■ 2008年に匹敵する熾烈な残留争いJ1はついに残り1試合になった。浦和の2ndステージ制覇が決定した一方で残留争いに関してはジェフ千葉がアレックス・ミラー監督の下、「奇跡の残留」を果たした2008年に匹敵する熾烈な争いになっている。降格の可能性を残しているのは磐田・甲府・新潟・名古屋の4チームで、最終節の仙台戦(A)は引き分けでも自力で残留が決まる磐田はかなり有利な立場と言えるが、他の3チームは切羽詰まった状況になっている。
11月3日(木)に行われる最終節は仙台 vs 磐田、甲府 vs 鳥栖、新潟 vs 広島、名古屋 vs 湘南となる。もちろん、現時点で降格圏の16位に位置する名古屋が最も厳しい立場にあるのは確かであるが、最終節はすでにJ2降格が決まっている湘南とのホーム戦なので勝ち点「3」を積み上げる可能性はかなり高い。名古屋が勝利した場合、甲府や新潟は引き分けだと名古屋に抜かれてしまうのでプレッシャーは大きい。
一方、16位の名古屋との得失点差を考えると「磐田は大丈夫」のように見えるが、すでに触れた2008年のときは最終節で勝利した千葉に追い抜かれて入替戦に回ったという苦い思い出がある。(※ 自動降格となったのは東京V。)このことを記憶しているサポーターは多いと思うので磐田も油断はできない。「引き分けでもOK」というのは心理的には大きいが、4チームの中で唯一のアウェイ戦となる点は不利な要素である。
■ G大阪 vs 新潟で発生した4つの重大局面結局、先の16節は残留争いに絡んでいる4チーム全てが黒星を喫した。引き分けでも残留が確定した磐田、引き分けでも降格圏を脱出できた名古屋の2チームはもちろんのこと、甲府や新潟も引き分けで勝ち点「1」を積み上げることが出来ていたら最終節の戦いが少し楽になったので痛恨の敗戦と言えるが、極めてダメージの大きい試合になったのはやはり新潟である。大事な試合で主力2人を欠くことになった。
改めて言うまでもなくFWラファエル・シルバは得点源となる選手で、MFレオ・シルバは攻守の要であり精神的な支柱である。両者がG大阪戦(A)でレッドカードを受けて大事な最終節が出場停止になるのは痛すぎる。名古屋と勝ち点は全く同じで、得失点差で少し上回っている新潟にとって「名古屋が3点差で負けている。」という情報はポジティブなものだったが、ピッチ上の選手には伝わっていなかったのだろう。
G大阪 vs 新潟の試合を担当したのはレフェリーとしてはギリギリで若手世代となる35歳の岡部拓人主審だったが、客観的に見ても、主観的に見ても、十分なパフォーマンスだったとは言えないだろう。両チームにとって大事な試合ということもあって緊迫した展開になったが90分の中で4つの重大局面があった。結局、そのうちの2つの判定は正しかったと思うが、残りの2つの判定はミスジャッジだったと思う。