■ 優勝候補の筆頭は鹿島アントラーズ2017年のJ1の優勝争いは2連覇を目指す王者の鹿島が中心となるだろう。CSは準決勝・決勝とも圧倒的に不利な状況の中で川崎Fと浦和を連破して久々となるJ1王者に輝くと12月に行われたクラブW杯では大陸王者を次々に破る快進撃を見せた。決勝でレアル・マドリーを慌てさせたのもインパクトが大きかった。CSならびにクラブW杯の戦いを通して鹿島のイレブンは得難い経験を積むことができた。
オフの補強も(1点を除くと)完璧に近い。昨夏にMFカイオが抜けた後、自分から仕掛けるタイプのドリブラーがいなかったが神戸で29試合に出場して11ゴール12アシストを記録したFWペドロ・ジュニオール(神戸)の獲得に成功。さらにはDF山本脩のバックアッパー不在の状態が続いていた左SBもDF三竿雄(湘南)の獲得に成功。この2人を獲得できたのがとにかく大きい。チームの弱点を補う補強ができている。
他にもMFレオ・シルバ(新潟)と金森(福岡)の加入も確定したが唯一の不安材料はキーパーである。CSならびにクラブW杯ではGK曽ヶ端が神がかり的な活躍を見せたが37歳とベテランの域に入っており年齢的な衰えは否めず。ポカミスも増えてきたのでそろそろ1番手としては厳しくなってきた。GKク・ソンユン(札幌)、GKキム・スンギュ(神戸)、GKキム・ジンヒョン(C大阪)に声をかけたがいずれも「No」だった。
キーパーの補強が失敗続きなのは今オフの補強の唯一のマイナス点と言えるだろう。また、クラブW杯でMF柴崎岳、FW金崎、DF昌子、MF永木、DF西大伍などが大活躍して市場価値が劇的に向上した。特にMF柴崎岳とDF昌子についてはこれから具体的な欧州移籍の話が飛び込んできても全くおかしくないので流動的な部分もあるが24歳前後の選手が多くてノビシロの大きい選手が多い点も大きな武器となる。
■ 補強に成功した浦和レッズが対抗対抗馬は浦和になるだろう。こちらもFWラファエル・シルバ(新潟)、FWオナイウ阿道(千葉)、MF菊池大(湘南)、DF田村友(福岡)らを獲得。さらにはMF長澤(千葉)とMF矢島慎(岡山)の復帰も確定しているんので選手層は格段にアップした。特に突出したスピードと得点感覚を持つFWラファエル・シルバを獲得できたのは大きい。これだけ分厚い選手層になったので当然のことながらACLでの活躍も期待される。
鹿島と同様で(現時点では)主力の流出はほぼゼロ。「この選手はレギュラー確実」と言える新戦力はいないので全く同じメンバーが新シーズンもレギュラーを務める可能性がある。継続性は武器となるがメンバーが変わらないということは「大事な試合で勝てない。」という課題も引き継がれることを意味する。大事な試合で勝てないペトロヴィッチ監督にとって勝負のシーズンであり、リーグタイトル獲得が至上命題となる。
結局、昨シーズンの開幕前の時点では「今シーズンのJ1はG大阪・浦和・広島・鹿島・FC東京・川崎Fの6強」と言われたが、2017年については「鹿島と浦和の2強」と言えるだろう。CSの決勝で戦った2チームは主力の流出がほぼ無い中で新戦力を加えることに成功しているがあとの4チーム(G大阪・広島・FC東京・川崎F)はプラスの要素もいくつかあるがマイナスの要素も少なくない。鹿島や浦和との差は広がった。
■ 2強を追う1番手は川崎フロンターレ鹿島と浦和の「2強」を追う1番手は川崎Fか。エースのFW大久保(→FC東京?)の移籍は大きなマイナスで鬼木監督へのスイッチも不安要素の1つと言えるが、MF家長(大宮)の加入が濃厚。そして何よりもFW小林悠を引き留めることができたのは最大の補強と言える。2016年のJ1のMVPに選ばれたMF中村憲は健在。天皇杯も準優勝だったので勝負どころで勝てないのは気になるが各ポジションに力のある選手を揃えている。
FC東京はMF永井謙(名古屋)とGK林彰洋(鳥栖)の加入が決定。FW大久保(FC東京)も確実視されている。3人のビッグネームの獲得に成功したことでスタメン11人の顔ぶれは鹿島や浦和に匹敵する豪華メンバーとなるがチームバランスという視点で考えるとあまり良くない。例えばハードワークの出来るFW前田遼に代わってFW大久保、MF中島翔に代わってMF永井謙がスタメン起用されるようだとマイナスも少なくない。
FC東京は新戦力が見事に噛み合ったとしたら物凄いチームになると思うが噛み合わない可能性も十分に考えられる。また、鹿島が天皇杯を制したことでACLのプレーオフの出場権を得たガンバ大阪はいつになく厳しいオフを過ごしている。ハードワークでチームに貢献してきたMF大森(→神戸)とMF阿部浩(→川崎F?)が抜けるのは痛い。攻撃陣の補強が進んでおらず、優勝候補とは言い難い状況になっている。
連覇を逃した広島はFWピーター・ウタカの退団が濃厚。FW佐藤寿(→名古屋)も抜けるので「1トップ+2シャドー」が質も量も厳しいことになっていたが元日本代表のFW工藤壮(ホワイトキャップス)の獲得に成功した。1トップの位置でもシャドーの位置でも効果的な働きが出来る選手なので大きな補強と言える。彼にかかる期待は大きいがチーム全体が高齢化しつつある。我慢のシーズンになる可能性が高い。
■ ダークホースはジュビロ磐田「2016年の開幕前の6強」以外では神戸に上位進出の期待がかかる。2016年の2ndステージは2位と躍進したが今オフの補強も万全。すでにDF渡部(仙台)、MF高橋秀(FC東京)、MF大森(G大阪)の獲得に成功。FW田中順(柏)の加入も確実となった。派手さはないが素晴らしい補強が出来ており、優勝争いに絡んできても不思議はない。FWペドロ・ジュニオール(→鹿島)の穴を誰が埋めるのか?が大きなテーマになる。
最大の注目は何と言っても磐田だろう。元日本代表のMF中村俊(横浜FM)の加入が確実視されているが彼の加入で注目度の劇的なアップは確実。いろいろな面でプラスの効果が生まれるはず。「J1の18クラブの中で最も注目と期待を集めるクラブ」と言っても過言ではない。MF中村俊はここ2シーズンは怪我に苦しんでいるので「どのくらい稼働できるのか?」は未知数と言えるが正確無比な左足は相変わらず脅威となる。
どうしてもMF中村俊に話題が集中するがFW川又(名古屋)、DF高橋祥(神戸)、MFムサエフ(ナサフ・カルシ)の獲得も効果的と言える。一方でFWジェイ(→未定)の退団が確定しており、補強ポイントだった「高さのあるCB」を獲得できなかった点はマイナス材料と言えるがMF中村俊の加入が確定すると『J1の18クラブの中で最も充実した補強ができたクラブ』と言える。2017年のJ1のダークホース的な存在と言える。
2017/01/02 【J1】 ちょっと気の早い2017年シーズンの展望 (上) (優勝争い中心)
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