サッカーコラム J3 Plus+　

■　関東のクラブや大都市のクラブは有利

日本の場合、関東地方や大都市にある会社の方が従業員の給与水準が高くなるので自由に使えるお金の額も多くなる。そして、サポーターがお金を持っていたらクラブに費やしてくれる額が増える可能性が高まるので、やはり、関東地方で活動するクラブや大都市で活動するクラブは非常に恵まれていると言える。逆の視点で考えると地方で活動しているクラブはこの点でもハンディを背負っていると言える。

ただし、関係してくるのは「関東のクラブか？否か？」、「大都市で活動するクラブか？否か？」だけではない。基本的には男性の方が高収入を得ている可能性が高くて、さらに学生よりも社会人の方が自由に使える額ははるかに多くなる。そして、同じ社会人でも年齢が上がれば上がるほど給料は高くなるので「男性のサポーターが多いチーム」や「サポーターの平均年齢が高いチーム」はこの項目で上位に来やすい。

■　1番低かったのはレノファ山口

表2は2011年から2016年までのクラブ別のお小遣いの額の平均値を示している。年ごとの違いはあまり感じられないので2016年に上位だったチームは軒並み過去5年間の平均値でも上位となる。下位に注目すると1位は山口で23,800円、2位は大分で25,980円、3位は愛媛FCで26,650円となる。2016年に初めてJ2に昇格してきた山口が最も低くなったが、まだ1年のみのデータしかないので評価や考察は保留とする。

4位は鳥取、5位は熊本、6位は長崎、7位は新潟、8位は山形、9位は札幌、10位は富山、11位は鳥栖となるので、やはり、地方のクラブばかりである。この中で鳥栖については「18歳以下のサポーターの割合」がJリーグの中で屈指の高さ。学生が多くて自分でお金を稼いでいるサポーターの割合が非常に低いことが1つの理由と考えられる。サポーターの平均年齢が低いことがマイナスに作用する項目と言える。

表2. お小遣いの平均値 (2011年-2016年)

順位	クラブ名	平均	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年
1	浦和レッズ	44,450	45,800	44,700	42,200	36,900	48,000	49,100
2	東京ヴェルディ	41,967	41,500	39,300	40,100	40,400	42,200	48,300
3	横浜FC	41,317	48,600	38,200	41,500	42,500	38,300	38,800
4	川崎フロンターレ	40,650	38,900	39,900	34,300	49,000	39,200	42,600
5	FC東京	40,200	39,600	36,500	38,400	40,500	44,100	42,100
6	ジェフ千葉	39,350	41,600	37,900	38,200	34,200	45,200	39,000
7	柏レイソル	39,000	37,400	38,100	38,100	38,500	40,800	41,100
8	横浜Fマリノス	38,483	36,700	35,800	39,300	38,000	38,400	42,700
10	ガンバ大阪	37,817	37,700	36,300	34,600	37,900	39,700	40,700
12	鹿島アントラーズ	37,433	39,300	39,800	35,900	34,700	36,800	38,100
11	大宮アルディージャ	37,500	38,100	34,000	35,500	40,300	38,100	39,000
9	名古屋グランパス	38,067	37,500	35,700	39,300	33,800	39,600	42,500
13	セレッソ大阪	36,483	33,400	34,700	36,500	39,200	37,200	37,900
15	湘南ベルマーレ	34,533	32,500	31,600	34,600	40,600	34,400	33,500
14	栃木SC	34,540	34,300	34,500	36,400	33,100	34,400	-
16	ヴィッセル神戸	34,517	34,000	36,000	32,900	33,700	35,400	35,100
17	ジュビロ磐田	34,383	33,900	39,100	30,700	31,300	36,500	34,800
18	ザスパクサツ群馬	33,833	37,000	34,300	33,900	31,100	32,600	34,100
18	清水エスパルス	33,833	34,100	35,100	33,400	27,000	35,400	38,000
20	ベガルタ仙台	33,350	31,100	33,600	33,700	33,600	32,900	35,200
21	町田ゼルビア	33,300	-	33,500	-	-	-	33,100
22	ヴァンフォーレ甲府	32,917	31,800	31,700	30,500	40,100	33,400	30,000
23	京都サンガ	32,600	32,000	31,700	32,900	32,400	33,700	32,900
24	ツエーゲン金沢	32,450	-	-	-	-	34,000	30,900
25	水戸ホーリーホック	32,383	31,300	35,000	31,800	29,400	33,400	33,400
26	FC岐阜	32,067	33,000	31,600	33,700	32,300	33,400	28,400
27	ギラヴァンツ北九州	31,900	29,100	32,300	30,900	36,700	28,900	33,500
28	サンフレッチェ広島	31,100	28,300	29,200	29,600	30,900	33,200	35,400
29	アビスパ福岡	30,867	30,000	30,700	33,200	25,000	36,200	30,100
30	松本山雅	30,800	-	27,300	28,800	30,300	32,800	34,800
31	ファジアーノ岡山	30,633	28,400	26,300	30,600	30,400	35,000	33,100
32	徳島ヴォルティス	30,417	30,900	28,500	29,000	30,700	30,900	32,500
33	カマタマーレ讃岐	30,033	-	-	-	29,300	29,900	30,900
34	サガン鳥栖	29,800	27,900	28,400	29,900	33,600	27,100	31,900
35	カターレ富山	29,775	27,800	30,700	31,100	29,500	-	-
36	コンサドーレ札幌	29,350	26,800	25,000	28,700	30,900	30,300	34,400
37	モンテディオ山形	28,883	29,900	29,500	27,000	28,800	29,300	28,800
38	アルビレックス新潟	28,600	28,400	28,300	27,400	29,700	30,800	27,000
39	V・ファーレン長崎	27,825	-	-	27,200	30,000	28,300	25,800
40	ロアッソ熊本	27,400	28,300	27,200	27,700	24,900	30,300	26,000
41	ガイナーレ鳥取	26,900	27,900	26,200	26,600	-	-	-
42	愛媛FC	26,650	27,400	25,300	26,800	27,200	25,500	27,700
43	大分トリニータ	25,980	25,100	25,300	27,400	26,800	25,300	-
44	レノファ山口	23,800	-	-	-	-	-	23,800

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