか、動きが重く、なかなかチャンスを作れなかったが、ラスト15分になって猛攻撃を開始。
この時間帯は、ずっと山形がボールをキープして京都を押し込むが、京都のDF陣もしっかりとリトリートとして対応。ロスタイムに北村にあわやのシーンを作られるが、何とかしのいで、2対1で京都が勝利。仙台を抜いて、3位に浮上した。
■ 2トップなのか3トップか京都は、先制ゴールを奪われたあとは、<4-3-3>から<4-4-2>に変更し、アンドレと田原の高さと強さを生かす作戦に出たが、これがこの試合は功を奏した。
J1昇格に向けて、50節はコンサドーレ札幌、51節はベガルタ仙台戦が控えるが、どちらの試合も、勝たなければならない試合である。そこで注目されるのが、FWパウリーニョが使えないと仮定したとき、2トップを選択するのか、3トップを選択するかである。
2トップならばアンドレと田原のコンビとなり、3トップならばアンドレと田原のどちらかはベンチスタートとなるが、対戦相手の札幌と仙台は、どちらもディフェンスの堅さには定評があって、単純な放り込みのサッカーを相手にしたときは、強さを発揮する。
ただ、田原もしくはアンドレ1人で、屈強なDFに抵抗できるかどうかは未知数であり、どちらが望ましいのか、分からない。加藤久監督の考え次第であり、ポイントになるだろう。
■ 鍵を握るのは中盤前線の組み合わせも注目だが、試合の鍵を握るのはやはり中盤の攻防だろう。
斉藤・石井らの京都の中盤は、札幌や仙台を上回る力を持っているので、京都としては、ストロングポイントである中盤が生きるような展開にしたいところである。
また、この試合では、山形の右サイドアタッカーの佐々木への対策として、左サイドに手島を入れたが、札幌も仙台もサイドに優秀な選手を持っており、加藤監督が、どういうスタメンで試合に望んでくるのかも重要になるだろう。
■ 勝つしかない2連戦3位の京都としては、首位の札幌と4位の仙台との対戦では、少なくとも1勝1分で乗りきらなければ、J1昇格の目が見せてこないだろう。
仙台戦も重要だが、まずは札幌戦である。札幌との勝ち点差は「6」であるが、51節は札幌が休みのため、50節の直接対決に勝利し、さらに51節の仙台戦にも勝利すれば、札幌を抜いて自動昇格圏内の2位以内に入り込むことが出来る。
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