■ 独走する可能性があるのは湘南ベルマーレJ2は4節が終了した。大半のクラブはホーム戦とアウェイ戦を2試合ずつ戦ったことになるが、3勝1分けの湘南ベルマーレが首位を走っており、2位の横浜FCも同じく3勝1分け。好スタートを切ったと言える。「1年でのJ1復帰」を目指す湘南は4試合で5得点/1失点。開幕節の水戸戦(A)と4節の愛媛FC戦(A)はともに1対0の勝利だったので僅差の試合が多くなっているが、内容的にはかなり充実した戦いを見せている。
4試合で計5得点というのは決して悪い数字ではないが、湘南の場合、相当な数の決定機を外している。おそらく、決定的なチャンスを作った数をカウントしてみると湘南が断トツになるのではないか。「決定力不足の解消」は相変わらずの課題と言えるが22クラブの中では一番強さを感じさせる戦いを繰り広げている。メンバーはかなり入れ替わったが湘南らしさは健在。MF秋野やDF杉岡など新戦力の頑張りも目立つ。
MF山田直やMF表原など「決定力に課題を抱えている選手」が多いので今後も決定力不足に悩まされる可能性は高いが今の時点で「独走する可能性」があるのは湘南のみ。これから上位陣との直接対決が増えていくが「湘南を走らせないこと」が自動昇格を狙う他のクラブにとっては大事な話になってくる。若手が多くて、かつ、ノビシロの大きい選手が多いので試合を重ねるごとに強さを増していく可能性は高い。
■ まだまだ時間がかかりそうな名古屋グランパス大注目の名古屋はここまで2勝1敗1分け。4試合で5得点/4失点。開幕戦はホームで岡山に2対0で勝利したが、2節はホームでFC岐阜と対戦して1対1の引き分け。3節はアウェイで千葉に0対2で敗れて、4節はホームで水戸に2対1で勝利した。数字的には千葉と全く同じで8位タイに付けているが理想に近い戦いが出来たのは開幕の岡山戦(H)くらい。2節のFC岐阜戦(H)と3節の千葉戦(A)は非常に苦しい試合展開になった。
ボール支配率に着目すると1節は54%、2節は42%、3節も42%、4節が61%。平均すると49.8%となる。川崎Fの時のように圧倒的にボールを保持して攻め込む展開にはならない。システムも最初の3節は3バックを採用して、4節は4バックを採用したが、まだまだ完成度は低い。新外国人のMFワシントンとDFシャルレスが存在感を発揮しているのは好材料と言えるが、軌道に乗るまでには時間がかかるだろう。
期待のFW佐藤寿はここまで4試合連続でスタメン起用されているがまだゴールなし。結果を残せていないが動き自体は非常にいい。決定機に絡む場面は多いのでゴールを量産し始めても不思議はない状態である。ストライカー系の選手が多い中、風間監督は彼らを何とか併用させようと苦心しているが、FWシモビッチとFW永井龍は結果を出しており、FW玉田も同様で動き自体は良い。フォワード陣はやはり強力である。
■ 戦力的にはJ2の中で屈指と言えるアビスパ福岡開幕前の時点では「名古屋・松本山雅・湘南・福岡・京都の5強」と言われていたが、福岡は3勝1敗。開幕節こそ大分に1対2で敗れたが、2節以降は3連勝。4試合で3ゴールを奪っているFWウェリントンが好調。止めようがないレベルの存在感を発揮している。神戸から約2年半ぶりに戻ってきたMF石津も好調。FW松田力、MF山瀬功、MF城後、FWウィリアン・ポッピ、MF邦本、MF為田ととにかく攻撃の駒は豊富である。
「J2では規格外の選手」と言えるFWウェリントンという軸がしっかりしているのは福岡の最大の強みである。一方、攻撃陣と比べると不安の大きかった守備陣もDF岩下とDF冨安を中心にまずまず安定している。J1で最下位になってJ2に降格してきたクラブは翌年のJ2で苦しむケースが多かったが充実した補強が出来たこともあってJ1時代の良くない雰囲気はほとんど感じられない。戦力的にはJ2の中では屈指と言える。
松本山雅は2勝1敗1分け。開幕から2試合連続で無得点だったが3節はアウェイでFC岐阜に1対0で勝利すると、続く4節は好調の千葉を相手にホームで3対1で勝利した。4試合で4得点/2失点。攻撃陣はまだ爆発しきれていないが今シーズンも持ち味である堅守は健在。仙台に復帰したGKシュミット・ダニエルの穴が一番心配されていたがここまでのところは1年ぶりに戻ってきたGK村山で大きな問題は生じていない。
■ 出だしで躓いた京都サンガ逆に出だしで躓いたのは京都である。ここまで1勝3敗で18位と下位に沈んでいる。2節の徳島戦(H)は0対0で迎えた後半終了間際に(怪我の影響で)最前線に上がっていたDF闘莉王に劇的な決勝ゴールが生まれて1対0で勝利したが、4節の岡山戦(A)は後半の終了間際に途中出場したFW赤嶺に2ゴールを食らって1対2で逆転負け。新たに布部監督が就任したが「5強」の中では、唯一、スタートで躓いてしまった。
4節の岡山戦(A)はショッキングな敗戦と言えるが、内容的には4試合の中で一番良かった。FWエスクデロは怪我で欠場。DF闘莉王は怪我の影響でベンチスタート。FW大黒もベンチスタート。大卒ルーキーのFW大野耀が1トップの位置で起用されて、シャドーの位置にはMFイ・ヨンジェとMF小屋松が起用された。さらにボランチにMF望月を抜擢するなどフレッシュで動ける若手を積極的に起用したことが功を奏した。
FW岩崎やMF仙頭といった期待の新戦力も存在感を発揮しているのでここまでは若手の頑張りは目立っている。若手を積極的に起用した方が布部監督のやりたいサッカーを実現させやすいと思うが、名前のある選手がたくさんいるので彼らを簡単に外すことは難しい。若手中心のメンバー構成になっている時間帯の方が明らかに良いサッカーが出来ている中、布部監督がどういう選手起用をするのは?は興味深い。
■ 「5強」以外で自動昇格争いに絡んでくるのはどこか?「5強」以外で自動昇格争いに食い込んでくる可能性が高そうなクラブというと横浜FCと徳島と千葉の3チームだろう。横浜FCはここまで3勝1分け。スタートダッシュに成功した。50歳になったFW三浦知の活躍が話題になっているが、大黒柱のFWイバの存在感は今シーズンも絶大。ニューイヤーカップで鹿島に勝利するなどでプレシーズンから結果を残してきたが開幕後も充実した戦いを続けている。
徳島も3勝1敗。いいスタートを切った。2節の京都戦(A)は0対1で敗れたが、内容的には徳島が優勢だった。スペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督が就任したが洗練されたモダンなサッカーになっている。MF杉本太やMF前川など若手の台頭が目立っており、ここに出遅れた196センチのFWニコラ・アシチェリッチが絡んでくるようだとさらに面白くなるだろう。前評判を上回る充実したサッカーを見せている。
スペインで実績を積んだエスナイデル監督が就任した千葉はここまで2勝1敗1分け。4節はアウェイで松本山雅と対戦して1対3で敗れたがまずまずのスタートを切った。松本山雅戦(A)の1失点目が懸念されていた最終ラインの裏を突かれた末の失点だった。やられたくない形での失点だったのは気になるが、新戦力のMF清武やFWラリベイやMFホルヘ・サリーナスなどが存在感を発揮しているのはいいニュースと言える。
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