■ 差別騒動でバッシングを浴びたMF森脇良太ACLのラウンド16は5月30日(火)と5月31日(水)に開催された。Jリーグ勢は鹿島と川崎Fと浦和の3チームがGLを首位で突破して決勝トーナメント進出を決めたが、広州恒大と対戦した鹿島はアウェイゴールの差で惜敗。鹿島はベスト8入りを逃したが、川崎Fはホーム戦もアウェイ戦も自慢の攻撃陣が爆発。タイのムアントンUに合計7対2のスコアで圧勝。2009年以来でクラブ史上3度目となるベスト8入りを決めた。
一方、Kリーグの済州ユナイテッドと対戦した浦和は1stレグ(=アウェイ戦)は0対2で敗戦。アウェイゴールを奪うことが出来ずに苦しい状況で2ndレグ(=ホーム戦)を迎えることになったが前半にFW興梠とMF李忠成がゴールを決めて(合計スコアで)2対2の同点に追いつくと15分ハーフの延長戦の後半9分にMF高木俊のクロスから右WBの位置に上がっていたMF森脇がゴールゲット。2点差を挽回してベスト8入りを決めた。
後半の終盤に相手に退場者が出て数的優位の状況になったが攻めきれなかった。クロスを上げても跳ね返される場面が目立ったが3点目のゴールの場面はMF高木俊のクロスの精度と質が極めて高かった。5月4日(木)に行われたJ1の10節の鹿島戦(H)の差別騒動で大きなバッシングを浴びたMF森脇がヒーローになったが、精神的なダメージを負っていたMF森脇にとってはずっと忘れられないゴール&勝利になった。
■ 理解不能な済州ユナイテッドの3番の行為結局、東地区でベスト8に残ったのは川崎F・浦和・上海上港・広州恒大の4チームになる。Jリーグ勢が2チーム、Cリーグ勢が2チームということでKリーグ勢がゼロ。今シーズンのACLは「Jリーグ勢の頑張り」と「Kリーグ勢の不振」が目立っているが、Kリーグ勢がベスト16で全て消えるというのは極めて珍しい。3チームがGLで敗退したので済州がKリーグの唯一の砦だったが2点リードを守り切れなかった。
数的不利になりながら浦和の猛攻をしのいで(合計スコアで)2対2を維持したままで時計を進めることが出来た済州イレブンの頑張りは称えられるべきであるが、試合終了の寸前以降の済州の選手数名の態度は酷すぎた。まず、延長戦の後半の終了間際に小競り合いが起こったが(ベンチにいたと思われる)済州の控え選手の3番が逆サイドで起こった小競り合いに参戦。MF阿部勇をエルボーでノックアウトさせた。
当然のことながら、3番は一発レッド。退場を命じられたが、リプレーを見ると小競り合いを止めようと仲裁に入っていたMF阿部勇のところにかなりのスピードで3番が駆け寄って来ていきなり強烈なエルボーをお見舞いした。言うまでもなく、MF阿部勇という選手は誠実でクリーンな選手である。ピッチ上ではなくて普通の街中であったならば「傷害事件」になるような愚行である。意味不明な行動だったというしかない。
■ 極めて後味の悪い試合このイザコザの数分後に試合終了のホイッスルが鳴った。大逆転でベスト8入りを決めた浦和の選手やサポーターは喜びを爆発させたが試合終了後にもいくつかの箇所で小競り合いが起こった。浦和にとっては素晴らしい大逆転劇で、退場者を出して数的不利な状況になりながら懸命に体を張って失点を阻止した済州にとっても(結果は出なかったが)誇れる試合内容だったが、極めて後味の悪い試合になった。
試合終了後は済州の選手数名が我を忘れてチンピラと化した。DF槙野などは相手選手数名に追いかけられて走ってロッカールームに逃げざる得なくなった。異常な光景だった。MF阿部勇にエルボーを食わらせた3番の選手と試合後にレッドカードが提示された5番の選手が揉め事の中心だったが済州の5番は柏や群馬や熊本などでプレーしたCBのDFクォン・ハンジンである。馴染みのある選手なので余計に残念に感じた。
「試合後にDF槙野が相手のベンチに歩み寄って挑発をした。」という話もある。「本当にDF槙野が挑発をしたのか?」、「(YESであれば)どの程度の挑発だったのか?」、「本当に挑発する意図があったのか?」などは現段階では不明。「DF槙野を含めた浦和の選手には全く非がない。」とは言えないが、人格者のMF阿部勇に対してあのような乱暴行為が行われたのである。浦和の選手も冷静ではいられなくなる。
