■ J1勢は4チームが2回戦で敗退する・・・。天皇杯の2回戦は6月21日(水)に行われた。基本的にJ2のクラブは1回戦から、J1のクラブは2回戦からの登場となるので、ようやくJ1のクラブが登場してきたが札幌はいわきFCに2対5で大敗。FC東京はJ3の長野パルセイロにPKの末に敗れた。さらに仙台は2対3で筑波大に敗れており、甲府も0対1でヴァンラーレ八戸に敗れている。その他のJ1クラブは2回戦を突破しているが、4チームが格下を相手に不覚を取った。
一方、J2のクラブは「J2同士の潰し合い」が多かったが、主力級の選手をスタメンに並べてきた京都がJ3参戦1年目のアスルクラロ沼津に敗れるという波乱が起こった。沼津に関しては主力の多くをスタメンから外しており、元日本代表のMF伊東輝などを起用して来たが、見事にGIANT KILLINGを果たした。沼津は今シーズンのJ3で快進撃を見せているが知名度の高くない沼津にとってはメモリアルな試合になった。
これでベスト32が出揃ったが、J1のクラブが14チーム、J2のクラブが13チーム、J3のクラブが2チーム(長野・沼津)、JFLの1クラブが1チーム(八戸)、地域リーグのクラブが1チーム(いわきFC)、大学が1チーム(筑波大)となる。「Jリーガー予備軍」とも言われている筑波大の快進撃も話題になっているが、やはり、今年の天皇杯に関しては福島県1部所属のいわきFCが最大の注目チームである。次はJ1の清水と対戦する。
■ 京都 vs 沼津で起こった差別騒動天皇杯については「GIANT KILLINGがほとんど無くて順当に格上のチームが勝ちあがるのは面白くないが、あまりにもGIANT KILLINGが起こり過ぎるのも・・・。」という複雑な感情が芽生えてくるが、GIANT KILLINGが起こった2回戦の京都 vs 沼津(西京極陸上競技場)で京都のMF吉野恭が相手選手に対して差別的な発言を行ったことが問題視されており、すでに3試合の出場停止処分が下されている。
21節の群馬戦(H)、22節のFC岐阜戦(A)、23節の徳島戦(A)の3試合が対象となるが、MF吉野恭というと京都のボランチの軸となる選手である。「MF吉野恭+誰か」という組み合わせになることがほとんど。最近の試合ではCBが本職となるMF染谷とWボランチを組んでいたが「MF吉野恭が3試合出場できない。」というのは大きな痛手である。出来る限り、勝ち点を取りこぼしたくない京都にとっては痛恨の出場停止である。
はっきりしたことは分かっていないが、京都の公式サイトには『本件は、天皇杯大会規律委員会で検証のうえ、同選手の発言は、公益財団法人日本サッカー協会競技及び競技会における懲罰基準3-5.(1)『差別―人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為により、個人あるいは団体の尊厳を害した場合』に該当すると判断されました。』と説明されている。
また、「クラブといたしましても、本事象を大変重く受け止め、吉野選手本人の減給、および社会奉仕活動への参加を命じたほか、再発防止に向け、選手およびチームスタッフ、クラブスタッフ全職員の教育を行い信頼回復に努めてまいります。」と記載されているので「処罰されるのは当然」と言える発言があったことは間違いなさそうだ。例のDF森脇の差別騒動の出場停止は2試合だったのでそれよりも処分は重くなる。