■ 前代未聞とも言える相手の3番の暴力行為 ACLのラウンド16の浦和レッズ vs 済州ユナイテッドの一戦は2試合合計で2対2のスコアになったので延長戦に突入したが、延長戦の後半9分にMF森脇がゴールを決めて浦和が(合計スコアで)逆転に成功した。(※ 延長戦ではアウェイゴールのルールが適用されない。ここから済州がゴールを奪って3対3の同点で120分の戦いが終了した場合は「済州の勝ち抜け」ではなくて「PK戦に突入する。」というルールだった。)
浦和にとっては劇的な逆転勝利となったが浦和の勝利以上に注目と関心を集めているのは乱闘劇である。延長戦の後半終了間際には済州の控えメンバーである3番の選手がピッチに乱入してMF阿部勇にエルボーを食らわせた。さらに試合終了後には済州の3番や5番や13番や37番あたりが我を忘れて醜態をさらした。相手のターゲットになったDF槙野は全速力でロッカールームに戻らざる得ない非常事態だった。
試合終了直後から浦和のサポーターを含めた日本のサッカーファンは済州側のスポーツマンシップを欠いた態度に怒り心頭だったが、試合後の済州の監督の発言は火に油を注ぐ結果になった。
・お互いの行動と言葉が衝突を引き起こした.
・浦和の選手が我々のベンチに向けてセレブレーションしたのでこちらの選手たちも興奮した。
・「敗者のマナー」というものは必要だが「勝者のマナー」というものも必要だと思う。
などと発言したと報じられており、「揉め事の原因は浦和側にもある。」と主張しているが、そもそもの発端は延長戦の後半終了間際のイザコザであり、ベンチメンバーだった済州の3番の選手のMF阿部勇への暴力行為(=エルボー)である。試合終了後の出来事だけが問題視されているのであれば監督の主張にも耳を傾ける必要があるが、意図的に発端となった行為に触れていないのであれば的外れな主張というしかない。
■ 一般のサポーターが投稿した動画をチェックすると・・・。 なので最低限の流れを把握している人からすると「この監督は何を言っているんだ・・・。」となるが、相手の主張通りに浦和の選手(※ DF槙野のことを指すと思われる。)に挑発など何かしらの問題行動があったのか?についても確認しておく必要がある。もちろん、全面的に悪いのは済州側である。浦和側にはほとんど落ち度はないが、ひとまず冷静になって「彼らの主張が正しいのか?」も検証しておく必要がある。
この試合はCSのG+で放送されていたが、試合終了後のイザコザのきっかけが何だったのか?については中継映像では分からない。いきなり画面が切り替わって主に済州の選手がエキサイトしているシーンが流れてきた。TV中継だけでは分からないが、一般のサポーターが現場の様子を撮影して動画サイトにアップしている。いくつかの動画をチェックしたが、一番、分かりやすかったのは以下の動画である。
VIDEO ■ DF槙野の動きに注目してみると・・・。 これは試合終了直前の済州の最後の攻撃以降の動画(5分31秒)になる。DF槙野の位置に注目して動画を見ていくと
・DF遠藤航やMF柏木と合流。喜びながらベンチ方向に走っていく。 (0:13~0:19あたり)
・スタッフやベンチメンバーと合流。スタンドに向かって雄たけびを上げている。(0:19~0:23あたり)
となる。DF槙野の姿をしっかりと確認できるのはひとまず0:23あたりまで。ここからはピッチ上で倒れ込んでいるこの試合のヒーローのMF森脇のところに画面が切り替わっていくが、注意して見ていくと0:26あたりで手前側にいる済州のスタッフ(コーチか?通訳か?)と思われる人物が浦和の選手やスタッフが集まっている集団に何かを叫びながらエキサイトした様子で近づいていく姿がしっかりと確認できる。
0:30~033あたりまでは倒れ込んでいるMF森脇の姿が映し出されているが、その後、もう一度、画面が切り替わって0:36あたりでDF槙野と相手の37番が口論している様子が確認できる。2人の言い争いを止めようとしている人も何人かいるが、その後、済州の5番が血相を変えてDF槙野と37番がいるエリアに駆け寄ったことで大きな集団が出来た。これで火が付いてしばらくの間は二進も三進もいかない状況に陥った。
■ DF槙野の挑発が原因だった可能性は低い。 済州の監督が主張するような挑発があったとするならば画面が切り替わってDF槙野の姿を確認することができない「0:23~0:26あたりに何かをした。」となるが、『わずか3秒ほどの間に済州のベンチに向かってここまで相手がエキサイトするほどの挑発をDF槙野がした。』というのは常識的には考えにくい。このあたりの時間帯のDF槙野は相手を挑発することよりも仲間と喜びを分かち合うことで精いっぱいである。
その後、0:37あたりでDF槙野と相手の37番が言い争っているシーンが確認できるが、ここでのDF槙野の言動を挑発と捉えるのは無理がある。完全にお互い様の状態である。結局、空白の時間があってDF槙野の様子を最初から最後まで確認することができないので断言することはできないが、
・0:23あたりのDF槙野の様子
・0:26あたりの済州のスタッフのエキサイトした様子
・0:37あたりのDF槙野と37番のやり合い
の3つの場面から「DF槙野にそもそもの原因がある。」という済州の主張は相当に無理があると感じる。「メインスタンドの中央付近あるいはメインスタンドの済州側にいる浦和サポーターへのアピールを勝手に自分たちへの挑発と誤解してエキサイトしてしまった。」という可能性が最も高いと感じるが、「その場しのぎの言い訳(=口から出まかせ)」という可能性も否定できない。
この動画を見ると「DF槙野が済州のベンチに向かって行って相手を挑発した。」という当初に流れていた真偽不明の噂は完全にガセだったと言い切れる。0:26あたりに映っている済州のスタッフがきっかけを作ったのでは?と推測するが、自分たちから相手を挑発するようなことを仕掛けてきてちょっとでもやり返したらその部分を大きく取り上げて「挑発だ。」と主張しているのであれは著しくフェアではない。
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