■ どういう処分が下されるのか?「すべての原因が済州側にある。」とは言えないが、そもそもの発端が済州の3番の選手の普通で考えられない暴挙なので済州に対する印象は悪い。『ノーサイドの精神』はラグビーだけでなくサッカーの世界でも常識と言えるが、日本絡みの試合でここまで荒れるケースは相当に珍しい。試合が終わった後は「好ゲームを見せてくれた両チームの選手の頑張り」ではなくて「イザコザ」が話題になっている。
済州の3番の選手はいったい誰なのか?どういう選手なのか?など全く情報は持っていないが、反対サイドまで走って来て何の非も無い(と考えられる)MF阿部勇に対して不意打ちでエルボーを食らわすというのは人間が理解できる範疇を越えている。試合後にもピッチ上でエキサイトしている姿が確認できたのでレッドカードが出された後も居座ったと考えられる。「さすがに酷すぎる。」とご言わざる得ない。
「何が3番をここまでエキサイトさせたのか?」は分からない。「いつもこういう感じなのか?」、「この日が特別おかしかったのか?」ははっきりしないが、AFCはしっかりと精査した上できちんとした処分を下さなければいけない。この件に限らず、「vs 日本」となると韓国は選手もクラブもサポーターもやりたい放題になる傾向が強い。「日本相手であれば何をしても許される。」という意識が働くのだろう。
日本にとっては迷惑な話であるが、韓国にとってもいい話ではない。仮にJリーグの試合で無関係な選手がいきなり相手にエルボーを食わらせたら数試合の出場停止処分が下るのは確実。MF森脇の差別騒動にも同じことが言えるが、きちんとした処分を受けないままで見過ごされている状態が続くと「問題ない。」と勝手に思い込んで言動がエスカレートしていく。3番ならびに済州に厳しい処分が下されることを望みたい。
拍手が多かったエントリー (2005年-2017年)
第01位 2009/02/19 サッカーを観る上で気をつけたい8箇条 → 433拍手
第02位 2007/12/16 オシムジャパンを殺したのはセルジオ越後か? → 360拍手
第03位 2008/06/01 松本育夫(サガン鳥栖GM)のサッカー人生 → 271拍手
第04位 2008/05/02 みんなKAZUが好きだった。 → 255拍手
第05位 2008/08/14 凹んだときにはオシム語録 → 250拍手
第06位 2010/06/30 日本代表のスタッフと27人の選手をたたえよう。 → 244拍手
第07位 2010/06/03 日本サッカーの偏差値を下げてしまっている人 → 219拍手
第08位 2013/01/31 【読エ】 鳥栖サポーターにとっての豊田陽平とは? → 216拍手
第09位 2013/01/04 【読エ】 サンフレッチェ広島 J1リーグ優勝について想う → 210拍手
第10位 2010/02/12 杉山サンが酷過ぎる → 200拍手
第11位 2011/03/10 【シャルケ×フランクフルト】 内田篤人のメッセージ → 200拍手
第12位 2008/05/04 カリスマ:山本浩アナの名フレーズを堪能する。 → 194拍手
第13位 2008/01/14 金子達仁さんのレッズサポ批判 → 176拍手
第14位 2010/05/16 【C大阪×神戸】 シンジ 旅立ちの日 (生観戦記 #4) → 171拍手
第15位 2008/10/30 もし、小倉隆史の大怪我がなかったならば・・・。 → 169拍手
第16位 2008/05/30 中田英寿のいない日本代表チーム → 162拍手
第17位 2014/02/25 ゼロックスでの広島批判に感じた強烈な違和感 → 154拍手
第18位 2013/03/07 【読エ】 香川真司と柿谷曜一朗 → 147拍手
第19位 2008/08/13 ラモス瑠偉と日の丸への思い → 129拍手
第20位 2011/02/02 はじめてのサッカースタジアム → 122拍手
第00位 2016/09/01 J3+(アンテナ) ・・・ 人気のあるサッカーサイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-