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【日本代表】 2017年にハリルJAPANに抜擢される選手は誰だろうか？ (CB編) ～注目はDF昌子源、DF植田直通、DF岩波拓也、DF中谷進之介など～ | | |　

センターバック編

→　2014年9月のアギーレJAPANの初陣以降のセンターバック陣の成績をまとめてみると表1のようになる。プレミアリーグでプレーするDF吉田(サウサンプトン)は不動のレギュラーで、パートナーの座を巡ってDF森重(FC東京)とDF槙野(浦和)が争う形になっており、ハリルJAPANになってからしばらくの間はDF槙野(浦和)がやや優勢だったが、最近はDF森重(FC東京)がスタメンで起用されるケースがほとんどである。

DF槙野は10月11日に行われたオーストラリア戦(A)では左SBでスタメン起用されるなど左SBでも試されている。表1に出てくる選手の中で4番目の出場時間を得ているのはDF遠藤航(浦和)であるがフル代表ではボランチ or 右SBの候補となる。所属の湘南や浦和ではCBでプレーする機会がほとんどであるが178センチのサイズがネックなる。「CBとしてはハリルホジッチ監督の構想には入っていない。」と考えられる。

結局、CBの候補で4番目に出場時間を得ているのは2016年のリオ五輪にオーバーエイジで参加したDF塩谷(広島)で180分。DF吉田、DF森重、DF槙野の3人が殆ど怪我で離脱することなく一定以上のパフォーマンスを見せているのはポジティブな要素の1つに挙げられるが、やはり、3人以外のCBをほとんど国際試合で試すことが出来ていないのは問題である。ポジション争いを活性化させる若手CBの台頭が期待される。

表1. センターバック陣の成績 (アギーレJAPAN以降)

ポジション	左SB	右SB	ボランチ	名前	身長	試合数	先発	途中	(分)	シュート	得点	アシスト
CB			△	森重真人	183	28	27	1	2,471	25	1	3
CB				吉田麻也	189	27	27	0	2,442	29	7	0
CB	△			槙野智章	182	10	9	1	830	7	1	0
CB		△	〇	遠藤航	178	7	4	3	383	5	0	1
CB		△		塩谷司	182	2	2	0	180	1	0	0
CB				水本裕貴	183	2	1	1	135	1	0	0
CB	△	△	〇	今野泰幸	178	4	1	3	122	2	1	0
CB		△	〇	丹羽大輝	181	2	1	1	106	0	0	0
CB	△	△	〇	谷口彰悟	182	2	1	1	104	1	0	0
CB	△	△		昌子源	182	2	1	1	96	1	0	0
CB	△			丸山祐市	183	2	1	1	91	1	0	0
CB				坂井達弥	183	1	1	0	90	0	0	0
CB				鈴木大輔	181	1	0	1	6	0	0	0

■　クラブW杯で存在感を発揮したDF昌子(鹿島)

ただし、候補自体は少なくない。ザックJAPANのときはDF吉田とDF今野というCBコンビの競争に割って入ることが出来そうなタレント自体が少なかったが状況は大きく変わった。定期的に招集されているレフティのDF丸山(FC東京)に加えて、DF昌子(鹿島)、DF植田直(鹿島)、DF岩波(神戸)などは国際経験も豊富。現時点ではDF丸山、DF昌子、DF植田直、DF岩波などが「4人目の椅子」を巡って争っている状態と言える。

中でも最大の注目はDF昌子(鹿島)だろう。昨年のクラブW杯では素晴らしい活躍を見せて評価が急上昇。2016年はJ1のベストイレブンに選ばれるなど大飛躍のシーズンになった。182センチという身長は国際基準で考えるとやや低いが鋭い出足を生かしたボール奪取と寄せの速さは日本人CBの中では屈指。何度もハリルJAPANに召集されているが余裕のある試合で「どれくらいやれるのか？」を試したいところである。

一方のDF植田直(鹿島)はちょうど1年前に行われたU-23アジア選手権でMVP級の活躍を見せた。186センチの高さと長身に似合わないスピードが大きな武器で空中戦も強い。ただし、2016年のリオ五輪以降のパフォーマンスがあまり良くないので鹿島で定位置を確保しているとは言い難い状況。2学年上となるDF昌子との差が広がって来たが同僚に負けずにフル代表のCBの競争に絡んできてほしいところである。

■　東京世代のDF中山雄(柏)&DF冨安(福岡)

リオ五輪の本大会で悔しい思いをしたDF岩波(神戸)は移籍の噂もあったが残留が決定。FWポドルスキの加入が噂されている神戸は大注目チームに挙げられており、優勝候補の1つに数えられている。そういう中で好プレーを見せることが出来ると自身の評価も高まる。日本人選手ではあまり多くない貴重な左利きのCBであるDF丸山(FC東京)も定期的にハリルJAPANに召集されており、正確なフィードは大きな武器となる。

その他ではスペイン2部でプレーするDF鈴木大(タラゴナ)も候補の1人に挙げられる。昨シーズンは途中加入ながらスペイン2部で3位になったタラゴナでポジションを確保するなどスペインでもなかなかの評価を得ている。海外でプレーする日本人のCBはまだまだ少ないので「日常的に外国人選手とプレーできている。」というのは1つのアドバンテージになる。久々となる代表復帰が実現しても不思議はないだろう。

フル代表に召集された経験のない選手では1996年生まれのDF中谷(柏)、1997年生まれのDF中山雄(柏)が期待と注目を集めている。すでにJ1の柏でレギュラーを獲得しているがパスサッカーを得意とする柏のアカデミーで育ったのでどちらもフィード力が高くて場合によってはボランチでもプレーできる。DF中谷は184センチというサイズも魅力で身体的な能力が高い。東京世代のDF中山雄は左利きという点が武器となる。

東京世代はCBの層が非常に厚いので激戦区と言えるが昨年の10月に行われたU-19アジア選手権のときにDF中山雄(柏)とコンビを組んで無失点でのアジア制覇に大きく貢献したDF冨安(福岡)も有望視される選手の1人である。ボランチとしても大きな可能性を秘めているので今シーズン、福岡でどのポジションがメインになるのか？は分からないが、U-20W杯などで存在感を発揮できるとフル代表入りが見えてくる。